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オールスター戦も終わり今シーズンも後半戦に入ります。今シーズンオフには第2回Premier12が控えていますが、プロ野球所属日本人選手がどれだけ活躍しているのか、ポジション別ランキングを見ていきましょう。今回もセイバーメトリクスの指標『WAR』を使って見ていきます。(前回記事はこちら


野手は西武勢が躍進

※WARはDelta HP(https://1point02.jp/op/index.aspx)より。


前回、交流戦前時点のランキングでは、秋山翔吾(CF)、山川穂高(1B)、森友哉(C)の3選手がランキングした埼玉西武ライオンズですが、今回は更に外崎修汰(2B/UT)、中村剛也(3B)を加えた、合計5選手がランクインしました。


先発投手トップ3は千賀、山口、山本

今回は投手もランキングにしてみました。ここまで順調に来ているのが千賀滉大(SP/福岡SB)、山口俊(SP/読売)、山本由伸(SP/オリックス)の3人です。菅野智之(SP/読売)のパフォーマンスがイマイチ上がらない状況ですが、相変わらず日本の先発投手は層が厚く、グラフの6選手以外にも各球団のエースが代表入りすると思われます。有原航平(SP/北海道日本ハム)、大瀬良大地(SP/広島)、柳裕也(SP/中日)といった面々が控えています。リリーフ陣では松井裕樹(CL/東北楽天)が好調。もう1人の侍ジャパンのクローザー山崎康晃(CL/横浜DeNA)は、16セーブ/防御率1.20 と安定した成績をマークしていますが、 奪三振率(K%)が8.2%悪化しておりWARで見ると、評価が低めになっています。


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6月、歴史的なFA市場の停滞の影響で、シーズンが始まってからも浪人していたクレイグ・キンブレル(RP/シカゴカブス)やダラス・カイケル(SP/アトランタ・ブレーブス)がようやくメジャー契約を結びました。近年セイバーメトリクス研究の中で、選手の成績が年齢と共にどう変化していくかも分かってしまってきており、その事実が30歳を超えたベテラン中堅選手の立場をますます追い込んでいっています。

30歳前後と言えば、ちょうど日本のプロ野球に移籍してくる新外国人選手の相場です。メジャー球団から“見切り”をつけられる年齢ですが、そこにマイナーリーグより遥かに待遇の良いオファーが日本の球団から来る訳ですから、オファーを受けられる選手はラッキーですし賢明な判断だと思います。先月、メジャーで7年98試合の登板経験のあるルビー・デラロサ(RP/元アリゾナダイヤモンドバックス)が読売ジャイアンツと契約を結びました。また、WBCベネズエラ代表でバリバリのメジャーリーガーであるヤンガービス・ソラーテ(UT/元サンディエゴ・パドレス)も阪神タイガースと大筋合意という報道がされています。他にもシーズン前に読売と契約したクリスチャン・ビヤヌエバ(3B/読売ジャイアンツ)など、メジャーのFA市場の停滞によって日本に来る外国人選手の格が少し上がってきています。


止まらないキューバの亡命者

逆に、MLBでは“若さ”の価値が高まっています。年俸調停権を得る前の若手メジャーリーガーは、その活躍の割に、圧倒的に年俸を安く済ますことが出来るため重宝されます。また、それは選手や代理人も分かっていますから、彼らにとっての交渉材料にもなる訳です。

パンアメリカン競技大会に向け、カナダ/アメリカの独立リーグ『Can-Am League』で強化試合を行っていたキューバ代表から、亡命者が続きました。メジャーリーガーの兄を持つヨエルキス・セスペデス(OF/グランマ)、代表候補のオルランド・アセベイ(3B/サンクティ・スピリトゥス)、WBCキューバ代表の父を持つノルヘ・カルロス・ベラJr.(SP/サンティアーゴ・デ・クーバ)と、東京オリンピックでも戦力となりそうなタレントが、メジャーリーグでの契約を求めて母国を去りました。

そのキューバ代表は、パンアメリカン競技大会へ向けてメキシカンリーグ、Can-Am League、アメリカ大学選抜と強化試合を重ねています。


結果は14勝11敗と勝ち越していますが、その内5勝は6月上旬にメキシコのチームとの対戦で得た勝利でした。ショッキングだったのはアメリカの大学選抜との対戦で1勝5敗。その1勝も1点差の辛勝で、学生相手に完全に力の差を見せつけられる結果となりました。

パンアメリカ競技大会には、日本のプロ球団に所属するユリスベル・グラシアル(OF/福岡ソフトバンク)や、イバン・モイネロ(RP/福岡ソフトバンク)など主力の海外組召集を試みているようですが、代表チームのベースは今回の遠征メンバーですので、選手層の薄さを感じずにはいられません。尚、キューバ代表はこの後、ニカラグア代表とも強化試合を行います。相手としては格下と見られていますが、果たしてきちんと勝利することができるか・・・?

韓国と台湾の上昇株

所変わって、アジアの2強の動向です。11月開催予定のプレミア12で、日本に立ちはだかるだろう韓国と台湾の注目選手です。

まずは韓国の姜白虎(カン・ベクホ/OF/KTウィズ)。今年20歳ながら、韓国プロ野球で打率3位(7月12日時点)に位置している新人選手です。この選手は、2017年のU18野球W杯で、清宮幸太郎(1B/北海道日本ハム)、小園海斗(SS/広島)、藤原恭大(CF/千葉ロッテ)といった豪華メンバーの日本代表を破った韓国代表の主軸を務めた選手です。U18韓国代表では捕手も務めた経験があるなどユーティリティープレイヤーとしても国際試合では重宝される存在、恐らくプレミア12でも韓国代表に入ってくるだろうと思われます。日本代表にとって要警戒の選手です。

一方、台湾での上昇株は朱育賢(ジュウ・ユィシェン/1B/Lamigo)です。身長188cm/体重100kgの恵まれた体格で、今季台湾プロ野球CPBLでは前半戦での本塁打新記録となる22本塁打を放っており、好調を維持しています。所属チームのLamigoモンキーズは、来季以降球団を維持することが困難なことから身売りする方針を発表し、暗い話題も出てしまいましたが、そんな中でLamigo球団自体は朱育賢の活躍もあり、前季優勝を飾ることができました。Lamigoモンキーズを率いる洪一中監督が、プレミア12で台湾代表を率いることが決まっており、朱育賢選手の代表入りの可能性も高いと考えられます。プレミア121次リーグで台湾代表と対戦する侍ジャパンにとっては要注意人物の一人です。


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久々の投稿は新企画です。

世界の野球プロリーグと言えば、トップがアメリカのメジャーリーグ(MLB)で、続いて日本のプロ野球(NPB)が世界で2番にレベルが高いと言われています。ただ、アメリカや日本以外にもサマーシーズンのプロ野球は存在していて、韓国野球委員会(KBO)、台湾の中華職業棒球大聯盟(CPBL)、メキシコのリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(LMB)などがあります。これらのプロ野球リーグは、日本のプロ野球球団にとって米マイナーリーグ以外の外国人選手の大事な供給源となっています。そこで今回は韓国、台湾、メキシコのプロ野球リーグに加え、キューバ国内リーグ セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(以下、Serie)を加えた中堅4大リーグ所属の選手を、当サイト独自の基準でランキングしてみたいと思います。


プレイヤーランキング選考基準

今回はバッターに限定してランキングを作成します。理由としては、4つのリーグが全て極端な”打高投低”リーグになっており、どちらかというと打者の方が魅力的な選手が多いため、打者からランキングを作成することにしました。(まぁ正直言うと投手はまだ作成中なんですけどね…。)

ランキングを作る上で一番の課題は、各国のリーグのレベルの違いです。同じ打率3割5分でも、韓国KBOのそれとメキシコLMBのそれをどう評価したら良いか比較が困難です。そこで今回は、各リーグでの成績を日本のプロ野球ベースに変換することにしました。具体的にどうするかと言うと、まずはこれら4つのリーグからNPBに移籍してきた助っ人外国人選手たちの成績を集めます。そして、それぞれNPBに移籍してくる前の成績と後の成績を比較します。それぞれ移籍前後の平均的なパフォーマンスの変化量をデータ化し、それを各国の現役選手の成績に乗じて、日本だったらどのくらいの成績に該当するか算出します。(尚、近年韓国や台湾から日本にやってくる選手が非常に少なくなってきたため、データ自体が少ないという問題があります。そこで、この2つのリーグについては、一度マイナー3Aの成績に変換して、その3Aの成績からNPBの成績に変換するという方法を取りました。)尚、メキシコLMBの成績の場合、標高が高くボールが良く飛ぶチームに所属している選手については、実力以上に良い成績がついてしまうため、成績換算をする際にメキシコだけ標高補正も加えています。

また、同じくランキング作成の上での問題は、キューバリーグのデータ収集です。今回のデータ元は、老舗サイトBaseball-Referenceや各国公式サイトから参照したものですが、キューバリーグの成績はBaseball-Refenceの中で、2017-18シーズンの途中からデータが途切れてしまっておりました。そこは『取れないデータはどうやっても取れない』と諦めまして、可能な限りデータを収集しています。また守備関係のデータはほとんど取れないので、そこも割り切って攻撃系のスタッツだけで評価しています。

