今回からプレミア12出場チームの特集/戦力分析をしていきたいと思います。第1回は10/31(木)と11/1(金)に侍ジャパンと対戦するカナダ代表の戦力分析です。
【チーム状況】
今年ペルー/リマで開催されたパンアメリカ大会では、決勝でプエルトリコに敗れたものの準優勝。相変わらずメジャーリーガーが出場しないWBC以外では、実力者っぷりを示すカナダ。今回はそのパンアメリカン大会に出場したメンバーを土台に、何人かマイナーリーガーを加えた陣容で臨んでいます。カナダ代表からすると、もしプレミア12で出場権が獲得できないと、強豪が揃うアメリカ予選に回ってしまいます。むしろ彼らからすれば、プレミア12の方がチャンスが多いと考えているのではないかと思います。オープニングラウンドのグループAでは、アメリカやドミニカ共和国、メキシコといったアメリカ大陸の強豪が潰し合いをしてくれる。また、グループBでは同じアメリカ大陸のベネズエラ、プエルトリコが、優勝候補の日本と同組になったため、少なくとも1組は脱落が予想される。一方でグループCのカナダは、韓国、キューバ、オーストラリアと同組で、割と組合せに恵まれた感じがあり、1次ラウンドは他のアメリカ大陸の国よりもハードルが低い状況です。特にキューバ代表に対しては、パンアメリカン大会でユリスベル・グラシアルやイバン・モイネロ(共に福岡ソフトバンク)などNPB組も召集した本気のキューバ代表を普通に破っています。こう考えると、カナダ代表の視点で見れば、東京五輪の本戦出場のチャンスが一番高いのが今回のプレミア12と見ているのではないでしょうか。
【戦力/チーム編成】
(相変わらずというか)カナダ代表は昔から野手に比べて投手の人材が薄い印象があります。彼らが投手戦をするイメージは無く『打ち勝つ野球』で勝っている印象です。(因みに先ほど触れたキューバ代表との試合も8-6というスコアで勝っています。)
カナダ人選手で多いのは、ファーストかレフト/ライトのポジションの選手が多いです。過去の有名カナダ人メジャーリーガーを挙げてみても、ジェイソン・ベイ、ジャスティン・モルノー、ジョーイ・ボットなど、ファーストか外野の選手は多く輩出していますが、一方でセカンドやショートの人材があまり多くありません。なので、外野には3Aや2A、メジャー経験者などがいる一方で、内野は一線を退いたベテランや引退した選手が守っているケースも珍しくありません。
今回のメンバーでは、4年のメジャー経験のあるダルトン・ポンペイ(CF/トロント・ブルージェイズ3A)、その弟トリスタン・ポンペイ(LF/トロント・ブルージェイズ1A+)、ナイジェリア生まれのデミ・オリモロエ(RF/トロント・ブルージェイズ1A+)の3人に注目しています。3人とも地元トロント・ブルージェイズの傘下でプレイしており、これまでのパワーヒッター系のカナダ代表とはちょっと違った戦い方が出来るのではないかと勝手に期待しています。投手では今季読売ジャイアンツを引退したスコット・マシソン(RP/無所属)や元日本ハムのダスティン・モルケン(RP/ケベック・キャピタルズ(独立リーグ))がいますが、彼らベテランリリーバ―までどのようにつなげるかが課題です。先発1番手になりそうなのはチームで数少ない左腕ロブ・ザストリズニー(SP/LAドジャース3A)、2番手は韓国で活躍するブロック・ダイクソーン(SP/ロッテ・ジャイアンツ)になりそうですが、二人とも速球派ではなく、強打の韓国やキューバ打線をどう抑えるかが鍵となりそうです。特に、フライボールピッチャーのダイクゾーンは相手打者との相性などが気になります。(そのためにも足の速い外野手を3人置いた方がいいのかなぁ、なんて考えながら妄想しておりました。)
【展望】
1次ラウンドは、カナダ、韓国、キューバの3つ巴となりそうですが、カナダがやや有利といったところでしょう。問題は2次ラウンドです。1次ラウンドよりも明らかに強い相手になりますので、苦戦は必至。そんな中で何とか、アメリカやドミニカ共和国辺りがコケてくれれば、漁夫の利でオリンピック本戦獲得・・・、なんて道も見えてくるのではないでしょうか。
【参考:今季成績】
以上
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