サッカーではない“野球のコロンビア代表”の実力は?

 前回「アメリカ代表のベストメンバーがプロ野球に参加したら?」という特集をしましたが、今回はマニアックな所で、野球のコロンビア代表です。日本の注目がサッカーW杯に集まる中で、ちょっとそこに便乗させてもらった形ですが、実は今の野球コロンビア代表は成長している中堅国です。初参戦となった第4回WBCでは、優勝したアメリカ代表や前回王者のドミニカ共和国代表に、どちらも延長戦に持ち込む接戦を演じました。カナダ代表には勝利し、Cグループ3位で次回2021年WBC大会への出場権も得ました。


コロンビア代表のフルメンバーとは?

 コロンビア代表はメジャーでローテーションを担う、ホセ・キンターナ(シカゴ・カブス)とフリオ・テヘラン(アトランタ・ブレーブス)の強力な2枚看板を擁していて、中堅国にとってこれが非常に大きなアドバンテージとなっています。

 強豪国でない代表チームがWBC1次ラウンドに臨んだ場合、もしメジャークラスの先発投手が1枚だけ持っていたら、その投手をどの対戦相手に当てるか非常に大きな決断が迫られます。もし対戦相手3か国の中で一番弱いチームに当てると、1勝できる可能性が高くなります。1勝することは1次ラウンド3位となり次回大会への出場権が得られますが、3位なので2次ラウンドには進めません。

 逆に、そこで失敗したのが第3回WBCで日本とも対戦したブラジル代表です。メジャー経験間近だったA・リエンゾ投手(元シカゴ・ホワイトソックス)をキューバ戦に当てた結果、敗戦。更に戦力的には勝てるはずの中国代表に敗北し、第4回WBCへの出場権を得られませんでした。

 メジャーのローテーションピッチャーを2枚擁するコロンビア代表は、エースのJ・キンターナを戦力の劣るカナダ代表に投げさせ確実に1勝を勝ち取り、もう1枚のJ・テヘランをアメリカ代表に当てることで2次ラウンド進出の可能性まで生み出しました。

 当サイトで独自に選出したメンバーを見ると、スタメンこそメジャー~3Aクラスが中心ですが、控えはマイナーでも1Aクラスがほとんどのため、上手く継投しないと終盤に畳みかけられるリスクがあります。

 一方攻撃の方ですが、こちらもスタメンは3Aクラスの選手はいますが、長打のある打者が少ない印象です。キャッチャーのホルヘ・アルファロ(フィラデルフィア・フィリーズ)は大砲タイプですが、他はやや小粒な印象です。控えは1Aクラスですし、更に小粒な感があります。


コロンビア代表がプロ野球に参戦したら?

 前回のアメリカ代表と同じロジックを使い、コロンビア代表がプロ野球に参戦したらどうなるか試算してみました。まずは投手ですが、これも前回同様FIPを計算し、プロ野球の平均と比較してみました。

 やはりメジャーの2枚看板は流石ですが、それ以外はプロ野球の平均値以下のFIP値となりました。控えのFIPが6点台ですから、プロ野球の1軍でプレイするには厳しいレベルです。

 次に打撃です。こちらも前回同様OPSで見ていきます。

 全体的にプロ野球の平均レベルから1段落ちるような結果となりました。主砲のJ・アルファロですが、キャッチャーとしてはプロ野球平均を上回っているものの、OPS.664では主軸として相手の脅威にはなりません。これはアルファロ捕手の三振率の高さが影響しており、変化球の多いプロ野球には相性が悪いだろうという予測結果が反映されています。


コロンビア代表はプロ野球で何勝するか?

 結果は以下の通りです。

 打撃は476得点で、これはプロ野球では最下位レベルです。ひどいのは失点で885失点は、リーグ最下位のチームでもこれよりはマシな結果となります。ここは投手層の底上げが一番の課題と言えます。

 1シーズンという長丁場を戦うのは、コロンビアの投手陣では持ちませんが、キンターナとテヘランの2枚看板を擁する野球コロンビア代表は、どんな強豪国とも渡りあえる実力を持ったダークホースと言えるでしょう。


以上、今回も当サイトをご覧いただきありがとうございます。



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