また、参照しているのは直近3年間2016~2018年のスタッツだけに限定しています。更に韓国/台湾/メキシコ/キューバの成績だけを参照しています。例えば、昨季韓国からW・ロサリオ選手が日本の阪神タイガースに移籍しあまり活躍できませんでしたが、ロサリオ選手の2018年シーズンの成績は対象外にしています。


各選手の成績を評価するのに『wRAA』と『wSB』と言う2つのセイバーメトリクス系指標を使いました。wRAAは” 同リーグの平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点"を意味し、wSBは”平均的な走者と比較して盗塁により何得点相当チームに貢献したか”を表す指標です。計算方法など詳しくはWikipediaなどにもありますので検索してみてください。wRAAやwSBは出場機会にも影響を受けますから、出場試合数の少ない選手だとwRAAは上がりません。今回は各選手の出場試合数は、基本的に各国リーグ成績をそのまま採用することにしましたが、キューバだけ極端にSerieの出場試合数が少ないため、出場試合数を実データの2倍にして比較できるようにしています。


ベストバッターランキング TO15

早速ですがランキングを見ていきましょう。

総括:1位の台湾の王柏融選手。30歳前後のベテラン選手がランキング上位を多く占める中で、王柏融選手の若さは非常に目を引きます。今季から移籍した北海道日本ハムファイターズのフロントが、その若さに注目していたこともなるほど納得できます。

また、全体的には韓国KBOの選手がランキングを占めるようになりました。確かに過去、李承燁(イ・スンヨプ)(1B/元・千葉ロッテ、読売)や、李大浩(イ・デホ)(DH/元オリックス、福岡SB)など、トッププレイヤーは日本でも活躍しましたから、同国KBOのトップ選手の評価が高まるのは理解できます。(W・ロサリオ選手のような例外もいますが…。)ただ、KBOの選手は年俸がそれなりに高いので、わざわざ安定した収入を捨ててまでMLBやNPBに移籍しようという選手は少なくなってきているように感じます。日本の球団からしても割高な韓国人選手を獲るよりも、3Aクラスから選手を獲ってきた方がリスクが少なく安上がりに感じるでしょう。逆に今回メキシコLMBの選手は、標高補正が効いているのかTOP15には入れませんでした。またキューバの選手があまり多くないのは、試合数の少なさはあると思います。


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昨年MLBアトランタブレーブスからドラフト1位指名を受けながら契約合意しなかったカーター・スチュワートJr.が、日本のプロ野球球団 福岡ソフトバンクホークスと契約しました。契約額は6年700万ドル(=約7.7億円)と言われています。


日本に来る外国人選手の分類

ひと昔まで日本のプロ野球球団が獲得する外国人選手は、主にメジャーとマイナー3Aクラスを行き来するような選手がほとんどでしたが、最近は少しずつその様相が変わってきています。まず、広島カープや読売ジャイアンツを中心に”育成”目的で安価な年俸で獲得された中南米系の選手の存在です。高い身体能力を持つ選手が多く、1軍でちょっと活躍してくれればコスパが非常に良いため、この手の選手は増加傾向にあります。

また一方で、メジャー経験の多い選手も増えています。メジャーのFA市場が史上稀に見る停滞が続いていることで大物選手がなかなかメジャー契約を勝ち取ることが出来ずにいます。FAマーケットを冷静に見極めた上で、判断として日本を選ぶケースが始めてきています。今季から読売ジャイアンツに加入したメキシコ出身のクリスチャン・ビヤヌエバ(3B/読売)は、前年の2018年シーズンにメジャーで110試合も出場していましたから、バリバリのメジャーリーガーでした。同じく今季から阪神に加入したジェフリー・マルテ(1B/阪神)も昨季メジャー90試合に出場、マイナーリーグよりもメジャーでの出場試合数が多かった選手です。(外国人ではありませんが、青木宣親(OF/東京ヤクルト)が日本球界に復帰した背景にもFA市場の停滞が少なからず影響したと思われます。)つまり、メジャーと3Aを行き来する選手だけでなく、最近は育成目的の安価な選手と実績のある中堅メジャーリーガーというカテゴリーも出始めており、年俸で見ると上下に幅が出始めてきています。


スチュワートJr.の契約のポイント

そんな中、カーター・スチュワートJrが福岡ソフトバンクホークスと契約した内容は、過去のどのパターンにも当てはまらない異例づくしの契約と言えますが、ポイントは2つだと思います。

・育成目的でありながら”高額”

・6年という”長期”契約

日本では基本的に”実績”が契約年俸のベースとなります。新外国人選手だと日本での実績はありませんが、マイナー3Aやメキシカンリーグ、韓国プロ野球など、”プロ”での実績が評価されます。なので、どれだけポテンシャルがあると言われている若手選手でも、プロでの実績が乏しければ、数億円どころか数千万円の契約さえ結ばれることはありません。福岡ソフトバンクホークスの場合も例外ではなく、”キューバの大谷翔平”と呼ばれるオスカー・コラス(OF/福岡ソフトバンク)というキューバトップクラスのプロスペクトが所属していますが、そのコラス選手でも推定年俸は1,000万円と言われています。一方、スチュワートJrが結んだ契約は、プロでの実績が全く無いにも関わらず、年平均にして117万ドル(=約1億3,000万円)と高額で、ある程度実績のある新外国人選手の年俸と遜色ありません。また、外国人選手の契約の多くは単年契約で、長くても3年契約くらいなものですが、スチュワートJr.の場合は6年という外国人選手としては異例の長さです。

一見するとその年俸額や契約期間は驚くべき数値ですが、これらをよくよく読み解いて行くと、それなりの妥当性が見えてきます。

上のグラフは、今シーズンプロ野球に所属している外国人選手の年俸分布です。下から見ていきますと、”育成”レベルの選手は年俸10万ドル以下の契約を結んでいます。日本人でも新人クラスの選手はだいたいこの辺の年俸になります。スチュワートJrが”新人扱い”されているならば、この程度の年俸になるはずですがそうはなっていないことはスチュワートJr.が戦力として見られていることを意味しています。

次に、一般的に即戦力として見られている外国人選手は、年俸30万ドル以上150万ドル以下が多くを占めます。MLBのメジャー最低保証年俸が約55.5万ドルと言われています。メジャー契約の境目がだいたいここら辺だと考えると、メジャー契約を結べるかどうか微妙な立場の選手にとって、55.5万以上の契約が結べるならば例え舞台がアメリカでなくともかなり魅力的と言えます。つまり、この『55.5万ドル』という額が、1つの分かれ目になっています。(因みに、お隣の韓国のプロ野球で活躍している外国人選手も、年俸はだいたい50~100万ドルの契約を結んでいて、マイナーリーグよりだいぶ良い条件でプレイしています。)

更に、150万ドル以上の年俸を得るには、日本で実績を得る必要があります。例えば、ドリス(RP/阪神)が155万ドル、ボルシンガー(SP/千葉ロッテ)168万ドル、ウィーラー(OF/東北楽天) 182万ドル、・・・と、どの選手も日本で少なくとも1年は実績を残しています。日本での実績がなく150万ドル以上の契約を結んでいるのは、C・ビヤヌエバ(3B/読売)200万ドル、E・ロメロ(SP/中日)250万ドルの2名だけです。


実はお買い得かもしれない6年700万ドル契約

スチュワートJr.はまだ若干19歳。6年契約の内、最初の2年位は投資期間として、費用対効果は考えていないと思います。そうすると、総額700万ドルの契約に対して実質稼働4年とみなすと、1年あたり175万ドル(=700万ドル÷4年)と考えることができます。尚、175万ドルという額でプレイしている外国人選手を挙げると、アルバース(SP/オリックス)182万ドル、ディクソン(SP/オリックス)198万ドル、辺りが該当します。もし、仮にスチュワートJr.が順調に成長して、ダルビッシュや田中将大、前田健太など球界を代表するレベルの選手になるならば、年175万ドルというこの契約は、実はかなりお買い得にも見えます。

更には福岡ソフトバンクホークスでは多くの外国人選手を抱えています。投手で言うと、デニス・サファテ(RP/福岡SB) 年俸5億円、バンデンハーグ(SP/福岡SB)年俸4億円と高額プレイヤーがいますが、この2人は年齢的にベテランの域に達しています。数年後、彼らが球界を去るとなると、その数億円単位の高額年俸の負担も無くなります。福岡ソフトバンクホークスがお金持ち球団であることは間違いありませんが、かといってコストパフォーマンスが悪いという訳でも無いのがこの球団の抜け目の無い所です。

もちろん、スチュワートJrが全く育たず、外れ外国人になってしまった場合、6年契約という長期契約は相当なリスクとなります。ただ一方で、もし単年契約で且つスチュワートがコンスタントに日本で活躍したとすると、その年俸は簡単に175万ドル(約2億円)を超え、最低でも年俸3~5億円位支払わないといけない状況になってしまいます。そう考えると長期契約とは言え、活躍した場合はかなりリーズナブルな契約とも言えます。

スチュワートJrの契約は、結構よく考えられた額に見えます。ただ、その根底にはホークス球団の緻密なスカウティングが合って意思決定に踏み切れたのだと思います。その判断が正しかったのか分かるのは数年後ですが、果たしてどうなるか?要注目です。


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6月4日から始まるセ・パ交流戦を前に、ポジション別に日本人選手の活躍をランキングにして見ていきましょう。今シーズンオフには東京オリンピックの予選も兼ねた国際大会Premier12が開催されますので、今季の活躍はその日本代表の代表争いにも影響してきます。ちなみにポジション別ランキングは以前にも特集していますので、是非こちらも参考にしてみてください。そして、今回も各選手の活躍を測る手段として、セイバーメトリクスの指標『WAR』を使って見ていきます。


キーマンは高橋周平?

