(2019/12/22改定 個人への守備得点の割振りを修正したため記事を修正。)
データが充実しているメジャーや日本のプロ野球とは違って、海外の野球好きはデータを集めるのに本当に苦労します。そんな中でも比較的 韓国や台湾はデータが充実していることは多いのですが、やはり守備系の指標が一番少ないような気がします。というのも、打撃成績や投手成績は、昔からある伝統的なスタッツ(三振や四球数など)から計算で求められるセイバー系指標もあるのに対して、守備指標の場合 比較的単純なセイバー系指標のレンジファクター(RF)ですら、ポジション別に刺殺数、補殺数、守備イニングなど、中々公開されていないデータを必要とするため、苦戦することが多いです。
しかし、台湾プロ野球CPBLのサイトは、割と守備系のスタッツが充実していまして、算出がかなり面倒なセイバー系守備指標の算出に挑戦してみました。参考にさせて頂いたのは「日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog」さんの”守備得点”の考え方です。これを超ざっくり説明すると、同リーグの平均的な選手と比べてどの程度アウトを取り貢献したのかを表しています。守備得点がプラスならば、その分だけ平均よりも守備で貢献しているという意味です。(ただし、異なるポジションの場合は守備得点自体を比較しても、一概に守備得点の高い方が守備力が高い、とは言えません。例えばファーストとショートを比較して、ファーストの選手の守備得点の方がが高かったとしても、ショートには俊敏な選手が多く集まる傾向がありますので、そもそもショートの平均がファーストの平均より高いことが予想されます。)
さて、台湾野球と言うと、日本と比べて守備が大味なイメージがありますが、そんな中でも良い選手と悪い選手が誰なのか、見ていきたいと思います。守備データは2017~19年の直近3年のものを参照しています。早速、各ポジションごとに守備得点ランキングを見ていきましょう。
内野手
内野手は補殺(=主にゴロ処理)数を元に評価しています。(刺殺はファーストが多くなる傾向があり、ノイズが大きいので対象外にしています。)
※基本的に、「日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog」さんのサイトの計算方法に準じていますが、先発/途中出場の情報がないため、Teamの守備得点の個人選手への配分は、(かなり荒っぽいやり方ですが)刺殺や補殺の数で直に案分しています。
外野手
外野手は刺殺(=外野フライ≒守備範囲の広さ)と補殺(=捕球後の送球≒肩の強さ)を評価対象にしています。
捕手
捕手の守備評価は、盗塁阻止、捕逸、失策などの指標から算出しています。リードなど指標かが難しい情報や、そもそもデータが無いフレーミングなどは含まれていません。
如何でしたでしょうか?台湾にもゴールデングラブ賞に相当する『金手套奨』があるのですが、概ねランキングの上位にはゴールデングラブ賞の受賞者が位置していました。唯一例外がサードで、ゴールデングラブ賞の受賞者のほとんどが、守備得点で下位に位置しています。
個人別に見てみると、プレミア12にも出場したベテランの林哲瑄(CF/富邦ガーディアンズ)が守備得点+63.8 と圧倒的な成績をマークしています。逆に張志豪(CF/中信ブラザーズ)はゴールデングラブ賞を計4回直近3年連続で受賞中の選手ですが、守備得点では3年連続最下位をマークしています。だからと言って、ゴールデングラブ賞の選考が間違っていたとは言い切れませんが、データ上ではそうなったという事実だけ述べておきたいと思います。
尚、今年2019年度だけの守備得点成績で評価すると、ゴールデングラブ賞はこのようになりました。※サムネイルは下の表を絵にしたものです。
以上、今回も当サイトをご覧頂きありがとうございました。
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