|世界との差がどこまで埋まるか?
WBC3大会連続1次プール敗退という不名誉な記録を更新してしまった韓国代表。喫緊の課題である”投手力”を次回大会までにどれだけ強化できるかが最大のテーマだ。韓国代表投手の4シーム平均球速は大会参加国20カ国中の14番目。更に球速だけでなく変化球の変化量や制球など、全体的なレベルアップが求められる。文棟柱(ムン・ドンジュ)ら若手有望株に期待がかかる。野手も世代交代を図っている。金河成(キム・ハソン)、李政厚(イ・ジョンフ)らメジャーリーガーとその下の世代が戦力の中心となるだろう。投打共に若手が多い布陣なので、KBO組は国際大会や海外リーグに積極的に参加し経験不足を解消したい。
◎印は兵役免除済選手。
郭彬/グァク・ピン(SP/斗山ベアーズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23WBC、’23アジア大会、'23APBC韓国代表。同大会では日本戦とチェコ戦に登板。日本戦では大谷,岡本に、チェコ戦でもE.ソガード,M・クルップにと、中軸打者相手にヒットを打たれ代表デビューは不本意な結果に。それでも2023年シーズンは11勝7敗 防御率 2.90 とキャリアハイ。同年のAPBCでは決勝の日本戦で5回1失点と仕事をしながらチームは惜しくも敗退。
文棟柱/ムン・ドンジュ(SP/ハンファ・イーグルス)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’23アジア大会、'23APBC韓国代表。最速160km/hの速球派右腕。高校生の頃で既に154km/hをマークしており2022年に満を持してKBOデビュー。同年APBCでは豪州戦に先発し、5回2/3を2失点。ビハインドの状況でマウンドを降りたがその後チームは逆転し、負けはつかなかった。
元兌仁/ウォン・テイン(SP/サムスン・ライオンズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'21東京五輪、'23WBC、’23アジア大会、'23APBC韓国代表。'23WBCでは豪州戦,日本戦,中国戦に散発的に登板。近藤健介に本塁打を浴びるなど苦戦したが、同年のAPBCでは台湾戦で5回1失点と決勝戦進出に大きく貢献した。チェンジアップを多投するスタイルで制球が良い。NPB希望との噂も。
李義理/イ・ウィリ(SP/起亜タイガース)MyKBOstats Fangraphs Statiz
'21東京五輪、'23WBC、'23APBC韓国代表。速球派で三振も奪うが与四球も多く安定感に欠けるのが課題。'23WBCでは日本戦で登板も1/3回で3つの四球を献上。同年APBCでは1次Rの日本戦で先発し6回2失点のQSだったが、初失点は四球絡みだった。
黄ジュンソ/ファン・ジュンソ(SP/ハンファ・イーグルス) MyKBOstats Fangraphs
’23U-18W杯韓国代表。'24年にドラフト1位でハンファに入団。高校の先輩であるリュ・ヒョンジンをリスペクトする速球派左腕。
シム・ジュンソク(SP/マイアミ・マーリンズ(Rk))Baseball-Reference Fangraphs
マイアミ傘下のプロスペクト。193cmと恵まれた体格で平均速球は94~96マイル程。2023年シーズンはフロリダコンプレックスリーグで、K/9 14.63、WHIP 0.75と早速レベルの違いを見せつけている。
辛旻爀/シン・ミンヒョク(SP/NCダイノス)MyKBOstats Fangraphs
'23APBC韓国代表。チェンジアップを軸に、カッター、4シームを均等に投げ分け打ち取るスタイル。球速も速くなく、KBOでの防御率やFIPも良い方ではないが、与四球が少ない所が長所。
呉源錫/オ・ウォンソク(SP/SSGランダース)MyKBOstats Fangraphs
'23APBC韓国代表。SSGでは金廣鉉(キム・グァンヒョン)に続く韓国人左腕。持ち球はスライダーやチェンジアップなど。K/BBやFIPは良くないが、ゴロ率が高いのが特徴。'23APBCでは第2試合の日本戦2番手で登板し1回を無失点で切り抜ける。
高佑錫/コ・ウソク(RP/マイアミ・マーリンズ(2A))◎ Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'19プレミア12、’21東京五輪、'23WBC、’23アジア大会韓国代表。東京五輪では日本戦でベースカバーでベースを踏み損なうミスを犯し逆転負けのきっかけとなった。2024年シーズンはポスティングでパドレスへ移籍も、5月にはマイアミにトレードされ更には2Aに降格。
金テギョン/キム・テギョン(RP/斗山ベアーズ)MyKBOstats Fangraphs
’23年U-18W杯韓国代表。最速153km/hの速球を持ち、コ・ウソクとも比較される剛腕投手。リリーフでの起用もあるが、U-18W杯ではアメリカ戦で先発も務め勝利した。
朴英賢/パク・ヨンヒョン(RP/KTウィズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’23アジア大会韓国代表。同年のAPBCも参加予定だったが、シーズンの疲労を考慮し辞退。制球が良く、146-148km/hの速球とチェンジアップとスライダーを低め中心に投げ込み三振を奪っていく。