※WARはDelta HP(https://1point02.jp/op/index.aspx)より。


まず外野から見ていきましょう。選手層の厚いセンターは、代表常連の秋山翔吾(CF/埼玉西武)が1位。2位には今年広島から読売に移籍した丸佳浩(CF/読売)が続きます。センターには他にも西川遥輝(CF/北海道日本ハム)や怪我で治療中の柳田悠岐(CF/福岡ソフトバンク)、阪神のルーキー近本光司(CF/阪神)などがいますが、トップ3までには入っていません。センターは相変わらず人材豊富なポジションと言えます。

ライトは鈴木誠也(RF/広島)がダントツトップ。プロ野球全体でもトップのWAR3.6をマークしています。続いて、今季好調を維持している大田泰示(RF/北海道日本ハム)。そして個人的にお気に入りの平田良介(RF/中日)も3位に位置しています。稲葉体制で活躍している上林誠知(RF/福岡ソフトバンク)は怪我のためまだ活躍できていませんが、復帰後の活躍が期待されます。

レフトのトップは近藤健介(LF/北海道日本ハム)がWAR1.5。続いて吉田正尚(LF/オリックス)や筒香嘉智(LF/横浜DeNA)といった日本の4番候補が並びます。吉田と筒香は左の大砲ですが、守備指標UZRで言うと吉田がワースト2位、筒香がワースト1位なので、できればDHで起用したい所です。そう考えると、近藤健介がシーズン中怪我なく終えて、レフト起用できればベストではないか、と思います。


続いて内野です。まず、最も熾烈なセカンドは山田哲人(2B/東京ヤクルト)がトップで、WAR3.3はプロ野球全体2位です。続いて、今季から楽天に移籍した浅村栄斗(2B/東北楽天)、代表常連の菊池涼介(2B/広島)など有名選手が名を連ねます。

セカンド同様にショートも人材豊富ですが、中でもプロ13年目の坂本勇人(SS/読売)の活躍が目立っています。坂本以下はパ・リーグの選手が続きます。茂木栄五郎(SS/東北楽天)、今宮健太(SS/福岡ソフトバンク)、大城滉二(SS/オリックス)、源田壮亮(SS/埼玉西武)などが続きます。

ファーストは現在、本塁打トップの山川穂高(1B/埼玉西武)が他を圧倒しています。逆に山川選手がもし不在となった場合、その穴は大きくなりそうです。稲葉監督からすれば、岡本和真(1B/読売)が去年並みの活躍をしてくれれば…と考えているのではないでしょうか。

問題はサードです。トップは現在セ・リーグ打率トップの高橋周平(3B/中日)。他に大山悠輔(3B/阪神)、村上宗隆(3B/東京ヤクルト)といった稲葉JAPAN召集経験のあるメンバーが続きます。大山と村上がもう1つ抜けた活躍をすれば、サードの起用は構想が固まりやすいのでしょうが、果たしてどうなるか。レフト候補の近藤健介は所属する日本ハムでサードも守っていますが、守備のことを考えると近藤にはなるべくサードではなくレフトで起用したい所。そのためにも、このまま高橋周平が好調を維持するか、他にも誰かしら若手がサードでしっかり成績を残してくれるとベストでしょうけど、果たしてどうなるか・・・?


最後に捕手は森友哉(C/埼玉西武)が打撃で好調を維持しており、WARキャッチャートップの3.0をマーク。続いて、梅野隆太郎(C/阪神)が続きますが、プロに入ってからは代表召集経験のない梅野が果たして稲葉体制で呼ばれるか評価が気になります。因みに、代表候補筆頭の甲斐拓也(C/福岡ソフトバンク)は4番手のWAR1.1でした。


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各国のプロ野球リーグがシーズン真っ只中ですが、11月に開催される国際大会Premier12に向けた各国代表の動きがちょくちょく出てきているので、簡単にまとめてみました。


メキシコはメジャーリーガー召集諦めず

今年3月に日本代表“侍ジャパン”と強化試合を行ったメキシコ代表が、Premier12の候補メンバーの63名を発表しました。

今回注目なのは、現実的に出場が可能そうなメキシカンリーグや日本のプロ野球でプレイする選手以外に、現役バリバリのメジャーリーガーがリストに含まれていることです。メキシコ代表にとってPremier12は東京オリンピック出場のかかった大事な大会ですが、本番である東京オリンピックにはメジャーリーガーの参加が許可されないと見るのが一般的な見方です。WBC以外の国際大会にメジャーリーガーの召集は難しいと、メキシコ野球連盟FEMEBEも理解していると思いますが、今回の発表からは『何とかメジャーリーガーを呼んでメキシコ代表を盛り上げよう!』という想いが垣間見えます。

前回2015年のPremier12では、メキシコ野球連盟FEMEBEとメキシカンリーグLMBとの間で選手派遣を巡るトラブルがあり、アメリカ系メキシコ人マイナーリーガーをかき集めた寄せ集め集団でした。(それでも大会4位という成績は見事ですが・・・。)今回は両者が連携し、“出来る限り”で最強のメンバーを召集しようという意気込みが感じられます。

しかし、何故召集が難しいと分かりながらもメジャーリーガーをリストに載せたのでしょう?恐らく、普通にメジャー球団と契約中の選手がPremier12に出場することは難しいと思います。ですが、もしその選手がフリーエージェントの状態だったらどうでしょう?今年3月の侍ジャパンとの強化試合でも、試合前には当時フリーエージェント中だったセルジオ・ロモ(RP/現マイアミ・マーリンズ)などの現役メジャーリーガーが召集されるというニュースも出ていました。結局マーリンズとの契約がまとまり出場しませんでしたが、もしFAのままだったら出場していた可能性が十分あったと思います。事実セルジオ・ロモは、遡ること2016年11月に侍ジャパンとメキシコ代表の強化試合に参加しており、WBC以外で現役メジャーリーガーが出場する初めてのケースで、ちょっとした話題になりました。

今回のリストの中には、まだまだ年俸調停権も取得できてない若いメジャーリーガーもいますが、1年契約で今シーズンオフに契約が切れる選手もいます。まさに、既出のセルジオ・ロモや、他にもオリバー・ペレス(RP/クリーブランド・インディアンズ)、マルコ・エストラーダ(SP/オークランド・アスレチックス)が1年契約です。近年メジャーリーグのFA市場は動きが毎年遅くなっており、特に中堅ベテラン選手は契約がまとまり難くなっています。もしかしたら、今年11月のPremier12でメキシカンメジャーリーガーを擁するメキシコ代表と、侍ジャパンが対戦することがあるかもしれません。


出典:https://www.milb.com/mexican/news/preselecci243n-de-m233xico-para-el-premier-12/c-307334658


キューバ代表は強化試合調整中

キューバの国内リーグ“セリエ”は、現在シーズンオフの時期です。日本のプロ野球やイタリアなどの海外球団に派遣されている選手を除いて、キューバ代表候補のメンバーは現在メキシカンリーグの球団との強化試合に取り組んでいます。

東京オリンピックへの出場権をかけた戦いである、7月のパンアメリカン競技大会や11月のPremier12までには、まだまだ日数がありますが、それまでの間対戦相手と試合の調整をしているようです。来月6月には、毎年恒例のアメリカ・カナダの独立リーグ“Can-Amリーグ”に単独チームとして参加する予定で、更に7月にも定期的に開催されているアメリカの大学代表チームと対戦予定です。他には6月末にニカラグア、7月にはドミニカ共和国の代表チームと対戦するという情報が流れています。キューバの国内組を強化試合の連戦を組むことで、果たしてどこまでチームを底上げできるのか?結果も含めて要注目です。


台湾はオールスター戦のフォーマットを変更

台湾では、台湾プロ野球リーグCPBLのオールスター戦を通常のフォーマットから変更し、ファン投票結果からなるCPBLオールスターチームと、代表チームの編成委員会が選出する台湾代表チームとの対戦になるそうです。国内リーグがレギュラーシーズン開催中の参加国にとっては、Premier12までにこういった数少ない機会をうまく利用する必要があります。果たしてどんなメンバーが選ばれるのか注目してみたいと思います。


