野球フランス代表 選手名鑑

| 国内組が中心  ”助っ人”探しで活路を

2022年開催のWBC予選ではいきなりの2連敗で早々に姿を消したフランス代表。しかも試合展開はワンサイドで将来に向け不安を残す内容であった。イギリス等のライバル国が海外組で補強された陣容と比べると、国内組比率の高かったフランス代表は下馬表的にも不利ではあったが、同じくほぼ国内組で構成されたチェコ代表に圧倒されたのは痛かった。チェコは国内の若手育成策が結果に結びついた形で、フランスも同国御用達のコチース・カレッジなどアメリカへの留学を後押しはしているものの、芽が出るまでは時間がかかりそうだ。第4回WBC予選で1勝を挙げたときは、現Fronteir Leagueに属するカナダの独立リーグ球団と縁のある選手が多かった。WBC予選通過に向け、同リーグのカナダ3球団との選手派遣や発掘で何とか活路を見出したい。

ケヴィン・カネロン(SP/モンペリエ・バラクーダ―ス(FRA))Baseball-Reference   FanGraphs

’22年WBC予選フランス代表。ベネズエラ出身のベテラン左腕。2018年に2A級まで昇格したが同オフにリリース。しかし与四球の少なさは非常に優秀だった。WBC予選ではイギリス戦に先発も3回4失点。仏国籍は持っていないがWBCには永住権で出場資格を得た模様。




クエンティン・ムーリン(SP/士別サムライブレイズ(HFL))

’22年WBC予選、’21,'23年欧州選手権フランス代表。WBC予選や欧州選手権ではリリーフ起用だったが、2024年北海道フロンティアリーグの士別では先発で10試合に登板。防御率は6.45と良くわかなったが貴重な経験を積んだ。




エステヴァン・プリオール(SP/ルーアン・ハスキーズ'76(FRA))

’16年,’22年WBC予選、'19,’21,'23年欧州選手権フランス代表。'23年の欧州選手権ではドイツ戦に先発。N・リンメルら元マイナ―組と互角に投げ合った。2024年Divison1ではフランス代表陣の中でもトップクラスのパフォーマンスを見せている。




マシス・ナイラル(SP/セナート・テンプライアーズ(FRA))

’21年欧州選手権フランス代表。2024年前半はコチース・カレッジ(NJCAA)で8試合に先発。防御率は5.20と良くなかったがBB/9は2.45と優秀だった。後半はフランスDivison1に戻り安定したパフォーマンスを披露。87マイル(≒140kmh)の速球とチェンジアップが武器。




マシアス・ラコンブ(RP/シカゴ・ホワイトソックス(Rk))Baseball-Reference

’22年WBC予選フランス代表。WBC予選ではイギリス戦に登板したが3安打を浴び苦い結果に。その後コチース・カレッジで結果を残した後、ホワイトソックスのドラフト指名を受けプロ入り。怪我に悩まされアメリカではプレイが中々出来ていない。




ロビン・クラーラ(RP/DSSキンヘイム(NED))Baseball-Reference

'19,’21,'23年欧州選手権フランス代表。フランス,モンペリエ出身。母親がオランダ人で3歳の時にオランダに移住。オランダ国内のDSSで長年リリーバーを務める。2024年は与四球や奪三振など少しずつ不調でキャリアワースト。




フランクリン・デラロサ(SP,RP/ラ・ロシェル・バッカニアーズ(FRA))

'19,’21,'23年欧州選手権フランス代表。セント・マーチン生まれ。2017年にフランス本土に渡りルーアンと契約。2018年の南アフリカの親善試合で代表デビュー。2019年にはイタリア・セリエA2でもプレイ。2024年Divison1では高い奪三振率K%をマークしている。




ニコラス・アントワーヌ(SP/士別サムライブレイズ(HFL))

’21,'23年欧州選手権フランス代表。アニメをきっかけに野球を始め現在は北海道フロンティアリーグで研鑽を積む先発右腕。2024年士別での成績は18登板で防御率7.45。被本塁打は少なかったものの、右打者に被打率.364と打たれまくった。




ベン・クーヴェール(RP/モンペリエ・バラクーダ―ス(FRA))

