野球スペイン代表 選手名鑑

|目指すは13年振りWBC本戦出場

悲願の欧州野球選手権制覇(1955年振り2回目)を果たしたスペイン代表。上り調子に見える同国代表だが、WBC予選ではコロンビア、台湾など戦力と経験豊富なライバルも待ち構えており、余程組合せに恵まれない限りは予選通過候補の本命と言える状況ではない。スペインの戦力構成は中南米ルーツのマイナーリーガーに、SBL(スペインベースボールリーグ)所属の国内組が脇を固める布陣となる。2022年WBC予選時の主力は30歳超えが多く世代交代が必要な状況だが、候補となりそうな若手も多くはなく、スペイン系選手発掘は今後も必要になってきそうだ。WBC本戦出場が果たせれば L・ギローメ、N・マルテなど、スペイン系メジャーリーガーを招集できる点は大きなアドバンテージだ。

パブロ・ギーエン(SP/レーゲンスブルク・レギオネーレ(GER))Baseball-Reference

'23年欧州選手権スペイン代表。キューバ出身。キューバ時代の通算防御率は2.73。2023年欧州選手権では、チェコ代表相手に先発しWBC予選での雪辱を果たすと、決勝イギリス戦にも先発。5回2失点で抑えスペイン代表に初優勝をもたらす投球を見せた。




オーランド・ロドリゲス(SP/ファーゴ・ムーアヘッド・レッドホークス(米独American Association))Baseball-Reference   Fangraphs

'21,'23年欧州選手権スペイン代表。キューバ出身で16歳の時にアメリカ移住。2024年はメキシカンリーグでスタートも約2週間でリリース。5月に独立リーグAmerican Associationに加入し先発ローテを担う。マイナー時代の成績からするとフライ型の投手。




ユーディ・ガルシア(SP/ヘイガーズタウン・フライング・ボックスカーズ(米独Atlantic League))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選スペイン代表。ドミニカ共和国出身。マイナーでのキャリアは最高2A。’22年のWBC予選では本戦出場を決める2位決定戦に2番手で登板。チェコ代表相手に試合終了までの5回を投げ切り無失点。残念ながら味方打線の援護がなく本戦出場は叶わなかった。




ロヘリオ・アルメンテロス(SP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

'16,’22WBC予選、'23年欧州選手権スペイン代表。キューバ出身。ヒューストン・アストロズ所属だった元メジャーリーガー。実績からすれば代表入りしてほしい所だが、最近の情報はキューバ亡命選手チームのトレーニングに参加した事くらいしかなく、実戦感覚が心配。




ラモン・ロッソ(RP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

ドミニカ共和国出身。父親がスペイン人で2015年にはバルセロナでプレイした経験がある。メジャーではフィリーズで2年プレイ経験あり。2024年シーズンはメキシカンリーグでプレイしていたが、ここ数年荒れているコントロールが改善されず7月にリリースされた。




フェルナンド・バエズ(RP/サンマリノBC(ITA))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選、'19,'21,'23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ドミニカ共和国出身。2019年以降イタリアのセリエA、サンマリノBCでプレイ。マイナーでのキャリアは1Aハイが最高だが、スペイン代表での起用は他の選手と遜色ない。




ダニエル・アルバレス(RP/ビッグマット・グローセット1952(ITA))Baseball-Reference   Fangraphs

’16,’22WBC予選、'19年東京五輪欧州予選、'16年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ベネズエラ出身。キャリア最高は3A級。2024年シーズンはベネズエラLMBPでプレイし、同リーグのシーズン終了後の7月にはイタリア・グローセットに加入。




ビセンテ・カンポス(RP/サマネス・デ・アラグア(LMBP))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選スペイン代表。ベネズエラ出身。2021年に1試合だけメジャー経験あり。その後母国のWLやメキシコ、イタリアでもプレイ経験あり。2024年はメキシカンリーグのハリスコと契約も4月の段階でリリース。その後はベネズエラLMBPでプレイ。