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以前、当サイトではキューバ人選手が合法的にメジャーリーグ(以下、MLB)への移籍する新たな合意について、それを快く思わないトランプ政権が否定的な立場を取っているという特集をしました。(参考:『「赤い稲妻」はいつ還ってくるのか?』)これまで多くのキューバ人選手が、命の危険を冒しながらも、MLBでプレイすることを目指し亡命してきました。特に2010~2015年代辺りに亡命した選手の中には実力者が揃っていました。例えば、MLBデビュー年に新人王とシルバースラッガー賞を獲得し5年連続HR20本以上のホゼ・アブレイユ(1B/シカゴ・ホワイトソックス)、『暴れ馬』の異名を持ち6年連続二桁HRのヤシエル・プイグ(OF/シンシナティ・レッズ)、メジャー通算163HRのヨエニス・セスペデス(OF/ニューヨーク・メッツ)など、いずれもメジャーを代表するバッターたちです。キューバ側からすると、キューバの将来を担うはずだった才能ある選手たちが、揃ってアメリカに亡命してしまったため、キューバ代表チームも完全にスケールが小さくなってしまい、国際大会での成績は明らかな下降線を辿ることになります。また、これまで亡命してきたのは、アブレイユやセスペデスなどのベテラン選手であって、キューバ国内リーグ『セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(以下、Serie)』でも記録的な活躍をした後に失踪するケースが目立ちましたが、最近ではSerieで活躍する前の若い段階でアメリカに渡ってしまうことも普通になっています。ここが日本と違う所で、日本の場合プロ野球での活躍を経てメジャーに移籍するケースが一般的で、基本的に若手選手は国内に留まってくれるため、国内リーグや代表チームのレベルが極端に落ちることはありませんが、キューバの場合は若手の有望株が国内(もしくは国際大会)で活躍する前に海を渡ってしまうため、キューバの国内リーグ“Serie“自体が空洞化しやすいのです。


Serieの成績とメジャー成績との関係

Serieでの成績はメジャーでどれだけ活躍できるかを予想する上で、貴重な情報源となります。アブレイユやセスペデスなど7選手を例に、アメリカに渡る前の3年間のSerie成績とメジャーデビュー後の3年間の成績をグラフにし、その関係を見てみました。

※尚、Serieでの成績はメジャー移籍前3年分のK%に対し、重み付け(前年×100%、2年前×50%、3年前×25%)をしています。対してMLB移籍後3年の成績は3年間の累計値で、重み付けは無しです。


例えば、三振の多さを示す指標『K%』。三振数を打席数で割った数値ですが、SerieでK%が低い選手は、メジャーに行っても低いK%を示す傾向があります。K%の値自体は、キューバ時代よりも平均して9%程悪化しますが、「三振が少ない選手の方が、メジャーでも三振が少ない」という関係性は言えるようです。

長打力にも同じことが言えます。長打力を測る指標として、『IsoP』と言う指標があります。

IsoPは、長打率から打率を引いたもので、打者の純粋な長打力を示す数値です。SerieでIsoPが高かった選手はIsoPが低かった選手よりも、メジャーで高いIsoPをマークする傾向にあります。(もちろん、メジャー成績の方が数値自体は悪くなります。)

ただし、K%やIsoPのように、全てのキューバ時代の成績指標がメジャー成績と関係する訳ではありません。例えば、選球眼を示す『IsoD』という指標。

IsoDは、出塁率から打率を引いた数値ですが、先ほどのK%やIsoPと比べると、キューバ時代とメジャー移籍後の成績にはっきりした関係性が見られません。微妙に比例関係に見えなくもないですが、・・・難しい所です。

また、四球の多さを示す『BB%』に至っては、キューバ時代とメジャー移籍後の成績はほぼ関係無いように見えます。

ストライクゾーンや球種の違いなど、様々な要因があるのだと思いますが、キューバ時代のBB%は参考にはならない、と言うことです。


このように、成績指標によってSerieの成績が参考になるのか差はありますが、Serieの成績からメジャーでプレイした場合にどの位活躍できるか、およその成績を予想することも出来ます。


デスパイネがメジャーに移籍していたらどうなったか?

日本のプロ野球には、現在キューバを代表する選手が所属しています。アルフレド・デスパイネ(DH/福岡ソフトバンク)です。アブレイユやセスペデスなどメジャーを代表する選手と共に、キューバ代表で活躍してきた大物キューバ人選手です。代表のチームメイトが次々に亡命していく中、彼は今でもキューバ代表に残り続けています。そのデスパイネは、2014年シーズンから千葉ロッテマリーンズでプレイすることになったのですが、もしプロ野球でなくメジャーでプレイしていたらどのような成績になったのでしょうか?Serieでは“グランマ”というチームで活躍していて、その時期の打撃成績から予測してみますと、結果はこのようになりました。

デスパイネと比較的体格の近いヨエニス・セスペデス(セスペデス兄)の成績と比べてみます。パワーでは若干セスペデスに劣るものの、出塁率や打率の確実性の面でセスペデスを少し上回るという結果になりました。OPSは.819と立派な成績です。この成績ならば、十分メジャーでもやっていけると思います。つまり、日本に派遣されるキューバ人の中には、デスパイネのようにメジャー級のポテンシャルを秘めた選手がいるかもしれないのです。


今のキューバに大物はいるのか?

それでは今のSerie所属選手の中に、メジャーで活躍できるほどのポテンシャルを持った選手はいるのでしょうか?今回は、メジャーに亡命されてしまう前に日本の球団が是非獲得して欲しい選手を、当サイトの独断でベスト5をチョイス致しました。メジャーに渡った場合の予想成績と共に紹介していきます。(因みに、生まれた日が分からない選手がいるので、仮に1月1日の日付にしています。)


Serieでの成績からすると、次に紹介するヨスバニ・アラルコンの方が活躍できそうなのですが、アラルコンの方が年齢的にピークを迎えた感があるので若さを考慮して、このビニャーレスをNo.1としました。ポジション的にはキャッチャーですが最近はファーストでの出場が多く、キューバ代表のキャッチャー枠には他の選手もいるので、NPBの球団がファーストやDHで起用することにも問題は無さそうです。


アラルコンはキャッチャーながら、Serieトップクラスの打撃成績をマークしています。課題は、年齢的に既に34歳とベテランの域に達しているのと、キューバ代表では主にキャッチャーを務めているので、日本の球団がDHなどキャッチャー以外で起用することに対しキューバ野球連盟FCBが難色を示すのではないかと予想されます。それでも、グランマで活躍していた時期のA・デスパイネに近い成績をマークしていることから、即戦力として1年でも日本で契約する姿を見てみたい所です。キューバ人選手にしては三振(K%)が少ないのも、日本向きだと思います。中途半端に3Aクラスのマイナーリーガーを呼ぶよりは、アラルコンの方が確実に活躍してくれそうです。


パウミエルも年齢的には30歳を超えているのですが、助っ人外国人として見れば、まだまだ活躍できる年齢です。助っ人外国人に求められるパワーと言う面では、他の選手より劣るかもしれませんが、内野を守れるユーティリティーで使い勝手は良さそう。三振が少ないのもプラスポイント。


ノレル・ゴンザレスは何より25歳という若さ。四球(BB%)の少なさは気になるものの、いかにもパワーがありそうな体系で、今後の伸びしろ含め期待。既にでバットを握る所が、キューバ時代のホゼ・アブレイユにちょっと似ている。左の大砲。


アビレスは以前も当サイトで取り上げた選手です。26歳の若さと左のスラッガーという点で期待は高いのですが、右膝を負傷したため最近は露出少なめ。Premier12や第4回WBCにも選ばれていることから、キューバ野球連盟からの期待も見て取れます。MLB志向が強いので、早くNPBからオファーが届かないとアメリカに行ってしまいそうです。


特に、若いビニャーレス、アビレス、ゴンザレス辺りはメジャーで活躍できそうな匂いがするので、今の内に日本の球団が獲得してくれるのを期待したい所です。


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前回に続き、MLB開幕ロースターから見る国別得意ポジション特集です。


5)プエルトリコ

プエルトリコと言えば名捕手を何人も輩出するキャッチャー育成王国です。過去にはイバン・ロドリゲス(C/元テキサス・レンジャース)、ホルヘ・ポサダ(C/NYヤンキース)などがいます。また、現役最強キャッチャーとの呼び声高いヤディア・モリーナ(C/セントルイス・カージナルス)は現役メジャーリーガーながらU-23プエルトリコ代表の監督も務めています。プエルトリコ出身者にこれだけキャッチャーのメジャーリーガーが多い理由の1つとして言語能力があげられています。アメリカ領であるプエルトリコは基本スペイン語がしゃべられているのですが、第二公用語が英語となっています。投手とのコミュニケーションが重要なキャッチャーというポジションにおいて、言語能力が1つのアドバンテージになっていると言われています。キャッチャーのスター選手を輩出してきた同国において、キャッチャーは花形でしょうからどんどん次のキャッチャーが生まれているのだと思います。

