11月16日から19日にかけて、スペイン カナリア諸島テネリフェでチェコ代表がスペイン代表と強化試合を行います。コロナウィルスが猛威を振るっている今年、国際試合となると更に開催がより難しくなる中で、チェコ代表は割と積極的に代表戦を行っています。先月10月にもチェコ代表は地元プラハにロシア代表を招いて試合を行いました。そして今回はアウェイ戦。「大西洋のハワイ」と呼ばれ観光地であるスペインのカナリア諸島ですが、夜間外出禁止令の規制対象外になっていることから、比較的コロナの影響が少ないのかもしれません。
欧州3位vs5位の戦い
昨年の欧州野球選手権では、スペインがオランダ,イタリアに続く3位。対してチェコ代表は5位入賞しました。両国とも同選手権で5位以内に入ったので、続く東京オリンピック欧州アフリカ予選に進出しましたが、そこではチェコが3位,スペインが4位に終わりオリンピックへの道は絶たれました。このシリーズでの対戦成績は1勝1敗と五分。非常に実力が伯仲した国同士の対戦になります。
当サイトで度々使っています『各チームの攻撃力守備力をざっくり計算する方法』を使って、欧州選手権の両国のパフォーマンスを見てみると、攻撃力はややスペイン代表が勝っているという結果になりましたが、投手/守備力はほぼ互角、という結果になりました。ここからも両国の実力差が比較的少ないことが分かります。
黄金世代を多く起用したスペイン代表
スペイン代表は昨年の欧州野球選手権のときとはがらっとメンバーを入れかえて来ました。メンバーを見ていきましょう。
一見アメリカ組が多いように見えますが、試合経験がほとんどないマイナー契約したての若手だったり、大学生プレイヤーなどが多くメンバー入りしています。国内組の中には、スペイン国内リーグ組も、チームでレギュラー出場している選手がほとんどですが、昨年の欧州野球選手権に出場していた選手はほとんど入っておらず、完全に世代交代を狙った強化試合の位置づけとして考えているようです。特に注目なのは、昨年韓国で開催されたU-18野球W杯で佐々木朗希(SP/千葉ロッテ)、宮城大弥(SP/オリックス)、奥川恭伸(SP/東京ヤクルト)などを擁した高校日本代表を追い詰めたU18スペイン代表メンバーです。(参考:Full-Count 【U-18W杯】執念、雰囲気、2人のマイナーリーガー…日本を苦しめたスペイン代表なぜ強い?)投手中心にマイナー契約を結ぶ選手も増えてきており、彼らが次代のスペイン代表を担う選手だということをよくわかっていて、スペイン野球連盟が”推し”ていることがよくわかります。
普通にフル代表のチェコ代表
一方のチェコ代表は、昨年の欧州予選や今年のロシア戦に出場したメンバーを多く起用していて、普通にフル代表に近いメンバーを揃えてきました。チェコ出身者で最もメジャーに近づいたマーティン・セルベンカ(C/コトラカ・プラハ)もメンバー入りしていることから、その本気度が伺えます。
過去スペイン代表は、ベネズエラやキューバなどカリブ海の野球強国からの移民選手を中心に代表チームが構成されてきましたが、それと比べてチェコ代表は”純国産”と言っていい程チェコ出身者で占められています。甲子園でよくある、野球留学生の多い私立強豪校vs県内の学生中心に構成する”公立の星”の対戦、それの国際野球版といった感じでしょうか。さらに、まだちょっと早いのではと思うくらい若手中心のスペインと、ガチガチのフル代表を揃えてきたチェコ代表。かなり対照的な所のある両国の対戦は、全部で4試合。国際野球ファン必見です。
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