金榮奎/キム・ヨンギュ(RP/NCダイノス)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’23アジア大会、'23APBC韓国代表。丸い眼鏡がトレードマークの中継ぎ左腕。APBCでは豪州戦,台湾戦で2番手で登板。計1回2/3をヒット1本のみに抑えた。速球は高めを積極的に投げる一方、スライダーや変化球は低めに制球されており高いゴロ率をマークしている。
鄭又栄/チョン・ウヨン(RP/LGツインズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23WBC、’23アジア大会韓国代表。投球の8割方が2シームという長身サイドスロー右腕。2019年にはKBO新人王を獲得。GB/FBが8超えという超グラウンドボーラー。それ故にBABIPの影響をもろに受け、2023年シーズンはBABIP .363→防御率4.70と良くなかった。
崔智旻/チェ・ジミン(RP/起亜タイガース)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’23アジア大会、'23APBC韓国代表。2023年シーズンにブレイクした若手中継ぎ左腕。100kgを超える巨漢の体格を沈み込ませる投球動作で、140km/h台後半の速球とスライダーを投げる。
鄭海英/チョン・ヘヨン(RP/起亜タイガース)MyKBOstats Fangraphs
'23APBC韓国代表。起亜でもクローザーを務める。速球が中心で、持ち球はスライダー、スプリット。’23APBCではクローザー的な起用で豪州戦、台湾戦、決勝日本戦の3試合に登板し、失点はタイブレークの日本戦だけ。
崔俊鏞/チェ・ジュンヨン(RP/ロッテ・ジャイアンツ)MyKBOstats Fangraphs
’23APBC韓国代表。ロッテ・ジャイアンツのセットアッパー。チェンジアップ、スライダーなどが持ち球。’23APBCではGLと決勝の日本戦2試合に投げ、ヒットは打たれながらも無失点と仕事をした。
孫東賢/ソン・ドンヒュン(RP/KTウィズ)◎MyKBOstats Fangraphs
KTのリリーバー。持ち球はスライダー、カーブ、スプリットなど。奪三振率は高くない。2022-23年とBABIPが低く、今後の揺り戻しが心配。
金亨俊/キム・ヒョンジュン(C/NCダイノス)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23アジア大会、'23APBC韓国代表。2023年シーズンは26試合の出場数ながらも長打率 .514、IsoP .278と強打のキャッチャーとして力を見せている。同年のAPBCでも正捕手として全4試合に先発出場した。尚、アジア大会で優勝したがその前に兵役は済ませている。
金東憲/キム・ドンホン(C/キウム・ヒーローズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23アジア大会、'23APBC韓国代表。プロデビューの高卒1年目から1軍102試合に出場。守備型の捕手でフレーミングなどに定評があり、 打撃はフルスウィング気味だが長打が多い訳でなくハードヒット型。韓国代表の捕手は梁義智(ヤン・ウィジ)ら1980年代生まれの世代が長らく中心だったが、一気に若返りが図られた。
孫晟賓/ソン・ソンビン(C/ロッテ・ジャイアンツ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’22 U23W杯、’23APBC韓国代表。2022-23年の間兵役を務め、2023年シーズンにKBOに復帰。肩が強く被盗塁3に対し盗塁阻止7と阻止率はKBO No.1だった。
崔志萬/チェ・ジマン(1B/ニューヨーク・メッツ(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メジャー経験豊富なジャーニーマン。代表歴は無く、第5回WBCでは候補入りしながらも手術明けだったため所属球団からストップがかかった。2023年シーズンはメジャーで打率.163と不振だっため、2024年はマイナー契約からのスタートとなった。
姜白虎/カン・ベッコ(1B/KTウィズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'19プレミア12、'21東京五輪、’23WBC、’23アジア大会韓国代表。WBCでの打撃成績は打率 .500/OPS 1.143と素晴らしい出来だったが、豪州戦2塁打後のベース踏み忘れでのボーンヘッドがどうしてもクローズアップされてしまう。2022年以降打撃成績が下降気味なのが懸念点。
羅承燁/ナ・スンヨプ(1B/ロッテ・ジャイアンツ)◎ MyKBOstats Fangraphs
’23APBC韓国代表。高校卒業時にMLB進出を目指したが、コロナもありロッテにドラフト1位で入団。2022-23年に兵役を済ませている。
金慧成/キム・ヘソン(2B/キウム・ヒーローズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’21東京五輪、’23WBC、’23アジア大会韓国代表。WBCでは出場機会は少なかったが、2023年シーズンでは打率リーグ3位の.335をマークするなどキャリアベスト。打撃だけでなく守備,走塁面でも貢献度が高く、StatizのWARランキングはリーグ3位。