キャッチャー以外では、ベネズエラと同様にショートやセカンドの二遊間にタレントが揃っています。一方で、外野やファーストといったパワーヒッターの多いポジションが少なく、ドミニカ共和国やキューバと比べると、やや小粒な感が否めません。偶然だと思いますが、今シーズンのプロ野球にはプエルトリコ出身の野手が集まっています。ネフタリ・ソト(RF/横浜DeNA)、ケニス・バルガス(DH/千葉ロッテ)、スティーブン・モヤ(LF/中日)などは、ちょうどプエルトリコ出身のメジャーリーガーが手薄なポジションですが、MLBでの競争が厳しいため日本プロ野球へ移籍してきたのだと思います。

カルロス・コレア(SS/ヒューストン・アストロズ)やフランシスコ・リンドーア(SS/クリーブランド・インディアンズ)のように身体能力の高い選手もいます。


6)メキシコ

メキシコ出身のメジャーリーガーは全員ピッチャーです。メキシコ人で体格が大きい選手はあまり多くないため、パワーヒッターがうじゃうじゃいるMLBでは打者よりも投手の方が活躍できる余地があるようです。メキシコ出身ピッチャーは、日本と特徴が似ていて変化球を駆使するタイプが多いと言われています。その傾向がメジャーリーガーのポジションにもそのまま出ていると思います。

通常ピッチャーが豊富なチームの方が、試合をロースコアに持ち込める分、強豪にも勝てる確率が高まるはずなのですが、地元メキシコの球場で戦ってしまうと標高の高さの影響で、打球が簡単に飛んでしまい打撃戦になってしまいます。メキシコ代表が国際試合で勝つには、低地の球場を選ぶ必要がありますが、知ってか知らずか今のところ高地の球場で開催されるケースが多いです。


7)オランダ

今回はオランダ王国の構成国も含めて“オランダ”としてカウントしました。実質的にはオランダ本国よりも、キュラソーやアルバなどベネズエラに近いカリブ海の島々が出身の選手がメインとなります。ポジション別の内訳をみると、数少ないメジャーリーガーなのに二遊間に人材が偏っていることが分かります。全体的に中南米周辺の国からは、近年二遊間のタレントが多く輩出されています。キュラソーなども、他のラテン系の国に違わず、セカンドやショートに人材が集まっています。プエルトリコ同様、機敏な動きができる選手が多いようです。

ただし、投手に人材が不足していてWBCなど国際大会で強豪国と戦うには、大きなウィークポイントになっています。


8)カナダ

カナダはメジャーリーガーの数自体少ないですが、ファーストやレフトなどパワーヒッターの多いポジションでコンスタントにメジャーリーガーを輩出し続けています。過去にはジェイソン・ベイ(LF/元ピッツバーグ・パイレーツ)、ジャスティン・モルノー(DH/元ミネソタ・ツインズ)、現役ではジョーイ・ボット―(1B/シンシナティ・レッズ)などがいます。一方で、中南米諸国とは逆にセカンドやショートといった内野のポジションからカナダ出身のメジャーリーガーが出てくることがありません。カナダ人は体格の大きな選手が多い分、アジリティよりもパワーが求められるポジションで競争した方が、自分たちの能力を活かすことが出来るのでしょう。


9)コロンビア

ベネズエラの隣国であるコロンビアも、特徴的に他の中南米諸国と似ていています。今季の開幕ロースターには含まれていませんが、ジオバニー・ウルシェラ(3B/NYヤンキース)、ディルソン・ヘレーラ(IF/NYメッツ)など、メジャー予備軍の多くが内野(セカンド、サード、ショート)を守れる選手です。この傾向は、コロンビアの隣国パナマも同様に見えます。


10)韓国

数年前に多くの韓国プロ野球出身野手がMLBに挑戦しましたが、現在当時の選手のほとんどが国内リーグKBOに戻ってしまいました。日本人メジャーリーガーのほとんどが先発ピッチャーであるのに対し、韓国出身のメジャーリーガーは投手に限らず野手にも通用している選手がいます。傾向としては、技巧派ピッチャーや好打者というよりも、パワーのある選手が多い印象ですが、ドミニカ共和国やキューバなどと特徴が重なるので、中々自分たちの得意分野がメジャーでは優位に働きにくいようです。


他にも、オーストラリア出身や台湾出身のメジャーリーガーはピッチャーが多いなど、MLBで生き残るため優位な分野での活躍が見られますが、この辺りで終わりにしたいと思います。


以上、今回も当サイトをご覧頂きありがとうございました。

2019年メジャーリーグの開幕メンバー(25人枠+DL)の内、251名がアメリカ以外出身でMLB全体の28.5%が“外国人“という結果となりました。日本のプロ野球と違い、メジャーリーグにはいわゆる”外国人枠“がありません。ルール上の制約が無い分、外国人選手でも自らの能力や活躍がそのまま出場機会に反映されます。なので、日本や韓国など外国人枠のあるプロ野球リーグよりもMLBの方が、各選手の強み/弱みが分かり易くなっています。

また、野球という守備ポジションによって求められる能力がかなりはっきり分かれています。(最近は特に複数のポジションが守れるユーティリティプレイヤーの評価が高まってきていますが、各ポジションで求められる能力自体は明確に分かれており、だからこそ様々な要求に答えられるユーティリティーに価値があるのだと思います。)つまり、守備位置にはその選手の能力が表れている訳で、ある国出身のメジャーリーガーが特定のポジションに集中しているような場合は、その国の選手の強みや得意分野がどこか分析することができます。今回は2019年のMLB開幕ロースターの守備ポジションから、各国の能力的な強みや弱みを分析していきたいと思います。

1)日本

※選手のポジションは当サイト独自の判断です。

※UT(IF):内野を中心にしたユーティリティプレイヤー

UT(OF):外野中心のユーティリティプレイヤー

UTのみ:内外野両方守れるユーティリティプレイヤー


まずは日本出身のメジャーリーガーを見ていきましょう。最近の日本出身メジャーリーガーは、ほぼ100%投手です。少し前まではイチロー、松井秀喜など多くの日本人野手が海を渡りMLBで活躍しましたが、青木宣親(OF/東京ヤクルト)が国内復帰してから日本人野手は出てきていません。特に内野は鬼門で、中島宏之(IF/読売ジャイアンツ)、西岡剛(UT/BCL栃木ゴールデンブレーブス)がメジャーに定着できずに国内復帰した辺りから、日本人内野手のメジャー挑戦は途切れています。その背景にはイレギュラーバウンドの多い天然芝への対応が難しかったこともありますが、身体能力の高いドミニカ共和国やベネズエラ出身のラテン系選手の厚い壁に阻まれた、というのが一番の理由でしょう。また、日本では甲子園などトーナメントが多い影響で才能のある選手が先発投手に集中する傾向があります。

結果、打撃力こそ他の強豪国に劣るものの、相手打線を抑え込める投手陣がアドバンテージになっており、強豪国相手でもロースコアに持ち込むことが出来ています。


2)ドミニカ共和国

世界で最も外国人メジャーリーガーが多い国がドミニカ共和国です。ドミニカ共和国の人口が1,078万人で日本の10分の1以下なのにも関わらず、メジャーリーガーの数は約17倍と圧倒的な差があります。これだけ多くのメジャーリーガーを輩出しているのには、身体能力の高さがあってのことだと思います。(人種による体格差についてはこちらの記事もご参考)

まず野手を見ると、どのポジションにも多くのドミニカンメジャーリーガーがいるのですが、特にショートやサード、キャッチャー、ライトなど肩の強さが求められるポジションに選手が集まっているようです。パワーヒッターの多いイメージですが、意外とファーストやセカンド、レフトなどのパワーヒッターの多いポジションは、若干少な目です。

投手の方は、先発投手よりもリリーフピッチャーの方が多めです。リリーフピッチャーは投球回が短い分球速が求められます。スピードピッチャーの多いドミニカ共和国の投手には、適正としてリリーフの方が向いているケースが多いのだろうと思います。


3)ベネズエラ

ドミニカ共和国に続いてメジャーリーガーの多い国がベネズエラです。伝統的に名ショートを輩出してきた同国ですが、現在はセカンドやサードなど他の内野の人材も豊富です。特に内野を守れるユーティリティプレイヤーが多く、現代のメジャー野球では欠かせない存在になっています。昔はオマー・ビスケール(SS/元クリーブランド・インディアンズ)、今ならばホゼ・アルチューベ(2B/ヒューストン・アストロズ)など、体格は小柄ながらも運動能力の高い選手が多いようです。また、キャッチャーの多さが目立ちます。有名所では、サルバドール・ペレス(C/カンザスシティ・ロイヤルズ)、ウィルソン・コントレラス(C/シカゴ・カブス)、ウィルソン・ラモス(C/NYメッツ)などがいます。

投手の方は、先発投手もリリーフ投手もバランス良く人材がいます。先発ローテーションの1番手2番手クラスの投手は、カルロス・カラスコ(SP/クリーブランド・インディアンズ)やフェリックス・ヘルナンデス(SP/シアトル・マリナーズ)などあまり多くありませんが、ローテを支えられる実力者が多いようです。WBCの度に言われていますが、ベネズエラ代表にはバランスの良さを感じます。


