野球南アフリカ代表 選手名鑑

|ベテラン頼みから抜けられるか?

2022年のWBC予選ではスペインとドイツに2連敗で早々に敗退した南アフリカ代表。欧州の強豪国を相手に試合中盤まで競った展開を演じられたが、この時のメンバーは国際大会の経験豊富なベテラン勢が主力で、次回WBC予選に向けては若返りが必要な状況だ。しかし、MLB球団と契約できそうなレベルの若手が中々おらず、WBC予選に唯一アフリカから出場するチームの展望は厳しい状況にある。野球人口の拡大に向け競技普及活動を根気強く続けるしかない状況だ。そんな中、南アフリカ野球連盟(SABU)は手打ち野球の”BASEBALL5”に力を入れている様子で、果たして9人で行う野球にどこまで波及してくれるか気になる所だ。

ディラン・アンスワース(SP/リデレス・デ・ミランダ(LMBP))Baseball-Reference   FanGraphs

'12,'16年WBC予選南アフリカ代表。ダーバン出身。2018年までエンジェルス傘下でプレイし最高は3A級。2021年途中から台湾CPBL富邦で加入。3先発で防御率2.38と結果を出すも退団。2024年はベネズエラLMBPでプレイ。決勝こそ炎上したがシーズンでは最優秀防御率を獲得。





ジャスティン・エラスマス(SP/レッドランズ・レイズBC(豪州))Baseball-Reference   Fangraphs

'09年WBC、’22年WBC予選南アフリカ代表。'16年WBC予選豪州代表。南アフリカ生まれの豪州育ちのベテラン投手。国際経験が豊富で米国独立リーグ、豪州ABL、オランダ、ドイツでプレイ経験がある。'22年WBC予選ではスペイン戦に先発し、5回を1失点に抑える好投を見せた。※写真は2009年のもの。




ジャリッド・ホワイト(SP/エデンヴェール・ジャイアンツ(SABU))

'22年U23W杯南アフリカ代表。テキサス州タイラー・ジュニアカレッジ(NJCAA)でプレイする若手投手。’22年U-23W杯ではキューバ戦、ドイツ戦に先発。キューバ戦では9失点と炎上も、6回まで投球回を稼いだ。




ヴィンス・ディゼル(RP/ボクスブルグ・カーディナルス(SABU))Baseball-Reference   Fangraphs

南アフリカのダーバン出身。ルーキー級だがピッツバーグ傘下で3年プレイ経験あり。マイナー時代の成績からすると制球が悪く暴投も多い。




ディーン・ヤコブス(SP,RP/べノイ・インディアンズ(SABU))

'16,'22年WBC予選、'19年東京五輪予選南アフリカ代表。’19年開催の東京五輪欧州アフリカ予選ではオランダ戦に先発も3回持たず4失点。’22年WBC予選ではドイツ戦終盤に登板し1回無失点に抑えたものの、全体的に国際舞台では厳しい結果が続いている。





ジャレッド・エラリオ(RP/ボサシグ・ナイツ(SABU))

'06,’09年WBC、'12,'16,'22年WBC予選、’19年東京五輪予選南アフリカ代表。WBC第1回大会から代表入りしているレジェンド投手。’22年WBC予選では初戦スペイン戦で登板。スペイン相手に同点に追いつき金星の予感もでつつある中、7回に3失点を喫し敗戦投手に。※写真は2006年のもの。





ダニエル・メンデルソーン(RP/VOBマカウズ(SABU))

'22年WBC予選南アフリカ代表。'21年欧州選手権ドイツ代表。WBSC系の大会ではドイツ代表に参加してきたが、'22年WBC予選ではドイツ代表から招集されなかったため、生まれ故郷の南ア代表入り。'22年WBC予選ではスペイン相手に1回1/3を無失点に抑えた。







ローワン・エバーソン(RP/べノイ・インディアンズ(SABU))Baseball-Reference   Fangraphs

'16年WBC予選、’19年東京五輪予選南アフリカ代表。1年だけミネソタ傘下(Rk)でプレイ経験あり。'19年にはフランスの強豪ルーアン・ハスキーズでもプレイ。過去の国際大会では打者としての出場だったが、今回は投手での登録。ソフトボールとの二刀流選手。




ジョシュア・トライブ(SP/クラウダ―・カレッジ(NJCAA))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。豪州出身でビクトリア州の州代表にも選ばれている。U-23W杯ではイギリス戦,ベネズエラ戦にそれぞれ先発登板。計8回2/3で防御率4.85と、最下位だった同国代表の中では役割を果たした。速球は約86マイル(=138km/h) 。ヤンキースファン。




ブランドン・スミス(RP,1B/アローズ・オストラヴァ(CZE))Baseball-Reference

'22年WBC予選南アフリカ代表。タイラー・スミスの弟。父親は'06,09年WBC南アフリカ代表。WBC予選ではメンバーに選出されながらも登板なし。2023年からチェコのエクストラリーガでプレイ。打者としても正一塁手として活躍。




デーモン・キング(RP/べノイ・インディアンズ(SABU))