ピーター・ボニーラ(RP/ロサンゼルス・ドジャース(Rk))Baseball-Reference   Fangraphs

'23年欧州選手権スペイン代表。スペイン、バルセロナ出身。SBLバルセロナを経て2021年にドジャースとマイナー契約。ドミニカサマーリーグでは非常に高い奪三振率を記録しており、より高いクラスでのプレイが期待される。




アルマンド・ドゥエナスJr.(RP/マタンサス(SNB))Baseball-Reference

’22WBC予選スペイン代表。キューバ出身。SBLサン・イナシオでの活躍が認められスペイン代表に選ばれたが、その後プロリーグでの契約がまとまらず母国キューバに帰還。キューバリーグでプレイしているため、スペイン代表としての招集は難しいか。速球は 93~96マイル。




ホアン・ゴンザレス(C/シカゴ・ホワイトソックス(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

ベネズエラ出身。スペインとの二重国籍で、12歳からスペイン代表として活躍。2019年のU-18W杯での活躍が認められブルージェイズと契約。2024年に行われたハーレムBWではフル代表の正捕手に抜擢され、成績もチームトップの打率.389。期待に応えた。




オマール・ヘルナンデス(C/カンザスシティ・ロイヤルズ(1A+))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選、'19,'23年欧州選手権スペイン代表。キューバ出身。フランク・ヘルナンデスは双子。12歳の時にスペインに家族で移住。兄弟ともキューバ時代はサッカーをしていたが、スペインに渡ってから野球を始めるという珍しいキャリア。




フランク・ヘルナンデス(C/シカゴ・カブス(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

’22年WBC予選、'23年欧州選手権スペイン代表。キューバ出身。オマール・ヘルナンデスは双子。佐々木朗希、奥川恭伸投手らが参加した2019年のU18ワールド杯で、スペイン代表打線の中核を担った。’22WBC予選ではレフトで登録されていた。




ガブリエル・リノ(C/ゲレーロス・デ・オアハカ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選、'21,'23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ベネズエラ出身。’22WBC予選では正捕手を務めた。マイナーでは3Aまでのプレイ経験あり。母国ベネズエラWLの他イタリアやメキシコでもプレイ。




ヘスス・ウスタリス(1B/テネリフェ・マーリンズ)Baseball-Reference   Fangraphs

'16,’22WBC予選、'14,'16,'19,'21,’23年欧州選手権スペイン代表。ベネズエラ出身。'22WBC予選では打率.467/OPS1.423とチーム1の活躍を見せた。2023年にSBL強豪テネリフェに復帰し、出塁率,長打率とも上位の成績をマークしている。





マーク・ロドリゲス(1B,C/パルフィンガー・レッジョ・レイズ(ITA))Baseball-Reference  

'24年ハーレムBWスペイン代表。アンダー世代から代表入りするスペイン国内プロスペクト。2022年からイタリア・セリエAでプレイ。所属チームも徐々に強豪チームに移籍しプレイするようになってきており、徐々に長打力も付き始めている。




ルイス・ギローメ(2B,3B/ロサンゼルス・エンジェルス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

’16WBC予選、'16年欧州選手権スペイン代表。ベネズエラ出身。WBCベネズエラ代表として選出されてもおかしくない正真正銘のメジャーリーガーだが、マイナー時代に参加したスペイン代表を選ぶよう口説き落としたい。セカンド守備は秀逸でUZR,DRSともプラスをマーク。




カルロス・コルメナレス(2B,3B/タンパベイ・レイズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

'23年欧州選手権スペイン代表。ベネズエラ出身。レイズ所属の元プロスペクト。守備面での評価が高いが、打撃は1Aクラスで苦戦しており心配。BB%が高いのだが三振をもっと少なくしたい。




エディソン・ヴァレリオ(3B,SS/テネリフェ・マーリンズ)

’22WBC予選、'19,'21,’23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ドミニカ共和国出身。2014年からスペイン国内でプレイ。本職はショートだが、'22WBC予選ではN・マルテがいたためサードで起用。同予選ではHR2本,OPS1.317と、N・マルテを上回る活躍。




ワンダー・エンカーナシオン(3B,2B/1949パルマBC(ITA))

