メジャーリーグで活躍しているキューバ人選手は投手よりも野手の方が人数が多く、キューバの国内リーグも”打高投低”イメージがあると思います。その見方自体は間違いないのですが、ここ最近日本プロ野球に派遣されてきているキューバ人選手は割と投手の方が成功しているかな、という印象があります。その代表格であるイバン・モイネロ(RP/福岡ソフトバンクホークス)は、球界でも屈指の奪三振率を誇り、ソフトバンクにおいても貴重な戦力になっています。また、モイネロと共にキューバ代表支えるライデル・マルティネス(RP/中日ドラゴンズ)、今季から日本球界入りしたヤリエル・ロドリゲス(SP/中日ドラゴンズ)も1軍でチームに貢献しています。野手にもデスパイネやグラシアル(共に福岡ソフトバンクホークス)がいますが、野手と違って彼らキューバ人投手は20代前半の若手で、亡命さえしなければ長くチームで活躍してくれる可能性があります。
派遣元のキューバ野球連盟(FCB)からすれば、代表チームの弱点は投手だと分かっている訳ですから、投手育成に定評のある日本のプロ野球界に野手よりも投手を派遣したい、というのは道理に叶っていると思います。また、亡命した海外球団所属中のキューバ人選手が将来的に代表チームに復帰出来るようになれば、野手の方は世界でも屈指の打線を作り上げることができますが、相対的に投手陣の方が手薄になるので、キューバ球界のプロスペクトを日本に惜しみなく派遣することに躊躇はないのだと思います。
そこで今回は、今季キューバ国内リーグでプレイ中のキューバ人投手の中から、ポスト・モイネロとなりそうな、若手キューバ人ピッチャーを見てみたいと思います。
活躍中のキューバ人投手の成績
現在、日本のプロ野球で活躍している3投手のキューバ時代の成績を見てみます。
共通しているのは(当り前の話ですが)成績が良いこと。防御率はそれほど圧倒的とも言えないレベルですが、奪三振率が高く与四球が少ない所がポイントです。なので、少なくともキューバ国内リーグでの成績は、『K%は18%以上 & BB%は12%以下』であることが最低条件になりそうです。また制球力も必要ですので、『K/BBも1.70以上』という条件も付け加えておきたいと思います。
注目は若手の3選手
① アンディ・ロドリゲス
ポスト・モイネロの筆頭はこの選手だと思います。上述の条件には既に2年前の19歳のときにマークしています。91~92マイル(140km台後半)の速球が武器。変化球は80マイル(130km弱)のスライダーがありますが、ほとんど投球の中心はストレート。キューバ国内リーグでは、もはややることは無いようにも見えます。
本来ならば若手No.1投手だったヨシマル・コウシン(SP/カマグエイ)が注目集めると思われたのですが、今季はちょっと球速も落ちているようで成績もぱっとしない感じとなったので、だったらもはやアンディ・ロドリゲス一択でしょ、といった感じです。
②パベル・ヘルナンデス
アンディ・ロドリゲスやヨシマル・コウシンと共に、キューバ野球連盟(FCB)の海外移籍推薦34人のリストにも名前がはいっている選手です。動画を見た感じでは変化球投手。軟投派っぽく見えるのですが、ストレートは90マイル程度出るのでキューバの中では速い方の部類に入ります。今年の成績が『奪三振20%以上、与四球12%以下』の条件を今の所満たしていますが、ここまでの成績がたまたま出来すぎな可能性も…。もうちょっと様子みないと分からないですね。
③ナイケル・クルーズ
ストレートは90マイル(145Km)と決して豪速球はないですが、カット気味に動かしている印象。ストレート以外に、71~72(約120Km)マイルのカーブっぽい変化球しかないので、キューバでは先発投手を務めるが、日本でプレイするならリリーフ向きか。ただ、その偶に投げるカーブも決め球というより見せ球・カウント球で、ストレートに合わせて狙われる可能性がある。
たださえマニアックなキューバリーグを特集し、さらにヨシマル・コウシンやブライアン・チー(SP/インダストリアレス)といった王道どころでもなく、10/31時点で防御率1位のライナー・リベロ(SP/マタンサス)でもない所にフォーカスするというニッチな所を攻めてみました。今度はキューバの野手を特集してみたいと思います。
~以上~
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