盧施煥/ノ・シファン(3B,1B/ハンファ・イーグルス)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
’23アジア大会、’23APBC韓国代表。2023年シーズンは本塁打王と打点王の2冠を達成。APBCでもファーストでベスト9に選出された。StatizのWARでは韓国人選手でNo.1。将来もう1つ上のステージで通用するか見てみたい。
金倒永/キム・ドヨン(3B/起亜タイガース)MyKBOstats Fangraphs
’22 U-23W杯、’23APBC韓国代表。走攻守揃った選手で、’23APBCではサードのレギュラーを務めた。2023年シーズンには19歳にして打率3割をマーク。2024年も良いスタートを切っている。
文保景/ムン・ボギョン(3B,1B/LGツインズ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23アジア大会韓国代表。本職は三塁手だが、'23アジア大会ではファーストのレギュラーとして出場も打率.190と調子が上がらず。リーグの方では打率 .301/OPS .825と活躍。打者としては安打製造機タイプ。
金河成/キム・ハソン(SS/サンディエゴ・パドレス)◎ Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17&’23WBC、’17APBC、'18アジア大会、'19プレミア12韓国代表。アジア人内野手でメジャーでこれだけ活躍出来ていることは快挙と言える。'23WBCでは打率こそ.188と不振だったが本塁打3はチームトップ。
金周元/キム・ジュウォン(SS/NCダイノス)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'23アジア大会、'23APBC韓国代表。スイッチヒッター。打率は2割前半と得意ではないが、守備での貢献度が高くAPBCではショートでベスト9に選出された。
金盛閏/キム・ソンユン(LF,RF,CF/サムスン・ライオンズ)◎ MyKBOstats Fangraphs
'23アジア大会、APBC韓国代表。2023年に打率3割を超えブレイクした。身長163㎝と小兵ながら、打撃だけでなく盗塁や守備面でも活躍。
李政厚/イ・ジョンフ(CF/サンフランシスコ・ジャイアンツ)◎ Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17年APBC、'18年アジア大会、’19年プレミア12、’21年東京五輪、’23年WBC韓国代表。2024年からメジャーでプレイすることも決まり、もはや李鍾範(イ・ジョンボム)の息子という肩書は不要になった。打高の時期も含むとは言えKBO時代に打率3割を1度も切ることなかったのは凄い。
崔智訓/チェ・ジフン(CF/SSGランダース)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'19アジア選手権、’23WBC、’23アジア大会、’23APBC韓国代表。俊足が売りの中堅手。三振が少なくバットに当てるのが上手いタイプ。WBCでは出場期間がほとんど無かったが、アジア大会,APBCではセンターのレギュラー格だった
趙元彬/チョ・ウォンビン(RF,CF/セントルイス・カーディナルス(1A))Baseball-Reference Fangraphs
カーディナルスのプロスペクト。KBOドラフト1位指名が期待されていたが海外挑戦を志望しアメリカへ。パワーに秀でているとの評価だが、アメリカでは足のステップ高さが小さくなるように調整し三振を減らすことに成功。外野手としては両翼向き。
尹棟熙/ユン・ドンヒ(RF,CF/ロッテ・ジャイアンツ)◎ MyKBOstats Fangraphs Statiz
'22 U23W杯、’23アジア大会、'23APBC韓国代表。アジア大会やAPBCではライトのレギュラー格として出場。3番打者として打線の中核を成した。まだ線が細くパワーレスだが今後の成長に期待。
郭賢洙/トミー・エドマン(2B,SS,CF,RF/ロサンゼルス・ドジャース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBC韓国代表。'21年の二塁手ゴールデングラバー。’23WBCでは打率.182と大不振。豪州戦では自身の盗塁死でゲームセットとなり批判され、日本代表のL・ヌートバーとは好対照な結果に。2023年シーズンは外野での出場機会も増えどこを守っても守備で貢献出来る存在に。スタンフォード大卒なので佐々木麟太郎の先輩。
朴孝俊/パク・ヒョジュン(RF,3B,2B/オークランド・アスレチックス(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2021年にヤンキースでメジャーデビュー。パワーヒッターではないが選球眼が良く出塁率が高いタイプ。高校時代は大型遊撃手として注目されたが、アメリカでは外野と内野両方守れるユーティリティプレイヤーとしての起用。盗塁の成功率も高く国際大会では非常に便利。
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