'23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ドミニカ共和国出身。2022年にSBLデビュー。2023年の欧州選手権では打率.550/長打率.990という神がかり的活躍で大会MVPに選ばれた。2024年はイタリアでプレイ。




レオマルティレス・ロドリゲス(3B/テネリフェ・マーリンズ)Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選、'16,'19,'21年欧州選手権スペイン代表。ドミニカ共和国出身。2016年から2023年まで主にイタリアでプレイしてきたが、2024年シーズンはスペイン国内に再復帰。国内で高打率をマークしている。




ノエルビ・マルテ(SS,3B/シンシナティ・レッズ)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

’22WBC予選スペイン代表。ドミニカ共和国出身。'22WBC予選ではイギリス代表のH・フォードと共に、トッププロスペクトとして違いを見せる活躍を見せた。2024年にメジャーに昇格したがドーピングが発覚。6月末に復帰した。




エミル・モラレス(SS,3B/ロサンゼルス・ドジャース(Rk))Baseball-Reference   Fangraphs

ドジャース傘下のプロスペクト。スペイン、カナリア諸島出身。190cmの体格を持つ大型ショートで身体能力は高いが、スピードは平均的で守備範囲は広い方ではない。国内組はショート,サードに人材が集まっているため、モラレスが成長した場合の起用ポジションは悩み所。




レオポルド・コレア(SS,3B/サン・イナシオ)Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選スペイン代表。ベネズエラ出身。マイナーをリリース後、2016年からSBLサン・イナシオでプレイ。SBLの打撃成績上位には絶対王者テネリフェ所属の選手が多い中、遜色ない成績をマークしている。




ダニエル・ヒメネス(LF,RF/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選、’21,'23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ベネズエラ出身。2018年からメキシコが主戦場としていた。メキシカンリーグは超打高だが、打撃成績はイマイチで、まだ20代だがパワーに乏しい点は難点。





ジャスティン・コーネル(CF,DH/レイクカントリ―・ドックハウンズ(米独American Association))Baseball-Reference   Fangraphs

’22WBC予選スペイン代表。バルセロナ生まれ、フロリダ育ち。ナショナルズ傘下でプレイしていたが、2022年に2Aの壁に阻まれリリース。以降コロンビアWLを経て、2024年は独立リーグAmerican Associationでプレイ。’22WBC予選では打率.467/OPS1.171と打ちまくった。





エンヘル・ベルトレ(CF/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

'13WBC、'16,’22WBC予選、'16,'19,'21,’23年欧州選手権スペイン代表、'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。ドミニカ共和国出身。スペイン代表で長年プレイするベテラン選手。'22WBC予選でもCFのレギュラーを務めた。2013年に1年だけメジャー経験あり。2024年はメキシカンリーグも5月にリリース。




レスター・ガルヴァン(CF,LF/テネリフェ・マーリンズ)Baseball-Reference   Fangraphs

'16,’22WBC予選、'19年東京五輪予選、'16,'19,’21年欧州選手権スペイン代表。ベネズエラ出身。E・ベルトレと共にスペイン代表外野陣を牽引する国内組のベテラン選手。'22WBC予選ではレフトのレギュラーを務めた。2018年にはイタリアのパドヴァでもプレイ。




クリストファー・クウィッツァー(RF,3B,1B/ニューヨーク・ボルダーズ(米独Frontier League))Baseball-Reference

’22WBC予選スペイン代表。'22WBC予選ではライトのレギュラーを務めた。キャリアはほぼ全て独立リーグ。ペコスリーグに始まりここ数年は故郷であるNYボルダーズでプレイ。打撃成績は優秀だが、所属チームが打高投低の傾向がありパークファクターの恩恵もありそう。




アレクサンダー・アルフォンゾ(LF,RF,1B,3B/アストロズ・バレンシア)

スペイン出身。アストロズ・バレンシア所属の若手ユーティリティプレイヤー。SBLでの打撃成績も向上しつつあり、使い勝手の良さから控えとしてサプライズ起用のチャンスが訪れるか。




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