'23年欧州選手権フランス代表。'22年U-15W杯で最優秀投手に選ばれたプロスペクト左腕。欧州選手権ではクロアチア戦、スウェーデン戦に先発し、計11回投げて失点0の好投。この頃の4シームの球速がすでに87マイル(≒140kmh)。変化球はチェンジアップ、カーブなど。



ティボー・メルカディエ(SP/ルーアン・ハスキーズ'76(FRA))Baseball-Reference

'23年欧州選手権フランス代表。フランス生まれ。幼少期に米国クリーブランドで野球に出会い帰国後も野球を続ける。2024年にはフロンティアリーグのトライアウトを受け契約。4試合だけだったが貴重なプロレベルを経験。




ゲデン・コステ(SP/サヴィニー・シュル・オルジュ・ライオンズ(FRA))

’22年WBC予選、’21,'23年欧州選手権フランス代表。サヴィニー・シュル・オルジュで長年プレイする先発サウスポー。祖父は同クラブの幹部で、父や叔父も同クラブ出身でフランス代表という野球一家。WBC予選ではイギリス相手に打たれてしまったので雪辱を果たしたい。




ケニー・エスポジト(SP/スタッド・トゥールーザン(FRA))

'23年欧州選手権フランス代表。米国生まれのフランス育ち。欧州選手権ではチェコ戦,オランダ戦でモップアップ気味な起用で登板。オランダ戦では1回2/3で与四球3つと苦しい結果に。2024年前半はロスメダノ・スカレッジでプレイし先発リリーフ合わせて防御率3.79。




ネイサン・ラオット(SP/スタッド・トゥールーザン(FRA))

'23年欧州選手権フランス代表。アンダー世代のフランス代表に毎回選出されている同国のプロスペクト。’23年欧州選手権ではスウェーデン戦,ウクライナ戦に登板し合計5回2/3を無失点とチームに貢献。自身曰く強みは『精神力』。




ジョフランク・ロペス(SP,RP/モンティニー・ル・ブルトンヌ・クーガーズ(FRA))Baseball-Reference   FanGraphs

’22年WBC予選フランス代表。米国、ベネズエラ、イタリア、スペイン、フランスと5カ国でプレイしたワールドジャーニーマン。'22年のWBC予選では出場機会はなかった。2024年フランスDivison1では、ベテランながら先発リリーフの両面でリーグ上位の活躍を見せた。




ミゲル・ロペス(C,2B/士別サムライブレイズ(HFL))

'23年欧州選手権フランス代表。’22年WBC予選ではブルペンキャッチャーとして参加。2024年から北海道フロンティアリーグの士別でプレイ。外国人ながらほとんどの試合で捕手を務め、チームから信頼を得ている模様。内野としても起用されるなど日本での成長に期待。




イヴァン・アクーニャ(C,1B,3B/サヴィニー・シュル・オルジュ・ライオンズ(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選フランス代表。ベネズエラ生まれアメリカ育ち。’22年のWBC予選では4番キャッチャーのとして出場し、打率.600,OPS 2.150とチーム1の活躍を見せた。欧州選手権ではコーチとして参戦しているが、WBCではフランスの永住権による出場資格で参加可能に。




ファヴィアン・コヴァックス(C/モンペリエ・バラクーダ―ス(FRA))

’22年WBC予選、'23年欧州選手権フランス代表。WBC予選では出場機会はなかった。2024年フランスDivison1では好調な打撃を披露。自身のYoutubeチャンネルではフランス代表チームメートの画像を度々アップしている。両親はハンガリー出身。




ノーラン・ソリヴェレス(C/モンティニー・ル・ブルトンヌ・クーガーズ(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選、’21,'23年欧州選手権フランス代表。WBC予選では出場機会がなかった。2023年にはレーゲンスブルグ野球アカデミーでコーチも経験。




エルネスト・マルティネスJr.(1B/ミルウォーキー・ブルワーズ(2A))Baseball-Reference   FanGraphs

'16年WBC予選、'23年欧州選手権フランス代表。キューバ出身で身長198cm,体重113kgの大型内野手。’16年のWBC予選では父親のE・マルティネス・シニアと親子で代表入り。当時16歳でこの時は投手登録だった。2024年は2A級でプレイし打撃成績も良好。’24年プレミア12のキューバ代表にも名前が挙がっており動向や如何に?




