昨日11/7(土)雨で延期となったキューバ国内リーグのオールスター戦は、天候次第ではあるものの本日11/8(日)に開催が予定されています。これまでキューバのセリエナシオナルのオールスター戦は、東軍と西軍に分かれて開催されてきましたが、今年は25歳以下の若手チームvs25歳以上の中堅ベテランチームの対戦にフォーマットが変更されました。キューバでは期待の若手の亡命が相次いでいるため、30歳以上のベテラン勢がスタッツランキング上位を占めることが多く、世代交代が中々うまく進んでいない状態です。2019年のプレミア12でも必勝態勢のキューバ代表は、同国で好成績を収める中堅ベテラン選手を多く代表入りさせましたが、結果は1次ラウンド敗退で母国の国民を失望させる結果となってしまいました。そんな中でオールスター戦のフォーマットを変えたのは、無観客とは言え若い選手にも注目を集める舞台で経験を積ませたい、という意図があるのかもしれません。
歴然とした戦力差のあるチーム同士の対決
しかし、キューバリーグでチームの主力として活躍している選手は、25歳以上のチームの方が多く、今回対戦するチームの間には歴然とした戦力の差があります。それでは、それぞれのチームのメンバーを見てみましょう。まず、25歳以上のチームです。
フレデリック・セペダやラサロ・ブランコなどキューバ代表でもよく名前を聞く選手が集まっていますが、新顔も多く召集されています。個人的に注目はホルヘ・アロマー(SS/インダストリアレス)とヤセル・ゴンザレス(RF,LF/ピナール・デル・リオ)です。アロマーはリーグで好調をキープしていて、高い打率/長打率と守備でチームを牽引しています。当サイト独自集計の”得点貢献度”も11/7時点でリーグ1位となっています。ヤセル・ゴンザレスは、13HR/長打率.761と長打力で目立った働きをしています。こちらも当サイトで度々使用しています”サモン率”も2.23で、国際試合でも活躍が期待できそうです。(”サモン率”の詳細はこちら)
次にアンダー25キューバ選抜チームです。
セサル・プリエト(2B/シエンフエゴス)のようにキューバA代表でもレギュラーを取っている選手もいますが、野手は全体的に25歳以上チームと張り合えるような成績を残している選手は少ないです。野手の”得点貢献度”の合計は、オーバー25歳チームが194.9点なのに対し、U25代表チームは半分にも満たない73.8点。特に攻撃力に関しては、U25代表チームのOffense得点貢献度84.5点は、25歳以上チームの194.9の半分にも届きません。加えて、U25代表の守備得点は、マイナス10.7点でリーグ平均を下回っています。
このように野手には大きな戦力差がありますが、投手陣はかなり戦力拮抗しています。リーグ防御率1位のレンネル・リベロ(SP/マタンサス)、同2位のパブロ・ルイス・ギーエン(SP/ビジャ・クララ)、NPB入りが期待されるクローザーアンディ・ロドリゲス(CL/インダストリアレス)とリーグ屈指のメンバーが入っています。これだけのスタッフが揃っていれば、攻撃力には差があるものの、ロースコアゲームに持ち込むことは十分可能でしょう。
投手力が戻ればスモールベースボールが効いてくる?
実はキューバリーグは犠牲バントを結構多用するリーグです。1試合当たりの犠打数は0.86本(11/7時点)で、これは日本プロ野球の1.26本には及ばないものの、韓国プロ野球の0.68本、台湾プロ野球の0.65よりも多い数値です。1990年代に日本の社会人野球でプレイし影響を受けた今の指導者の方針なのかもしれませんが、”打高投低”のキューバリーグにおいてこの犠打の多さはどこかアンマッチに見えます。ただ、日本代表のような強力な投手陣を要するチームならば、格上相手との戦いを接戦に持ち込む機会が増えますので、そういった勝負所で犠打が活きてきます。”投手強化”はキューバ代表にとって至上命題。これからもキューバ代表投手陣の動向は要注目です。
以上
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