マーカス・ストローマン(SP/シカゴ・カブス)
'17年のWBCの大会MVPで最優秀選手が、チームをアメリカから母親の母国プエルトリコに変更。しかも彼が登板した決勝戦の対戦相手がプエルトリコ。典型的なグラウンドボールピッチャーだが、コロナ後の2021年シーズンからシンカーの割合を減らし、代わりに球速のあがったチェンジアップを増やしている。
ホセ・ベリオス(SP/トロント・ブルージェイズ)
オールスター2回選手。機械と呼ばれる制球力を持つ。’22年シーズンは奪三振率K/9、被本塁打率HR/9などが悪化。J・バイエズとべリオスの奥さんが姉妹でバイエズは義兄弟。
ホセ・デレオン(SP/ミネソタ・ツインズ(3A))
前回'17年WBCプエルトリコ代表。メジャーでは5年のプレイ経験がある。85マイル前後のチェンジアップは定評があるが、'21年のPitch Valueは-7.0とうまく機能せず。'22年は3Aでプレイも10イニングのみだったが、母国のWLでは11試合で防御率1.51と復調。
ドミニック・ハメル(SP/ニューヨーク・メッツ(1A+))
メッツの上位プロスペクト。父親がイタリア系だったためイタリア代表からも声がかかっていたが、ドラフト前に亡くなったハメルの母親のためにプエルトリコ代表を選択。プロスペクトとしては、20-80スケールのFVは40とそこまで期待は高くないが、今大会イスラエル戦での先発が予想されており、大会を通じての躍進なるか?
ヘクター・サンティアゴ(SP/モンクローバ・スティーラーズ(MEX))
'17年WBCプエルトリコ代表。メジャー歴10年の大ベテラン。’14年には日米野球で来日経験あり。'19年以降マイナー暮らしが続いた後、’21年にメジャー復帰するが、禁止薬物の陽性反応で80試合の出場停止処分に。球種は豊富だが、主に速球とチェンジアップ。
エドウィン・ディアズ(CL/ニューヨーク・メッツ)
2018年セーブ王。All-MLB Teamのファーストチームのリリーバー。100マイル近い4シームとスライダーが武器だが、'22年シーズンにスライダーの割合を大きく増やしたのが奏功している。メッツでの登場曲「Narco」はシティ・フィールドの名物だが、WBCで鳴り響く瞬間がきたら、それはプエルトリコ代表の勝利が近いことを意味する。
アレクシス・ディアズ(CL/シンシナティ・レッズ)
エドウィン・ディアズの2歳下の弟。4シームとスライダーが武器。兄貴と持ち球が同じでタイプが似ているだけに、エドウィンがクローザーだとすると、アレクシスをセットアッパーにするのか、ダブルクローザーとするのか?嬉しく且つ悩ましい課題に。
ジョバニ・モラン(SU/ミネソタ・ツインズ)
’21年にメジャーデビューの左腕。チェンジアップの評価が高く20-80スケールで現状で70という高い評価を得ている。'22年シーズンのスタッツも非常によく、勝ちパターンとして起用したい。カルロス・ベルトラン・ベースボールアカデミー出身。
ホルヘ・ロペス(RP/ミネソタ・ツインズ)
前回'17年WBCプエルトリコ代表。グラウンドボールピッチャー。'21年までは先発で起用されていたが成績が悪く、’22年にリリーフで開花。
エミリオ・パガン(RP/ミネソタ・ツインズ)
前回'17年WBCプエルトリコ代表。第1回プレミア12でもプエルトリコ代表として出場している。昨季はクローザー候補としてツインズからトレードされたが、一発病のため防御率/FIPともに4点台。三振が取れる投手なので、使いどころを工夫したい。
デュアン・アンダーウッドJr.(RP/ピッツバーグ・パイレーツ)
メジャー歴5年。昨年は51試合に登板し防御率は4点台だったが、被本塁打が少なかったため、FIPは防御率より1点以上良かった。球種はカッター系/シンカー系のストレート、チェンジアップ、カーブ。
