日米の選手獲得ルートを比較(福岡SBホークス対LAドジャース編)

 日米選手獲得ルート比較、最終回は福岡ソフトバンクホークスとロサンゼルス・ドジャースです。それぞれプロ野球とMLBの年俸トップの球団ですが、選手獲得のアプローチに大きな違いがあります。


海外選手の獲得に積極的なドジャース

 古くは野茂投手に代表されるように、ドジャースは中南米やアジアなど海外からの選手獲得に積極的に動いています。現在は、前田健太(SP/元日本代表)、柳賢振(SP/元韓国代表)、フリオ・ウリアス(メキシコ出身)などが在籍しています。チームの総年俸は高いもののうまく総年俸を抑えている節があり、前田投手の年俸300万ドル(≒3.3億円)は破格なバーゲン価格と言えます。世界No.1投手のC・カーショウ選手の年俸が33億円なので、彼の存在が球団の年俸総額を押し上げているのでしょう。ビッグマーケットの球団であることは間違いないですが、ヤンキースのような分かり易く“目立つ”補強という印象はありません。


育成しても放出はしないソフトバンク

 他を圧倒する資金力を持つ福岡ソフトバンクホークス。しかし、開幕ロースターの中で、お金をかけて獲得した選手という視点でいうと、国内FAで獲得した選手は、内川(1B/横浜→ソフトバンク)、中田(SP/中日→ソフトバンク)の2名。外国人選手では、ロッテからデスパイネ(DH/キューバ代表)、埼玉西武からサファテになります。それ以外は、主力の多くが生え抜きです。

 ソフトバンクのファーム組織は、多く育成選手を抱えて3軍まで構成していて層が厚いです。現有戦力に余力があるため、ドラフトでは即戦力よりも素材型選手を獲得しています。2軍3軍のファ―ムで成長することで常に新たな戦力を生む好循環が生まれています。一般的に育成重視の球団は、ドラフトで獲得した選手がFA権を取得すると他球団に引き抜かれてしまうものですが、それを思い止まらせるだけの資金力や充実した野球環境がホークスにはあります。1軍控え選手の中には、他球団に移籍すればレギュラーを獲得できるだろうに・・・、という声はよく聞きます。

 お金をかけた選手補強もそれなりにやっているのですが、ドラフトで獲得した選手の年俸の上がり方も半端ないです。ソフトバンクが1億円以上の年俸を貰っている選手が多いのは、“育てて売らない”、という羨ましい編成を体現した結果といえます。


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