|先発投手陣の再構築が課題
’23WBCでは同国史上最高のベスト4進出という快挙を成し遂げたメキシコ代表。過去のWBCでも何人ものメジャーリーガーを揃えてはいたが、前回大会では比較的手薄だった野手を大幅に強化。更に強力な先発投手を揃えたことでアメリカやプエルトリコなど強豪を打ち破った。しかし、大会後にエースのフリオ・ユリアス(前ドジャース)がDV容疑で逮捕。他の先発投手陣も年齢を重ねてきており、若手の台頭が求められる。一方野手の方は、次回大会でも引き続き主力として活躍できそうな選手は多いが、少しずつ世代交代をかけていきたい。
パトリック・サンドバル(SP/ロサンゼルス・エンゼルス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。’23WBCではアメリカ戦と日本戦に先発する大役を任されたが、計7回1/3を1失点に抑える大活躍。ALL WBCチームにも選出された。2022年にスライダーの割合を大幅に増やし、HR/FB率を大幅に改善。2023年は三振が獲れず成績が悪化。復活を期待したい。
ハビエル・アサド(SP/シカゴ・カブス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。'23WBCではアメリカ戦とプエルトリコ戦に登板。強豪相手に計5回2/3を無失点と完璧な内容で抑えた。持ち球は6球種と多彩だが、その中でも3割を占めるシンカーが武器。
ホセ・ウルキディ(SP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。'23WBCではカナダ戦(先発)、日本戦に登板。日本戦では二度の満塁のピンチを切り抜けたが、後続が打たれ1失点。4シーム以外に、チェンジアップ、スウィーパー、カーブなどを投げる。2023年は怪我に悩まされ、2024年もシーズン初めからIL入り。
タイワン・ウォーカー(SP/フィラデルフィア・フィリーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。母親がメキシコ人と白人のハーフでメキシコ代表の資格を持つ。2013年メジャーデビュー。’23WBCではイギリス戦に先発し4回無失点に抑える活躍。球種が多く近年はスプリッターの割合を大きく増やしている。
ジョジョ・ロメロ(RP/セントルイス・カーディナルス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。2020年にカーディナルスでメジャーデビュー。'23WBCでは4試合に登板。準決勝の日本戦では吉田正尚に同点3ランを浴びた。球種はシンカーを軸に、4シーム、チェンジアップ、スライダーの4球種を投げる。GB/FBが2以上のグラウンドボーラー。
アンドレス・ムニョス(RP/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メジャー屈指のスライダーを投げるマリナーズのクローザー。シンカーは100マイル(≒160kmh)近い球速を誇るが、TJ手術後に球団からの助言でスライダーの割合を大幅に増加。それが奏功し、2022年,2023年と2年連続で防御率2点台をマーク。
ロベルト・オスーナ(RP/福岡ソフトバンクホークス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17WBCメキシコ代表。2019年のMLB最多セーブ王。メキシカンリーグを経て2022年に千葉ロッテが獲得。2023年の福岡ソフトバンクに移籍し、2年連続防御率0点台という驚異的な成績を記録した。23年オフにはNPB史上最高年棒である4年40億円で契約。
ビクター・ゴンザレス(RP/ニューヨーク・ヤンキース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2020年にメジャーデビュー。ドジャースでプレイしていたが2024年ヤンキースに移籍。それまでシンカー、スライダーの2球種だったが、移籍後はRun Valueが良好だったチェンジアップの割合を大きく増やした。
ブレナン・ベルナンディーノ(RP/ボストン・レッドソックス(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’15、'19プレミア12メキシコ代表のレフティ。独立リーグAmerican Associationやメキシカンリーグなどを経て、2022年に30歳にして遅咲きのメジャーデビュー。持ち球はシンカー、カーブに加え、2024年からカッターもレパートリーに加えた。被ハードヒット率が低いのが強み。
ジオバニー・ガイエゴス(RP/ミネソタ・ツインズ(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’17、'23WBCメキシコ代表。メジャー300試合以上の経験を持つベテランリリーバー。'23WBC準決勝で村上宗隆から逆転サヨナラ2ベースを打たれた投手。メジャーでは与四球が少なく奪三振も多く優秀。但しフライボーラーなので被本塁打が多いと防御率は悪化しがち。
ダニエル・ドゥアルテ(RP/ミネソタ・ツインズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'21年東京五輪メキシコ代表。翌2022年にメジャーデビュー。2023年には31試合に登板した。オフには毎年のようにメキシコWLでプレイし、カリビアンシリーズにも何度も参加している。96マイル(≒154kmh)の速球に、カッター,スライダー,チェンジアップと多彩な変化球を持つ。
マニュエル・ロドリゲス(RP/タンパベイ・レイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メキシカンリーグで3年プレイした後渡米し、2021年にメジャーデビュー。97マイル(≒156kmh)前後のシンカーとスライダーが武器。3A級では高い奪三振率とゴロ率をマークしているが、メジャーでは壁に阻まれている。