ダニエル・パトリス(1B/レーゲンスブルク・レギオネーレ(GER))Baseball-Reference

’22年WBC予選、'19,’21,'23年欧州選手権フランス代表。'22年WBC予選ではファーストのレギュラーとして出場し打率.375/OPS.875と活躍。2022年までフランスとドイツのチームを行き来し移籍を繰り返したが、2023年は強豪レーゲンスブルクにステップアップ。




ドリアン・ブニオール(2B,3B/セナート・テンプライアーズ(FRA))

'23年欧州選手権フランス代表。2023、2024年とフランスDivison1の2年連続でオールスターゲームにも選出されている若手有望株。まだ打撃は目立った成績を残せていないが、バント技術の評価が高い。




アリエル・ソリアーノ(3B/スタッド・トゥールーザン(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選フランス代表。ドミニカ共和国出身のベテラン選手。2018年にフランスに渡りラ・ロシェルに加入。WBC予選ではDHとサードで先発出場も攻撃で活躍できず。2024年はトゥールーザンでプレイ。打撃成績で上位にランクし健在っぷりを示した。




マシス・ミュラン(SS/コチース・カレッジ(NJCAA))Baseball-Reference

'23年U23欧州選手権フランス代表。双子の兄弟タンギー・ミュランもフランス代表の投手で同じ大学でプレイ。コチース・カレッジでは非常に優秀な打撃成績をマークしており、更になるステップアップを期待したい選手。




ホゼ・パウラ(LF,RP/メッツ・コメッツ(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選、'19,’21年欧州選手権フランス代表。フランス海外県でカリブ海のマルティニーク島出身の二刀流選手。’22年のWBC予選では投手として出場し1回無失点。2023年イタリアでも二刀流でプレイしたが、投手成績より打者成績の方が良い傾向。




レオ・ジミニャン(CF/サヴィニー・シュル・オルジュ・ライオンズ(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選、’21,'23年欧州選手権フランス代表。4歳から野球を始めアンダー世代代表に選ばれてきた有望株。米国クラレンドン・カレッジで卒業後、サヴィニー・シュル・オルジュでプレイ。打撃成績上位にランクする活躍を見せている。




パオロ・ブロッシャー(CF/モンペリエ・バラクーダ―ス(FRA))Baseball-Reference

’22年WBC予選、’21,'23年欧州選手権フランス代表。アメリカの大学(NAIA)でプレイした後、現在はモンペリエ・バラクーダ―スに戻りプレイを続ける。22年のWBC予選の際はL・ジミニャンにセンターを譲り、自身はレフトや控えに回った。




マエル・ザン(RF,LF/キャンベルズビル大学(NAIA))Baseball-Reference

’22年WBC予選、'19,'23年欧州選手権フランス代表。Divison1から2016年アメリカに渡り、クラレンドン・カレッジ、フロンティア・カレッジ(共にNJCAA)、キャンベルズビル大学(NAIA)と大学野球をジャーニー。WBC予選ではライトで出場しノーヒットで大会を終えた。




アレン・ハンソン(2B,CF/コンスピラドレス・デ・ケレタロ(MEX))Baseball-Reference   FanGraphs   Baseball-Savant

メジャー歴4年。2023年に北海道日本ハムファイターズでプレイ。ドミニカ共和国出身だが母親がフランス国籍のためWBCではフランス代表の出場資格有り。中止された2020年WBC予選ではフランス代表に選出された。走塁のスキルはMLB,NPBでも平均以上。




ジェクソン・ルイーズ(SS,2B,LF/メッツ・コメッツ(FRA))Baseball-Reference   FanGraphs

’22年WBC予選フランス代表、2015年にメッツ傘下をリリースされた後は、プレミア12やパンアメリカン競技大会でドミニカ共和国代表として出場した経験あり。その後、2018年からフランスでプレイ。Divison1ではショート起用で固定され、打撃成績もリーグトップ級。




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