4)キューバ

MLBにはキューバから亡命した野球選手が集まっています。キューバのメジャーリーガーは野手の方にタレントが集まっています。ホゼ・アブレイユ(1B/シカゴ・ホワイトソックス)、ヨエニス・セスペデス(LF/NYメッツ)、ヤシエル・プイグ(RF/シンシナティ・レッズ)など、強打のパワーヒッターが揃っています。

一方で、ピッチャーは人材が不足気味、特に先発投手が少ないです。国際大会でのキューバ代表の典型的なピッチャーは、スライダーピッチャーが多く、ボールを動かしゴロを打たせ、のらりくらりとイニングを消化するタイプが多いです。平均球速160kmのアロルディス・チャップマン(RP/NYヤンキース)のようなスピードピッチャーは、キューバ出身の投手としては例外的な存在です。野手に人材が偏っているせいなのか、育成の問題なのか定かではありませんが、キューバ代表のウィークポイントの1つとなっています。

長くなったので、続きは次回をご覧ください。


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今年11月2日~17日にかけて開催される第2回Premier12 (日本/韓国/台湾/メキシコ共催)。アジアやラテンアメリカの各国にとって東京オリンピックへの出場権のかかった重要な大会です。前回第1回Premier12と比較して、オリンピックへの出場権が付与されたことで大会のプレゼンスが高まったため、参加国は前回以上にチーム編成に力を入れるだろうと予想されます。特に、自国のウィンターリーグとシーズンが重なってしまい前回大会では選手集めに苦労したカリブの強豪チームは、今大会ではまるで違うレベルのチームで挑んでくるだろう、と考えられます。


今までにないドミニカ共和国代表

Premier12にはメジャーリーガーは参加できません。代わりに日本プロ野球NPBやマイナーリーグ3Aクラスからトップ選手をどれだけ召集できるかが、代表チーム編成上のポイントとなります。日本代表“侍ジャパン”以外の代表チームからすればNPBで活躍している外国人が多い程、選手層を厚くすることが出来ますし、同時に侍ジャパンにとっても警戒すべきライバルとなります。そこで浮上してくるのが“ドミニカ共和国代表”です。

プロ野球に所属しているドミニカ共和国出身選手を見てみましょう。

近年NPBでは、単に海外から外国人選手を獲得するだけでなく、広島カープアカデミーや読売の外国人選手の育成契約選手のように、安く契約して球団内で育てるケースが増えています。NPB所属のドミニカ共和国出身選手が多くなっているのは、球団の外国人補強の変化も関係しています。身体能力の高いドミニカ共和国の選手ですから、上記リストに載っている選手以外にも各球団には育成契約含めたくさんいます。今シーズンが終わった後に大化けしている選手も出てくるかもしれません。

そして、これにマイナーリーグやドミニカウィンターリーグ所属の選手が加わることになります。いや、むしろマイナーリーガーやウィンターリーガー中心のチームにNPB勢が加わる、と言った表現の方が正しいでしょう。球団によっては、高額な外国人選手をPremier12への参加させることに消極的なチームもあるかもしれません。なので、代表チームの編成を考える際に、ウィンターリーガーをベースに考えそこにNPBのレギュラークラスをどれだけ呼べるか?という発想になると思われます。

さて、今季は実に102人ものドミニカ共和国出身選手が、メジャーリーグの開幕ロースターに名前を連ねましたが、彼らの後ろには更に多くのマイナーリーガーが控えている訳です。

彼らマイナーリーガーの中には、メジャー昇格が期待されるプロスペクト(若手有望株)や、メジャーで活躍できる実力を持ちながらも球団の育成方針の故にマイナー契約を甘んじて受けているような選手もいるでしょう。彼らがPremier12に積極的に参加するようであれば、間違いなく本大会の優勝候補として一気に浮上してきます。WBCで結成されたようなバリバリのメジャーリーガーだらけのドミニカ共和国代表ではないものの、選手層の厚い国ですから、メジャーリーガー不在でも国際大会で充分優勝を狙えるような、今までにないドミニカ共和国代表が見られるかもしれません。


鬼門は乱打戦の予想される1次ラウンド

そのドミニカ共和国代表は、Premier12の1次ラウンドでアメリカ合衆国、メキシコ、オランダと総当たりで対戦します。1次ラウンドの球場は、メキシコ・ハリスコにあるEstadio de Béisbol Charros de Jaliscoです。この球場は第4回WBCの1次ラウンドでも使われたのですが、標高の高い空気抵抗が少ない場所にあるため、本塁打が飛び交う乱打戦となりました。外野フライと思われた打球が簡単にホームランになってしまうので、選手の実力以上に得点が入ってしまい点の取り合いになります。強豪国チームからすると、何が起こるか分からない怖さがあります。点を取られないようにするにはフライを打たれないようにするのが一番のポイントですが、球場では空気抵抗が少ないため、変化球が曲がり難いという問題も留意する必要があります。つまり、ゴロを打たせる2シーム系の動くボールも変化が少ないため、変化球ピッチャーはとっては少し不利になります。なので、ゴロを打たせるには投球の高低や緩急などの配球も駆使して考える必要があります。この1次ラウンドさえ無事に通過できれば、2次ラウンド以降の会場は日本ですから、ハリスコよりは実力が試合結果に反映されやすい環境になると思います。侍ジャパンも2次ラウンド進出すれば、千葉ZOZOマリンスタジアムでドミニカ共和国代表と対戦することになりますが、これまで国際大会で侍ジャパンとドミニカ共和国の対戦はほとんどありませんでした。メジャー抜きでも十分手強いドミニカ共和国代表が編成されることと、侍ジャパンがその相手とガチンコの試合が実現されることを期待したいと思います。


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2018年12月19日、MLBとMLB選手会、キューバ野球連盟(以下、FCB)の三者が亡命無しにメジャーリーグ各球団と契約できる歴史的な制度に合意しました。これまでキューバの野球選手たちがメジャーリーグでプレイするには、命の危険を冒してまでアメリカに亡命するしか手段がありませんでした。キューバ代表チームの選手も例外ではなく、将来キューバの中核を担うだったはずの選手も、今ではメジャーリーグやマイナーリーグなどでプレイしています。

※当サイトでの調査結果です。


上のグラフは、各WBC大会後に参加したキューバ代表選手の大会後のキャリアを表したものです。第2回や第3回 WBCに参加したキューバ代表チームからは多くのメジャーリーガーが輩出されています。ヨエニス・セスペデス(OF/NY・メッツ)、ホセ・アブレイユ(1B/シカゴ・ホワイトソックス)、ギジェルモ・エレディア(OF/シアトル・マリナーズ)、アロルディス・チャップマン(RP/NY・ヤンキース)など、この頃の才能はアメリカに流出してしまったと言えます。その結果、第4回WBC2次ラウンドでキューバ代表は1勝も出来ず、更にオランダ代表にはコールド負け(14対1)を喫してしまいました。

このようにキューバ代表が相次ぐ亡命によって弱体化してきたのですが、昨年12月の合意によって、亡命したキューバ人メジャーリーガーが祖国に戻り、そしてキューバ代表チームに召集されることで、“キューバ代表ドリームチーム”が結成されることを期待する声も上がっています。


立ちはだかるトランプ政権

しかし、2019年4月8日、トランプ政権がこのMLBとFCBが締結した合意を却下したのです。この合意はキューバの野球界にとって長年苦しまされていた深刻な問題を解決する大きな改革だっただけに、トランプ政権によって許可が下りなかったことはキューバ球界に大きな失望を与えました。そもそもMLBとFCBが結んだ合意の背景には、オバマ大統領時代の「FCBがキューバ政府の一部ではない」との解釈のもと、FCBに契約金の一部が譲渡金として渡されることになっています。詳細は以下の通りです。

① 年齢が25歳以上且つキューバ国内リーグ“セリエ”で6年以上の経験がある選手(=日本で言うFA権取得のような場合)は15~20%をFCBが取得。

② 18~25歳未満の選手でもFCBが許可した場合(=ポスティングシステムのような場合)は25%をFCBが取得できます。(今年4月4日に公表されたキューバ人選手の移籍可能リストには、34名の選手が記載されており、その中にはイバン・モイネロ(RP/福岡ソフトバンク)、ライデル・マルティネス(RP/中日)など現役プロ野球選手も含まれています。)


就任以来、保護主義的な政策を推し進めるトランプ大統領はアメリカへの移民に対し厳しい態度を取っており、今回の合意却下も中南米諸国への批判的な姿勢がそのまま表れた形となります。トランプ大統領の任期は2021年1月まであり、彼が任期途中で自ら大統領職を辞することはまず無いでしょうから、それまでこの合意が認められる可能性は低いと考えられます。次回World Baseball Classic(=WBC)は2021年3月開催の予定ですから、大統領選2か月後に事態が進展することは考え難く、次回WBCでのドリームチーム結成の見通しは厳しいものとなりました。


