前回(オランダ野球 Hoofdklasse 守備指標ランキング)に続き、今回は投手指標のランキングです。投手の評価は、奪三振、与四球、被本塁打などの野手の守備が関与しないスタッツから計算する疑似防御率 FIP (Fielding Independent Pitching)を使います。そして、このFIPをRSAA(Runs Saved Above Average)という指標も掛け合わせた『RSAA(FIP)』を最終的な投手評価として採用します。RSAAとは、ある投手が登板した時に同リーグの平均的な投手が同じイニング数を投げた場合と比べてどの程度失点を防いでいるかを示す指標です。RSAAは本来失点率を使うのが一般的ですが、失点率の代わりに防御率ベースのFIPを用いることで、守備の影響を除いた失点抑制の貢献度を測ります。
RSAA(FIP) = (リーグ平均防御率-FIP) ✕ 投球回 ÷ 9
No.1はHuijer,注目は3位 Robberse
早速ランキングを見ていきましょう。
トップはラース・ハイヤー(SP/ホーフトドルプ・パイオニアーズ)でした。パイオニアーズ所属ということで、キュラソー・ネプチューンズとL&Dアムステルダムパイレーツの2強を相手にしなければならない状況で見事な成績と言えます。2位はオランダ代表のベテランオーランド・イェンテマ(SP/キュラソー・ネプチューンズ)。そして3位はなんと昨年17歳だったセム・ロバース(SP/クイック・アメルスフォールト)。最年長はご存知オランダ代表のレジェンドロブ・コルデマンス(SP/L&Dアムステルダムパイレーツ)で6位。ロバースとの年齢差は実に27歳差でした。3位のセム・ロバースは、同じく17歳のジオルジェニー・カシミリ投手と共にトロントブルージェイズとマイナー契約を結んでいます。この成績を見るとメジャー球団のスカウトから声がかかるのも納得がいきます。
一方で、イェンテマやコルデマンスだけでなく、7位ジム・プローガー(SP/L&Dアムステルダムパイレーツ)、8位J.C.スルバラン(SP/DSS)、12位ディエゴマー・マークウェル(SP/キュラソー・ネプチューンズ)ら、WBCオランダ代表メンバーも上位に入ってきていますが、もう少し20代の選手が入ってきてもいいような気がします。
次に各投手の特徴を表すスタッツを集めてみました。
首位のハイヤー投手は、投球数の少なさを表すP/IPでも1位を獲得しています。2位のイェンテマ投手は、奪三振率SO/9でトップの11.0をマークしています。そして先ほどのセム・ロバース投手は、与四球の少なさも優秀ですがGO/AO(ゴロアウト/フライアウト率)の値が2.64と非常に高く、国内リーグではグラウンドボールピッチャー化していたことが分かります。いかにも安定化のありそうなスタッツですね。
次回は打者編です。
~以上~
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