デレック・ロドリゲス(RP/ミネソタ・ツインズ(3A))
殿堂入りの名捕手イバン・ロドリゲスの息子。メジャー歴4年で18-19年あたりは先発で活躍も、最近はリリーフでの登板が中心。'22年シーズンは主に3Aでプレイ。
フェルナンド・クルーズ(RP/シンシナティ・レッズ)
32歳にしてメジャーデビューを果たした遅咲き。マイナー時代には内野手としてプレイしていたが、2011年に投手に転向。2018年には、中米カリブ競技大会にもプエルトリコ代表として出場。変化球はスライダーとスプリット。特にスライダーの割合は45%だが、Pitch Valueとしてはスプリットの方が高い。
ヤックセル・リオス(RP/アトランタ・ブレーブス(3A))
メジャー歴5年。昨年は3Aでプレイ。ストレートの球速は96-97マイル。他にスライダーとスプリットを投げる。昨年8月にホワイトソックスをリリースされたが、今年になってブレーブスとマイナー契約。
ニコラス・パディーヤ(RP/シカゴ・ホワイトソックス)
昨年1試合のみだがメジャーデビュー。アメリカ出身。
アンソニー・マルドナード(RP/マイアミ・マーリンズ(3A))
3A-2Aクラスで高い奪三振率を誇るリリーバー。プロスペクトではないが、3Aでのスタッツを見ると、与四球や被本塁打が多くなく期待できそうな雰囲気。まだメジャーデビューはしていない。
クリスチャン・バスケス(C/ヒューストン・アストロズ)
'22年シーズン途中にボストンからヒューストンに移籍。'22年シーズン所属チームで同僚だったマルドナードとは、代表チームでも正捕手の座を争うことになる。昨季は打撃好調で、古巣のレッドソックスでは、彼の移籍がチーム低迷の原因として挙げられるほど。打撃はマルドナードとの正捕手争いにおいてもアドバンテージに。若い時期の2011年に、Premier12の前身である野球W杯に出場したことがある。
マーティン・マルドナード(C/ヒューストン・アストロズ)
'13年WBCプエルトリコ代表。同僚のバスケスと正捕手の座を争うが、打撃が得意では無いのがネック。ただし、これまでWBCプエルトリコ代表ではヤディア―・モリーナが守備面で圧倒的な存在感を示してきており、フレーミングや盗塁阻止が評価されるとマルドナードがメインで起用される可能性も全然ある。
MJ・メレンデス(C・LF・RF/カンザスティ・ロイヤルズ)
'22年シーズンからカンザスシティからメジャーデビュー。所属チームでは捕手としての出場試合数が最も多いが、身体能力が高く両外野での出場回数も多い。”捕手王国”プエルトリコでは、外野での出場機会がメインとなりそう。
ネフタリ・ソト(1B/横浜DeNAベイスターズ(JPN))
ご存じ、2018、2019年のセ・リーグ本塁打王。2020年以降は成績が下がっていたが、2022年は本塁打は少なくなったものの、四球率が改善。また守備では、一塁手でDRSトップの+7.3をマーク。ゴールデングラブ賞を狙っていただけに、受賞を逃したことに不満爆発。WBCでは是非スタメンとして出場する姿を見てみたい。
ハビア―・バイエズ(2B・3B・SS/デトロイト・タイガーズ)
彼に関してはこちらの動画を見てもらえれば他のコメントは読み飛ばしてもらって良い。オールスター選出2回で、前回WBC'17大会の最優秀二塁手。'22年シーズンはSSを守っているが、過去2B・3Bも守っておりユーティリティ的な起用も可能。打撃はシーズンによって波はあるものの、存在感のあるプレイを見せる彼はチームの中心人物。
エドウィン・ディアズ(2B・SS/ボストン・レッドソックス(3A))
”じゃない方の”エドウィン・ディアズ。プエルトリコ代表の中に同姓同名がいるとはややこしい。今季はレッドソックスとマイナー契約を結んだ。