キューバリーグに初めて復帰したメジャーリーガー

一方で、キューバの野球連盟もただ事態を黙って見ていた訳ではありません。2013年にキューバ代表選手のミチェル・エンリケスのメキシカンリーグ(LMB)派遣を皮切りに、キューバ国内選手の国外リーグ派遣が積極的に推進されてきました。そして、2014年にはフレデリック・セペダ(元読売)など、日本プロ野球球団との契約も始まりました。派遣先は日本、メキシコ、カナダ、イタリア、コロンビア、パナマなど、アメリカ以外の球団が中心となっています。このキューバ国内選手の海外派遣によって、これまで閉ざされたキューバ球界に、国外での経験や情報を持ち返ることに繋げています。留まることを知らない亡命によってキューバ代表の戦力低下が続く中で、FCBは“育成”により力を入れることで、何とか国際大会での競争力を維持しようとしている訳です。


そして、今年さらに大きな出来事がありました。2003年にキューバをボートで抜け出しアメリカに亡命したユニエスキー・ベタンコート選手が、今年3月に国内リーグ“セリエ”のナランハス・デ・ビジャ・クララに復帰したのです。Y・ベタンコートは、メジャーで9年間(出場1,156試合)に渡って活躍した正真正銘のメジャーリーグ経験者です。2014年にはプロ野球オリックスに入団。1年で解雇となりますが、その後は元々の亡命先だったメキシカンリーグで3シーズンプレイしています。メジャーの一線級でプレイしていた選手が、その経験をキューバ国内の選手達に伝承していく。これまでのキューバ選手の国外派遣では得られ難かったメジャー経験者本人による情報やスキルが、キューバ国内にもたらされることが可能になりました。


亡命した選手の代表復帰の可能性

今後も、メジャー経験のあるキューバ選手の国内復帰の流れは増加していくと思われますが、更にその先には、国内復帰した選手が代表チームに復帰することも考えられます。そうなると、日本やメキシコなどアメリカ以外でプレイしている一度亡命した選手が、キューバ代表に加わることもあり得るかもしれません。例えばプロ野球の場合、‘17年本塁打王のアレックス・ゲレーロ(読売)、’18年首位打者のダヤン・ビシエド(中日)、’18年13勝9敗のオネルキ・ガルシア(阪神)、‘18年6勝1敗のアリエル・ミランダ(福岡ソフトバンク)といった、プロ野球でも活躍している選手が、今のキューバ代表チームに加わることになります。(この4人で予想年俸総額が約10億円です・・・。)

これまでのキューバ代表の打線は、国外派遣を通してプロ野球でプレイしているアルフレッド・デスパイネ(福岡ソフトバンク)が主軸でしたが、これにビシエドやゲレーロが加わる訳ですから、十分強力な打線が形成されることになります。予想スタメンはこんな感じ(下表)でしょうか?

元々課題だった投手陣も、アメリカ以外の亡命組が加われば大きくテコ入れに繋がると思います。これがいつ実現するか分かりませんが、2020年の東京オリンピックにしても2021年のWBCにしても、ドリームチームの一つ手前のキューバ代表チームは現役メジャーリーガーはおらずとも対戦国にとって相当な脅威です。今後のキューバ野球の動向には要注意です。


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2020年東京オリンピックで3大会ぶりに復活する野球競技。しかし、その次の2024年パリオリンピックでは、再び競技種目から除外されることが決定しています。今回はこの件について個人的に思う所があり特集してみました。めちゃくちゃ長いので時間があるときにご覧頂ければと思います。


~野球にオリンピックは必要か?~

野球がオリンピック競技から外されることに対し、プロ野球選手など関係者からは残念がるコメントが多数ありましたが、野球がオリンピックから除外されたことによって、彼らの生活に多大な影響がある訳ではありません。そして、視る側(ファン)からしても、普段見ているプロ野球や高校野球などが急に無くなる訳でもありません。

『オリンピックは野球にとって必要か?』

この手の質問に対し、ネット上の回答を調べてみるとほとんどの答えが『NO』でした。近年視るスポーツとしてプロ野球が発展している中で、オリンピックでの野球に対し必要性を感じていない方が多いようです。私もその気持ちも分からなくありません。しかし、世界に野球を広めようとする立場の人々からすると野球がオリンピックに選ばれるか否かは、非常に大きな差があります。オリンピック競技になれば、各国の国内オリンピック委員会から補助金や援助が貰えます。それが無くなるということは、特に道具などでお金のかかる野球という競技にとっては、厳しい状態に追い込まれることになります。このようにオリンピックが必要か?の答えは、当然ながら立場によって回答が変わってきます。なので、今回はなるべく立場に偏りがないよう意識して考えてみました。


オリンピック側からの視点

ここで少し視点を変えてみたいと思います。オリンピック側から見れば野球はどう映っているのでしょうか?IOC(国際オリンピック委員会)は1984年のロサンゼルス大会以降、商業化路線を進め始めました。結果、ロサンゼルスオリンピックでは黒字を計上し成功を収めましたが、その後の大会から放送権料が高騰し始め、メディアの影響も強まるようになります。オリンピックを開催する都市にとっては、開催のためのインフラ投資などが莫大な額に上り大きな負担となることから、お金の問題が立候補検討段階での判断基準に大きく影響するようになり、次第に立候補する都市の数が減少し始めます。IOCとしても立候補都市の減少は大きな問題になっています。東京オリンピック後の大会に立候補していたパリとロサンゼルスが、それぞれ2024年大会と2028年大会に“競合無し”で当選したことは、候補地減少の問題で危機感を覚えたIOCが、両都市が心変わりする前に囲い込もうとした心理を如実に表しています。

IOCからすれば、開催都市の負担が少なく、且つ多くの収入が得られる競技を選択したい訳です。開催都市の負担と言えば“インフラ”です。立候補地の開催費用が少なく済むよう、既存のインフラを最大限利用したいため、開催地で普及している競技が自然と選ばれやすくなります。パリオリンピックで野球が早々に競技種目から外れたのも、開催地での野球場の有無が大きく影響していると考えられています。

一方で、収入と言えば“放映権料”です。世界中に普及していて、高い視聴率が期待できる競技の方が競技種目として選ばれやすくなります。ここで競技種目ごとにIOCとの力関係が顕著に表れてきます。

例えば、サッカー。オリンピックのサッカーは出場選手に年齢制限(23歳以下+オーバーエイジ枠)が設けられています。これは、世界のスター選手が所属する欧州の各サッカークラブが、オリンピックに派遣される選手について、年齢という条件を課すことで出場許可を引き出した折衷案です。そもそも、ヨーロッパにおいてオリンピックのステータスは高くありません。アジアやアフリカ、北中米カリブ海、南米といった地域ではオリンピックは高い注目を集めているものの、ヨーロッパとはかなりの温度差があります。欧州の各サッカークラブも、所属選手がオリンピックで怪我などされてしまっては堪らないと、選手派遣にはかなり消極的です。一方でIOCからすれば、そんなスター選手に是非オリンピックに出てもらって大会の放映権料を世界のメディアに高く売りたい訳ですから、年齢制限を設けてでも何とか選手に出てもらいたい訳です。

サッカー以外にも競技側の方が優位な種目があります。北米四大スポーツの1つ、バスケットボールもその1つです。アメリカ4大スポーツにしては珍しく世界的に普及しているバスケットボール。NBAのスター選手にオリンピックに出てもらえれば、世界各国から高視聴率が望める訳で、IOCとしてはオリンピックに無くてはならない競技なのです。バスケもサッカー同様、競技側の方が強い立場にあります。

では野球はと言うと、想定される視聴者は北米、中米カリブと東アジアが中心となるのが泣き所です。しかも、アメリカ国民はオリンピックにあまり関心がありません。アメリカ人にとって、スポーツと言えば4大スポーツであって、国内リーグの頂点こそ世界No.1の舞台だ、という感覚でいますから、オリンピック開催期間でも関心が向かうのは4大スポーツなのです。そうなると、視聴率が期待できるのはオリンピックに関心の高い日本、韓国、台湾くらいしかありません。IOCとしては、野球は視聴率が稼ぎにくいコンテンツとして映っているでしょう。

インフラの問題に加えて視聴率という課題が、野球のパリオリンピック競技種目除外という結果になり表れています。パリの次、ロサンゼルスオリンピックは、インフラは問題ないものの視聴率という点で期待が難しい中で野球が復活できるかはかなり不透明です。2032年大会以降のオリンピックがどの都市で開催されるか分かりませんが、インフラの問題と視聴率の問題が両方とも解消できる都市がオリンピック開催都市として選ばれる確率はかなり低いでしょう。そう考えると、野球がオリンピックに復活したくても、IOC側から考えると期待し難しい現状が理解できます。


非オリンピック競技とオリンピックの関係

一方で、オリンピック競技には選ばれていない人気スポーツもたくさんあります。例えばアメリカンフットボール。NFLは北米四大スポーツでNo.1の人気を誇り、その頂点を決める“スーパーボウル”はアメリカで年間最高視聴率を記録するモンスターコンテンツです。しかし、アメフト自体は世界的には普及しているとは言い難い状況です。仮にアメフトがオリンピック競技に選ばれても、前述の通り国際大会に関心が低いアメリカの国民が、アメリカ人が見るかと言えば疑問が残ります。ただ、アメリカ国内では圧倒的な人気を誇っていますから、アメフトにとってオリンピック競技でないことは深刻な問題にはなっていません。

