中米・カリブ競技大会に向けた強化試合
日本ではあまり認知度が高くありませんが、オリンピックのローカル版ともいうべきスポーツイベント大会が世界の各地域で行われています。アジアや中南米地域では、本家オリンピック並みにプレゼンスが高く、開催競技にはメダル獲得に向けて国からも支援を受けることができます。(例えば2010年に中国・広州で開かれたアジア大会の野球競技には、バリバリのメジャーリーガーだった秋信守(OF/当時インディアンス)が兵役免除を得るために韓国代表として参加しています。)今年2018年7月には、コロンビア・バランキージャで「中米・カリブ海競技大会」が開催されます。野球が盛んなこの地域では、もちろん野球は競技種目となっており、金メダル獲得に向けて各代表チームは強化に乗り出しています。そんな中、先月3/23~25の3日間、中米のニカラグアがキューバ代表を招待して国際戦3試合を行いました。尚、前回2014年メキシコ大会では、キューバが金メダル、ニカラグアが銀メダルをそれぞれ獲得しています。
参加メンバーはほぼフルメンバー
キューバ代表の参加メンバーは、プロ野球球団に所属しているA・デスパイネ、Y・グラシアル(福岡ソフトバンク)、R・マルティネス(中日)などは不参加ですが、それ以外のメンバーは代表常連メンバーが揃っています。一方ニカラグアもシーズン前のため、MLB傘下でプレイしている選手はいないものの、いわゆる“国内組”を中心に代表でお馴染みのメンバーが揃っています。その中にはメジャーリーグ経験もあるウィルトン・ロペス(元アストロズ)や、2012年にメジャーで盗塁王を獲得したエバース・カブレラ(元パドレス)なども参加していました。
キューバ代表が圧倒3連勝
有力選手の相次ぐ亡命で、キューバ代表はここ数年タレント不足な感じがずっと続いています。更に今回は“日本組”の不在ということもあり、中堅国ニカラグアが相手では五分五分の展開を予想していました。しかし、第3戦こそ延長10回までもつれ込んだものの、結局キューバ代表がその力を見せつけての“3連勝”という結果となりました。二カラグア代表も“アメリカ組”抜きでは流石に厳しかったということでしょう。
キューバ代表/ニカラグア代表とも、いわゆる『本格派』と呼ばれる奪三振率の高い投手は少ない印象でした。キューバ国内リーグの“打高投低”傾向そのままで、投手でインパクトのある選手はほとんどいませんでした。
注目は左の大砲ギジェルモ・アビレス
注目はどちらかと言うとキューバ代表の打者です。一番活躍した選手はギジェルモ・アビレス(1B/アラサネス・デ・グランマ)25歳です。キューバ代表のスラッガーと言えば“右の強打者”というイメージがありますが、G・アビレスは左打者。年齢もまだまだ若いですから、是非日本のプロ野球でも見てみたい存在です。他にも、キューバリーグ本塁打王のラザロ・セデーニョ(DH/アラサネス・デ・グランマ)、昨季千葉ロッテに所属していたロエル・サントス(CF/アラサネス・デ・グランマ)などの活躍ぶりが目立ちました。サントスは千葉ロッテでは活躍できなかったものの、今大会3試合では1番打者としての役割は果たしました。
中米・カリブ海競技大会では、キューバ、ニカラグアの他に、ドミニカ共和国、ベネズエラ、メキシコ、コロンビア、パナマなど強豪どころが参加します。果たしてどの国が勝者となるのか、東京オリンピックに向けても要注目です。
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