エマヌエル・リベラ(3B/アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
2021年に自身の誕生日前日にメジャーデビューも、翌日の誕生日に試合で骨折し、その後すぐにDL入りした男。昨季はロイヤルズとダイヤモンドバックスで計102試合に出場。サードで出場機会を得た。
ビマエル・マシン(3B/フィラデルフィア・フィリーズ(3A))
メジャーリーガーを多く輩出しているプエルトリコ・ベースボール・アカデミー出身。2020年にメジャーデビュー後、昨季は最多の73試合に出場。メジャーではまだ結果が出ていないが、3Aでは毎年3割前後の打率をマークしていて、アベレージヒッターとしての成長に期待。
フランシスコ・リンド―ア(SS/ニューヨーク・メッツ)
オールスター選出4回、前回WBC'17大会の最優秀遊撃手。ここ2年DRS/UZRの守備指標は下降気味だが、打撃に関しては不振だった'21年シーズンから復調。尚、マイナー時代の2014年には中央アメリカ・カリブ海競技大会にもプエルトリコ代表として参加していたようで、こういうラテン系の国際大会に出てくるプロスペクトには後々メジャーリーガーで普通に活躍している選手がいるので、もっと取り上げてもらえると面白いのだが・・・。
エディ・ロサリオ(LF・RF/アトランタ・ブレーブス)
’13年と'17年のWBC準優勝を2回経験している外野手。特に'22年シーズンは打撃が低調で、LF・RFとも守備指標も元々あまり良くない。前回の代表チームではRFでレギュラーだったが、今大会は果たしてどの程度起用されるか…。
ネルソン・ベラスケス(CF・RF/シカゴ・カブス)
'21 年のアリゾナフォールリーグでMVPを獲得し、その勢いのまま昨年5月にメジャーデビュー。77試合に出場。三振が多く率を残すタイプではなさそうだが、今後パワーが備わってくることに期待。メジャーでの守備は、センターやライトでのDRSがマイナスだったが、3A/2AでのRRF守備得点はセンターで+9とまずまずなレベル。
ジョネスウィー・ファーガス(CF・RF/FA)
肩の負傷を受け不参加となったホゼ・ミランダの代替招集。打撃での貢献はあまり期待できなさそうだが、スピードがあり3A/2Aでは盗塁28個に対して失敗2つと高い成功率。代走、守備固めなど、控えでの起用が濃厚。
ヘンリー・ラモス(RF・CF/シンシナティ・レッズ(3A))
韓国でもプレイ。弟のエリオット・ラモスはサンフランシスコ・ジャイアンツで昨年デビューした全体19番目のドラフト1巡目選手の5ツールプレイヤー。しかもポジションは同じRF…弟の方が見たかったって?
エンリケ・”キケ”・ヘルナンデス(UT/ボストン・レッドソックス)
MLBで捕手以外のポジションを全て経験している代表的なユーティリティプレイヤー。(投手も経験済)今のチームではCFでの起用が多く、プエルトリコ代表の内野陣は非常に充実しているので、WBCでは外野での起用がメインとなりそう。'18年の日米野球でも来日。
【監督】
ヤディア―・モリーナ
{国際試合経験}(選手として)'06,'09,'13,'17 WBCプエルトリコ代表、(指導者として)
{指導歴}U-23W杯 プエルトリコ代表監督
・ベンチコーチ Alex Cintron
・打撃コーチ Victor Rodríguez
・投手コーチ Ricky Bones
・一塁コーチ José Molina
・三塁コーチ Luis Rivera
・ブルペンコーチ Jose Rosado
【GM】
ジョーイ・ソラー
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