前回投手編①に続き、今回は打者編です。戦力格差の大きいオランダ国内リーグ。2強であるアムステルダムやネプチューンズ所属の打者は、自軍の投手陣とは対戦する機会はない訳ですから、当然打撃成績は良くなります。更に、HCAWの投手も2強と同じくらい強力なので、HCAW所属の打者も同球団の先発3本柱とは対戦せずに済みます。この点を考慮してオランダ国内リーグ『フーフトクラッセ』の打者たちを出来るだけ公平に評価していきたいと思います。
打者評価の定番 wOBA/ wRAA
wOBA(=Weighted On-Base Average)は打者の攻撃力を示すセイバー系指標で、ヒットや四球などの打撃結果から『1打席あたりにどれだけチームの得点増加に貢献したか』を表しています。計算式が複雑なので詳細はこちらのwikipediaを参照ください。さらにwOBAを応用して、『平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点』を表すのがwRAA(=Weighted Runs Above Average)です。
wRAA = (wOBA ー リーグ平均 wOBA) ÷ 1.2 ✕(打数+四死球+犠飛)
早速ですが、このwRAAランキングがどうなっているか見ていきましょう。
見ての通り、見事なアムステルダムとネプチューンズの寡占状態となりました。個人的には推しメンであるデンゼル・リチャードソン(RF/アムステルダム)が首位を獲得出来たことは嬉ばしい限りなのですが、両チーム以外がランクインしてくるのはビクター・ドライヤー(DH/HCAW)の7位からになります。
補正wRAAランキング
さて、wOBA/wRAAはその打者の打撃結果から算出される指標ですから、出塁が多ければ値は良くなります。ただ、対戦する投手が強ければ強いほど出塁がし難くなりますので、下位球団になるほど厳しい相手との対戦が増えていきます。これは戦力差の大きいフーフトクラッセでは補正しなければならない点です。そこで、まずは自球団以外の投手と対戦した場合の平均wOBAを見ていきましょう。リーグ平均wOBAは.324ですが、例えばリーグで1番防御率の良いアムステルダムの投手陣を相手にしない場合は、wOBAは.361まで1打席当たりの得点貢献度はアップします。
リーグ平均wOBA .324
NEP .384
AMS .361
HCA .343
TWI .324
DKI .307
PIO .297
STO .293
QUI .269
これらをwRAAの計算式にある”リーグ平均 wOBA”の部分と置き換えることで、所属球団の投手陣と対戦しない場合の得点貢献度としてwRAAを補正することが出来ます。補正後のwRAAの結果は以下の通りです。
上位5位までに変更は無しでしたが、補正前のwRAAでは8位だったレイシェロン・カロリナ(CF/オーステルハウト・ツインズ)が6位にランクアップしました。これはネプチューンズ,アムステルダム,HCAW所属の打者は補正によってポイントを落としたのに対して、ツインズ所属のカロリナ選手はポイントを微増させたためです。本音を言うと、もう少し補正によって順位に変化があって欲しかったのですが、アムステルダムやネプチューンズの打者は対戦相手の影響を差し引いても高い得点貢献度をマークしているということが分かりました。とりわけD・リチャードソンのそれは2位以下を大差で引き離しており圧倒的と言えます。個人的にはアメリカかアジアのプロリーグにステップアップしてもらいたい所です。
次回は守備編を特集したいと思います。
~以上~
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