'22年WBC予選、’19年アフリカ選手権南アフリカ代表。'22年のWBC予選にはメンバーに選出されたが出場機会は無し。2018年U-23W杯では、周東佑京や安田尚憲ら若手プロ選手が参加した日本代表相手に先発登板。2回2/3を7失点でノックアウトされた。




ロイド・スティーブンス(RP/ベルビル・タイガース(SABU))

'16,'22年WBC予選、’19年アフリカ選手権南アフリカ代表。'22年のWBC予選にはメンバーに選出されたが出場機会はなかった。2010年にはソフトボールの南アフリカ代表のキャプテンを務めている。





アンソニー・セイヤーズ(RP/FA)Baseball-Reference

'18年U23W杯南アフリカ代表。同大会では3試合に登板し計6回1/3を7失点。メキシコ戦では2失点しながらも3回1/3のロングリリーフ。大学時代はNCAA3部のセント・ジョセフカレッジでプレイ。





ダミアン・パーキンス(RP/VOBマカウズ(SABU))

'16年U23W杯南アフリカ代表。同大会では韓国戦、チェコ戦、オーストリア戦に救援登板。いずれも失点を喫し、大会合計6回2/3を9失点と活躍できず。




テイラー・スコット(RP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference   FanGraphs   Baseball-Savant

2019年に広島カープに入団し、NPB初のアフリカ出身選手となった。2022年にアメリカに戻りパドレスとマイナー契約し後にメジャー昇格を果たす。その後4球団を渡り歩くも、2024年にアストロズでリリーバーとして完全にブレイク。




キエラン・ラブグローブ(SP/レーゲンスブルク・レギオネーレ(GER))Baseball-Reference   FanGraphs   Bundesliga

'12,'22年WBC予選南アフリカ代表。同予選ではドイツ相手に先発し5回2失点と試合を五分に進めたが後続が打たれ敗退。マイナーでは最高3A級まで経験。2024年はドイツ強豪のレーゲンスブルグに加入し6試合に先発。プレーオフでは打たれたがシーズン成績は防御率1.62。





ロバート・ホワイト(SP/セントラルクリスチャンカレッジ・オブ・カンザス(NAIA))Baseball-Reference

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯では、豪州戦,ニカラグア戦,オランダ戦と同代表最多の3試合に先発。残念ながら早い回でのノックアウトが多かったが、起用からは同投手への期待度が伺える。ドジャースファン。




ブライス・マクリーランド(SP/ベルビル・タイガース(SABU))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。アンダー世代でも毎回代表入り。U-23W杯では奪三振を与四球が上回ってしまい課題が明らかに。お気に入りはビザとフィラデルフィア・フィリーズ。




キーナン・キャンベル(RP/ベイ・カレッジ(NJCAA))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯では韓国戦とオランダ戦に登板。5回2失点で取れた三振はゼロだったがイニングを消化する役割は果たせた。LAドジャースのファン。




マーカス・クリーク(RP/ミネソタ・ノース・カレッジ・レイニーリバー(NJCAA))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯には2大会連続で出場。D・プレトリウスも所属していたミネソタ・ノース・カレッジ・レイニーリバーに所属。制球力改善が課題。アトランタ・ブレーブスのファンで寿司好き。




ルーク・ノベンバー(C,DH/VOBマカウズ(SABU))Baseball-Reference

’24年U-23W杯南アフリカ代表。2022年にはドルト大学(NAIA)でプレイし、打率.357とハイアベレージを記録した。U-23W杯ではC・グリーンサイドと共にキャッチャーを務め、打率.368とここでも高い打率をマークした。ヒューストン・アストロズのファン。




デイル・フェルトマン(C/ボサシグ・ナイツ(SABU))

'22年WBC予選、’19年アフリカ選手権南アフリカ代表。'22年WBC予選では代打やDHで出場し5打数3安打。チーム唯一の本塁打を放ち起用に応えた。兄のドゥエインは2006年のWBC南アフリカ代表。




コービン・グリーンサイド(C,1B/ベセル大学(NAIA))Baseball-Reference

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯にはキャッチャー以外にファーストやDHなどでも出場。所属するベセル大学では長打率は低いものの打率は3割弱とまずまずな成績。ヤンキースのファン。WBC予選では選外。




クリスチャン・ベイヤーズ(1B,2B/パーダーボルン・アンタッチャブルス(GER))Bundesliga

'22年WBC予選南アフリカ代表。'24年BUアラブクラッシックUAE代表。同予選にはDHとサードで2試合とも出場したが、打撃では活躍できず。2021年にドイツ・ブンデスリーガのパーダーボルンに加入。2023年シーズンには打率.395で首位打者を獲得。ややプルヒッターの傾向あり。




ビクター・ンゴエペ(2B,SS/ランドバーグ・メッツ(SABU))Baseball-Reference FanGraphs

'22年WBC予選南アフリカ代表。アフリカ出身で初のメジャーリーガー ギフト・ンゴエペの弟。マイナーでの最高成績は1A級。'22年WBC予選ではセカンドでスタメン出場。バントを3度決めるなど小技を使える。