次に、サッカーやバスケに次ぐ競技人口がいると言われるクリケット。クリケットは競技時間の長さがオリンピック競技に選ばれる上での課題と言われます。ただ3時間程度で試合が終わる“トゥエンティー20”と呼ばれる国際大会用のルールもありますので、オリンピック競技として選ばれるには、ルール上の制約はありません。むしろクリケットの場合、強豪国である英連邦諸国がオリンピック参加に対し消極的なことがオリンピック競技となっていない最大の要因です。元々、ワールドカップなど国際大会が盛んに開催されているクリケットの競技連盟は、オリンピックに選ばれてもメリット少なく、むしろ自分たちが開催する大会への影響を気にしています。また、クリケットが国技であるインドでは、国内リーグのインディアン・プレミアリーグ(IPL)が2018年~22年にかけて5年2700億円の放映権で落札されています。アメフト同様、国内の圧倒的な人気によって大きな経済規模の基盤となっています。

他にもアメフトに似たカナディアン・フットボールやオージー・ルールズなど、1つの国もしくは限られた地域で圧倒的な人気を誇っているプロスポーツは結構あります。そして、それらはいずれもオリンピック競技には選ばれていません。野球もこれらに似た構造になっています。MLBはもちろんですが、日本のプロ野球(NPB)も世界的に見れば相当な規模のプロスポーツです。因みに、アメフトや野球は“マイナー競技”と言われることがよくありますが、プロスポーツの経済規模を語った時に私はこの“マイナー”という言葉に違和感を覚えます。マイナー競技だったら何故何億も稼げるのか?と思ってしまうのです。個人的には、マイナー競技という言葉ではなく、“人気な地域とそうでない地域のギャップが物凄く大きい”と言った方が説明として正確なように思います。人気な国・地域にとっては、オリンピックの競技種目に選ばれなくても、それが必ずしもマイナスであるとは思っていないのではないでしょうか。彼らの考えでは、オリンピックが必ずしも“正解”ではないのです。


“野球”が抱える課題

では、人気地域だけで野球を楽しんでいけばいいのか?というと、そんなことを簡単に許してくれない状況にあります。“競技人口の減少”。少年野球の指導者の方ならば、これに対する危機感は相当なものではないでしょうか?日本では少子化のペース以上に、野球をしている子供の数が減っているというデータもあります。サッカーだけでなく多種多様なスポーツや趣味へタッチポイントに溢れている環境下で、野球はその魅力を伝えることが出来なくなっています。

競技人口の減少は競技レベルの低下に繋がり、その“やる側”の変化はいずれ“視る側”にも影響が出てきます。近年のプロ野球は、IT系の比較的新しい球団を中心に集客力向上が進んできましたが、競技人口が低下する中で、例えば大谷翔平のような魅力的なプレイヤ―が再び現れることがあるのか?第2の大谷が現れるには、やはり一定の競技人口という土壌があって可能になるものだと思います。千葉ロッテマリーンズが今年リーフラス社とスクール事業で業務提携を結んだのですが、これも将来の野球競技人口減に対する危機感から生まれた動きです。競技人口の減少という点でアメフトやクリケットなどの競技とは違い、日米ともにドメスティックな市場だけで見ていては良いという状況ではありません。特に日本は少子化という問題を抱えていて、子供の競技人口を増やすことにどうしても限界があります。いずれ大きな変化が訪れる可能性が見えている訳で、今の“野球”は何らかのアクションが必要な状況に居ます。例えば、あまり野球が盛んでない海外への競技普及活動や選手の発掘も、そのアクションの1つとして必要になってくると思います。


オリンピックによる視聴効果

しかし、海外への競技普及には、上述の“人気な地域とそうでない地域のギャップ”が立ちはだかります。JICAの青年海外協力隊の方々が、野球を広めようと地道な活動をされていても、そう簡単に進まないのは、その難しさを物語っています。

外国でルールも良く分からないスポーツに興味を持ってもらうのは至難の業です。「野球をやってみたい」と思わせるには、まず野球を目にする機会がないと始まらないと思います。ネットやTV視聴なのか、生観戦なのか目に触れる方法は様々ですが、まずは何試合が見てもらうことが大事です。

しかし、海外ではこの『試合を何回か見てもらうこと』が最も難しいのだろうと思います。これを逆の立場で考えてみましょう。例えば、日本ではルールがあまり知られていないクリケットの試合を見る機会があるか?と考えた時に、自ら進んでYoutube等で検索でもしない限り機会はほぼ無いといっていいと思います。人によっては、人生で1回も見ないこともあり得るのではないでしょうか?

そこでオリンピックです。世界中に配信されるオリンピックならば、その観戦機会を増やすことが出来ると考えるのも理解できます。しかし、東京オリンピックに出場できるのは6カ国のみ。当然その6カ国は、野球が普及している強豪国が得ることになるでしょう。では、出場しない国はどうでしょうか?オリンピックとは言え、ルールも知らない母国のチームも出場しない競技を見る人はいるのか?むしろ放送自体されないのではないでしょうか?そう考えると、野球がオリンピック競技種目に選ばれたとしても、試合の視聴機会増加という点での効果は相当少ないと考えられます。


YES/NOの以前に...

結局の所、冒頭の『オリンピックは野球にとって必要か?』という問題提起自体が、全く議論の意味がないのではないかと思います。大事なのは世界への野球に対する関心の拡大で、オリンピックはその手段の1つでしかありません。Youtubeなどで検索すれば野球の動画はいくらでも出てきますが、自身で検索するという自発的な動きがなければ始まりません。ただ、動画視聴サービスも個々のニーズに合わせて、おすすめ動画が表示されるようになっていますから、少しのきっかけから広がる可能性もあります。

例えば、どこの国でもアメスポに興味がある人はいますので、そこにアーリーアダプターとしてターゲットを絞るのも手だと思います。アメフトのスーパーボウルのハーフタイムを見た人が、メジャーリーグのワールドシリーズを見てMLBに興味を持つ、とか。

もしくは日本の高校野球甲子園。秋田・金足農業の活躍が、中国のネット上で少し話題になったそうです。「ルールは分からずともその姿に感動した」という方々がいたそうです。(中国のテレビでそのような報道は無かったでしょうから、彼らのソースはネットニュースでしょう。)ひと昔よりも、小さなきっかけから野球にたどり着く可能性は高くなっていると思います。


ルールを知らない海外に日本シリーズの魅力を伝える

その小さなきっかけで繋がれた彼らも、ルールを知らないとそこで関心の連鎖は止まってしまいます。例えば、ワールドシリーズという野球最高峰の試合だけを見せても、ルールが分からなければ球場の雰囲気しか伝わりません。その駆け引きの面白さ、選手の凄さといった面白さの部分を伝えるには“解説”に工夫が必要です。NHKで日本のラグビーの試合を放送している時がありますが、必ずルールの字幕説明が入ります。同じように野球でも、海外向けに試合を見せようとするならば、“ルール説明”を伴った試合映像が必要です。その上で“面白さ”まで伝えるには、ルール説明だけでなく、試合の駆け引きまで語れる必要があります。

個人的には、試合映像を作るという点で言うと、MLBよりも日本のプロ野球の方が適しているのではないかなと考えています。MLBは試合のテンポが速いですが、日本のプロ野球は“間”を大事にするので、ルールの解説や駆け引きを説明するには後者の方がフィットすると思います。よく野球の普及していない欧州や中国において、「野球は動きが少ないから退屈」という理由がコメントで見られますが、そこを逆手にとって動きの無い時間をルールと解説で埋めるという方法で、弱みを強みに変えることができるのではないかと思います。

それに、MLBは結構淡泊な試合が多い(イチローの引退会見でも物議を醸した「頭を使わなくても出来てしまう野球」)ので、野球の魅力を伝える素材としてはプロ野球の方がいいのではないでしょうか?日本のプロ野球は、どうしても国内マーケットへの依存度が高いプロスポーツですので、試合映像も基本は国内向けです。ですが、将来の競技人口減少を食い止めるには、海外への普及・進出のビジョンも明確にしながら、野球のルールも知らない国に向けた映像作りということも考えていかなければならないのではないでしょうか?スポ―ツのルールというのは、複雑な競技だとしても、基本的な部分は数試合の視聴で覚えられるものです。その数試合かでいかに魅力を伝えリピートしてもらえるか?その部分にかかっています。

プロ野球の最高峰と言えば日本シリーズです。数万人を収容するスタジアムが満員になる世界的な日本シリーズという映像コンテンツ。その魅力が海外の人たちに伝われば、将来その国から、プロ野球に入るような逸材が生まれてくるかもしれません。更にその選手の活躍をきっかけに、アーリーアダプターから一般大衆層に関心に広げられることが出来れば、どんどんと良い循環を生むことが出来るのではないかと思います。


以上、色々と賛否かるかと思いますが、私なりの考えが何かのきっかけになれば幸いです。長文にも関わらずお付き合い頂きありがとうございました。