日米選手獲得ルート比較、第3回目は広島カープとヒューストン・アストロズです。両球団とも過去は苦しい時期がありましたが、近年戦力が非常に充実しているチームです。その現戦力がどう補強されたか比較してみたいと思います。
ドラフトで獲って育成するカープ
広島カープの現有戦力はほとんどがドラフトで獲得したものです。更に外国人選手においても、ドミニカにあるカープアカデミー出身者は、アメリカから獲ってくる外国人選手よりも年俸が大幅に少ないです。例えば、カープアカデミー出身のA・メヒアの年俸は、昨季410万円→今季1,200万円。おなじくカープアカデミー出身のX・バティスタは昨季520万円→今季2,200万円。外国人選手の相場はだいたい数千万円から、高い選手は1億円近いものである一方で、アカデミー出身の彼らは数百万円からスタートして現状でも1~2千万にしかなりません。この年俸推移はむしろ日本人選手に近い内容です。
黒田選手や新井貴選手のような球団にとってのレジェンドクラスは例外として、基本線として国内FAなど高額な手段では選手を獲得しない傾向があります。
アストロズはドラフトと再生工場の2本立て
メジャーの昨季王者ヒューストン・アストロズを見てみます。アストロズの特徴として、①ドラフト上位選手の育成、と②成績が落ちてきた選手の復活 の2点にありそうです。①生え抜き組には、カルロス・コレア(SS/プエルトリコ代表)、ホゼ・アルチューベ(2B/ベネズエラ代表)、 ジョージ・スプリンガー(OF)、アレックス・ブレグマン(3B/アメリカ代表)・・・など、何人ものドラフト1位が順調に戦力になっています。
また、②復活組の代表格は、コリン・マクヒュー(RP)投手でしょう。アストロズ加入前のマクヒューのメジャー通算成績は、0勝8敗の防御率8.94と、かなり悪いものでした。前所属のコロラド・ロッキーズからウェーバー公示に出される(戦力外に近い)形になったことは、それまでの成績から見れば当然の内容でした。しかし、アストロズはカーブの回転数に着目し、ロッキーズからマクヒューを獲得。アストロズからマクヒューに配球に関して指導した結果、11勝を挙げ見事復活を果たしました。マクヒュー以外にも、若干成績が落ちつつあったサイヤング投手ジャスティン・バーランダー投手も、昨季アストロズ加入後は、5勝0敗の防御率1.06と良い成績をマークしました。
アストロズは今流行りのフライボール革命の発信源でもあり、選手にはデータに基づく指導が徹底されたようです。その結果、弱小球団から優勝を狙えるまでに成長することが出来た訳です。バーランダー投手はトレードでの獲得でしたが、他球団が見ていないような長所に注目し復活させる手法は、球団独自のデータベースの賜物なのだと思います。
どちらも課題は戦力を維持できるか
両球団とも現在の戦力は非常に充実しています。課題は数年後。主力選手がFA権を取得する、または契約が切れた時点で彼らをチームに留まらせることが出来るか?(orするか?)です。特にヒューストンの場合はビックマーケットでは無いため、年俸が上がった際にビックマーケットの球団との獲得合戦を戦えるのかどうかが焦点になります。広島の場合も、田中・菊池・丸の主力3選手辺りがFA権を取得した時に、興味を示す球団はたくさんいるでしょうから、一連の対応には非常に注目が集まります。
以上、今回も当サイトをご覧いただきありがとうございます。
次回はホークスとドジャースの比較です。
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