マシュー・ディーデリックス(2B,3B/ボサシグ・ナイツ(SABU))

’15年U18W杯南アフリカ代表。ソフトボール代表との二刀流で、'24年ソフトボールW杯では全試合セカンドで先発出場している。





ジョナサン・フィリップス(3B/ベルビル・タイガース(SABU))Baseball-Reference

’09年WBC、’12,'16,’22年WBC予選、'19年東京五輪予選、'08年北京五輪予選南アフリカ代表。WBC開始以前から同国代表を支えてきたレジェンド野手。'05年にはドイツでもプレイ。'22年WBC予選では1番打者として打率.375の活躍を見せた。同国代表のアンソニーは弟。※写真は2006年のもの。




タイラー・スミス(SS/フロッシ・ブルノ(CZE))Baseball-Reference

'22年WBC予選南アフリカ代表。アメリカの大学を卒業し、2021年からはチェコのエクストラリーガでプレイしている。’22年WBC予選ではV・ンゴエペと二遊間を組み守備で貢献した。弟ブランドンも南アフリカ代表で、父親のダレンは'06,09年WBC南アフリカ代表。




アンソニー・フィリップス(SS/ベルビル・タイガース(SABU))Baseball-Reference   Fangraphs

'09年WBC、'12,'16年WBC予選、'19年東京五輪予選、'08年北京五輪予選南アフリカ代表。マイナーでは11年間のプレイ経験があり、最高は3A級。南アフリカ代表では数少ないプロキャリアの経験が豊富な選手。兄ジョナサンも南アフリカ代表のベテラン野手。




ジョシュ・ノベンバー(SS/VOBマカウズ(SABU))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯ではショートのレギュラーとして出場。小柄で長打はゼロだったが、格上相手にしても高い出塁率をマーク。守備でもエラーなしで大会を終えた。NYメッツのファン。




ジョシュア・ウェンツェル(SS/ボサシグ・ナイツ(SABU))

'22年U23W杯南アフリカ代表。ソフトボールとの二刀流選手。野球よりもソフトボールとしての代表歴の方が豊富。ポジションはショートだが、登録は外野手でされている。野球にしてもソフトにしても打撃は得意ではなさそう。





ダリアン・プレトリウス(2B,SS/ブレシア大学(NAIA))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。アンダー世代の大会では毎回代表入り。レイニーリバー・コミュニティカレッジで好成績を残し、ブレシア大学に編入。コンタクトヒッタータイプ。地元チームのランドバーグ・メッツと名前が同じNYメッツのファン。




ニコラス・イーグルス(3B,2B/ボサシグ・ナイツ(SABU))

'22年WBC予選、’19年アフリカ選手権南アフリカ代表。同予選ではメンバーに選ばれるも出場機会は無し。U-23W杯には2016年と2018年と2大会に出場。両大会ともセカンドでの出場が中心だが、地元ハウテン州のベスト三塁手に選出されている。




カイル・シュワルツ(3B,2B/ジャドソン大学(NAIA))Baseball-Reference

’24年U-23W杯南アフリカ代表。2024年所属大学での成績は打率.343/OPS.809と活躍。U-23W杯ではサードを中心にセカンド/ショートも守る器用さを持つ。クリーブランド・ガーディアンズのファン。




タイロン・ミルン(LF,C/ベルビル・タイガース(SABU))

'22年WBC予選南アフリカ代表。地元ではキャッチャーだが、国際大会では外野手での出場が多い。2016年にはドイツ3部の地域リーグでプレイした経験を持つ。’22年WBC予選ではスペイン戦、ドイツ戦とも出塁を記録。




ブランドン・ブイヨン(RF/べノイ・インディアンズ(SABU))

'12,'17年WBC予選、'19年東京五輪予選南アフリカ代表。ソフトボールとの二刀流で、2024年ソフトボールW杯ではショートで出場したり、色々と起用なユーティリティプレイヤー。野球の代表チームではショート適性の選手が多いため、外野/DH/代打起用の濃厚。




ジェイソン・ケアルス(RF/ボサシグ・ナイツ(SABU))

'22年WBC予選南アフリカ代表。同予選ではライトでスタメン出場。ヒットが出ず2試合とも途中で代打を送られる結果に。





ブランドン・エドマンズ(OF/ボクスブルグ・カーディナルス(SABU))

'22年WBC予選南アフリカ代表。同大会では出場機会なく大会を終えた。地元のチームではU15のアシスタントコーチを務めている。





タイロン・ブリックヒル(CF,RP/ボサシグ・ナイツ(SABU))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。U-23W杯ではセンターのレギュラーとして出場。コロンビア戦、台湾戦には投手としても出場したが、計3回7失点と投打とも貢献できなかった。ボルティモア・オリオールズのファン。




ジェイミー・ブルックス(RF/VOBマカウズ(SABU))

’24年U-23W杯南アフリカ代表。アンダー世代の南アフリカ代表ではライトのレギュラーを担っている。U-23W杯では6試合出場でヒット1本のみで大会を終えており、打撃はあまり期待できない。ヤンキースファン。





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