エイドリアン・マルティネス(RP/オークランド・アスレチックス(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。'23WBCではカナダ戦に第2先発的にロングリリーフ。2回1/3を無失点に抑えた。2023年からリリーフに転向。94マイル(≒151km/h)のシンカーに、縦に落ちるチェンジアップ、スライダーで打ち取るスタイル。
アレハンドロ・カーク(C/トロント・ブルージェイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
小柄だがパワーがある打撃で、2022年にはシルバースラッガー賞を獲得。守備でもブロッキングとフレーミングに優れる。’23WBCは第一子出産のために辞退したが、次回大会参加となればメキシコ代表にとって大きなプラスとなる。
オースティン・バーンズ(C/ロサンゼルス・ドジャース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。母親がメキシコ系。'23WBCではA・カークの辞退もあって正捕手として出場。フレーミングの技術はメジャー屈指。一方でほぼ毎年セカンドでの出場もしているという珍しい記録を持つ。
ラウディ・テレス(1B,DH/ピッツバーグ・パイレーツ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。アメリカ出身のユダヤ系なので米国やイスラエルの参加資格もあったが、メキシコで野球選手だった祖父に敬意を表しメキシコ代表を選択。同大会では4番DHで出場。アメリカ戦ではJ・メネセスと共に3安打の活躍で勝利に貢献。テキサスに鹿狩り用の土地を所有。
ジョーイ・メネセス(1B/ワシントン・ナショナルズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'21東京五輪、'23WBCメキシコ代表。カリビアンシリーズもメキシコ代表として多数参加。2019年にはオリックスでもプレイ。2022年に遅咲きのメジャーデビューを果たした。次回WBCではベテランの年齢になるが、国際大会になると打ちまくる怖い存在。ドラゴンボールの大ファン。
ジョナサン・アランダ(1B,DH/タンパベイ・レイズ(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。'23WBCでは主に代打などで出場。3Aでは文句なしの打撃成績で、2024年シーズンはメジャー定着を目指したかったが、右手薬指を骨折しリハビリからのスタートとなった。
ルイス・ウリアス(2B/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17、'23WBCメキシコ代表。ラモン・ウリアスの弟で、父もメキシカンリーグでプレイ。'23WBCでは主に6番セカンドとして出場。日本戦では佐々木朗希から本塁打を放った。打率は低い割に出塁率が高いが、2023年シーズンは怪我の影響もあり不調だった。
イサーク・パレデス(3B/シカゴ・カブス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。'23WBCでは全試合5番サードで出場。日本戦では3安打の活躍。三振が少なく選球眼が良いタイプだったが、2023年シーズンに打撃成績が向上。スピードが無いためかBABIPが低い。ただ、それにしても低すぎるので今後は打率が上がる可能性あり。
ラモン・ウリアス(3B,2B/ボルティモア・オリオールズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
ルイス・ウリアスの兄。4年間メキシカンリーグでプレイ後、2018年に渡米し2020年にメジャーデビュー。打撃は平均的だが、内野守備が良く2022年には三塁手でゴールドグラブ賞を獲得。父親もメキシカンリーガー。
アラン・トレホ(SS,2B,3B/コロラド・ロッキーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。’23WBCでは全試合7番ショートとして出場。打撃は三振が多く得意ではないが、2023年シーズンは守備での貢献が評価され自己最多の83試合に出場。
ランディ・アロザレーナ(LF/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。キューバ出身だが、亡命先のメキシコで国籍を取得した縁で代表入り。準決勝の日本戦ではホームランボールキャッチからのドヤ顔で、日本のファンの気持ちを逆撫でた。
ジャレン・ドゥラン(LF,CF/ボストン・レッドソックス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’21東京五輪米大陸予選アメリカ代表、'23WBCメキシコ代表。'23WBCでは代打や代走での起用が多かった。元々盗塁死が非常に少なく走塁も長けていたが、2023年シーズンに打撃が開眼。
アレック・トーマス(CF/アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCメキシコ代表。シカゴ生まれ。’23WBCでは全試合8番センターとして出場。スピードに優れ、守備範囲が広く走塁能力も高い。課題の打撃も徐々に改善していきたい。
アレックス・ベルドゥーゴ(RF,LF/ニューヨーク・ヤンキース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17、'23WBCメキシコ代表。元々空振りが少ないタイプだが、ボール球スウィング率(Chase%)も改善傾向。肩が強くメキシコ代表においてはRFが適任。レッドソックスの主力として活躍していたが、2024年から宿敵ヤンキースに移籍し髭を剃った。
アレホ・ロペス(2B,SS,3B,OF/アトランタ・ブレーブス(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2021年にレッズからメジャーデビュー。パワーはないが率を残せるタイプで、近年は盗塁の成功率も向上中。主に内野中心だが両翼も守れる。
0コメント