野球オランダ代表 選手名鑑

|世代交代とキュラソー参加問題

投手が弱いとされていたオランダ代表だが、野手も黄金世代がピークを過ぎたことでチーム全体の戦力底上げが課題に。それでも二遊間には既にメジャーで活躍しているO・アルビースとC・ラファエラがおり、センターにトッププロスペクトのD・ジョーンズ、先発投手にはセム・ロベルセと、次回WBCで主戦力として期待できる戦力も揃いつつあった。

そんな中オランダ王国の構成国であるキュラソーの野球連盟会長が、単独代表チームとしてWBC参加を目指すことを表明。オランダ代表の編成は、投手はオランダ本国系、打者はキュラソー系の比率が多くお互い補完関係であったのが、キュラソー単独参加はオランダ代表にとって大きな戦力ダウンになることは必至。予選参加国の発表に注目が集まる。

※本選手名鑑の中では、一旦キュラソー出身者もオランダ代表扱いとしています※

セム・ロベルセ(SP/セントルイス・カーディナルス(3A))Baseball-Reference   Fangraphs

オランダ本国出身。オランダ代表のエース的存在。2024年シーズンは3A級でプレイしており、メジャー昇格が期待される。球速が速い方ではないが変化球をうまく使いながら試合が作る。




デレク・ウェスト(SP/リエレロス・デ・アグアスカリエンテス(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBCオランダ代表。アメリカ出身だが、母方の祖父母がオランダ系。'23WBCではキューバ戦と台湾戦に2番手で登板。台湾戦では満塁HRを浴びるなど試合を決定づける結果となってしまった。2024年シーズンからはメキシコでプレイ。




トム・デ・ブロック(SP/キュラソー・ネプチューンズ(NED))Baseball-Reference   Fangraphs

'16,’23年欧州選手権、’17,'23年WBC、’20年東京五輪予選オランダ代表。'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。オランダ本国出身。’23WBCでは初戦のキューバ戦に先発登板。3回1失点に抑えた。オランダ国外でのプレイが見てみたい1人。




スコット・プリンス(SP/オタワ・タイタンズ(米独Frontier League))Baseball-Reference

’20、'22年U23W杯オランダ代表。オランダ本国出身。国内でのプレイを経て、2024年は米国カナダの独立リーグFrontier Leagueに挑戦。速球は速い方ではなく奪三振も多くないが、ストライクゾーンにどんどん投げ込むため与四球は少ない。




アントワネ・ケリー(SP/ピッツバーグ・パイレーツ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBCオランダ代表。アルバ出身。'23WBCでは台湾戦ビハインドの展開で登板し、1回全てゴロで打ち取った。奪三振率も高く今後に期待がかかる。




ジェイデン・エスタニスタ(RP/フィラデルフィア・フィリーズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBCオランダ代表。キュラソー出身。'23WBCではイタリア戦の先発に大抜擢。2回を無失点に抑えた。マイナーでは速球を武器に高い奪三振率をマークしている。与四球の多さを改善したい。タイプとしては典型的なフライボーラー。




ウェンデル・フロラヌス(RP/ヘネラレス・デ・ドゥランゴ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

'14,'23年欧州選手権、'15年プレミア12、'23年WBCオランダ代表。キュラソー出身。オランダ国内含め様々な国でのプレイ経験があるが、ここ最近はメキシコでプレイ。'23WBCではクローザー的起用で2回被安打ゼロ無失点と仕事をした。




ラース・ハイヤー(SP/HCAW(NED))Baseball-Reference

'17,'23年WBC、’19年プレミア12、’21,'23年欧州選手権オランダ代表。'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。オランダ本国出身。オランダ国内最強投手は、30歳を超えても安定感抜群のパフォーマンス。キャリアの中で1度は国外のプロリーグでのプレイが見てみたい。




ケビン・ケリー(SP/スルタネス・デ・モンテレイ(MEX))Baseball-Reference

’19年プレミア12、’20年東京五輪予選、'23年WBC、’23年欧州選手権オランダ代表。'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。キュラソー出身。'23WBCではリリーフ起用ながらチーム1位タイの投球回4回1/3を投げた。同姓同名のメジャーリーガーがいるのでご注意を。




アライ・フランセン(RP/シンシナティ・レッズ(1A+))Baseball-Reference   Fangraphs

’20年東京五輪予選オランダ代表。オランダ本国出身。2021年まで国内HCAWでプレイし渡米。正直マイナーでの成績はよくないが、BABIPが高めなのが救い。




ジオゲニー・カシミリ(RP/ボルティモア・オリオールズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

’22年U23W杯オランダ代表。オランダ本国出身。18歳までオランダ国内でプレイした後、2021年シーズンからマイナーでプレイ。マイナーでは高い奪三振率を誇るが、与四球が多く制球が課題。今後の成長に期待。




チャドウィック・トロンプ(C/アトランタ・ブレーブス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

’16年欧州選手権、’19年プレミア12、'17、’23年WBCオランダ代表。アルバ出身。'23WBCでは正捕手を務めた。2024年シーズンはマイナー契約スタートも後にメジャー昇格。打撃はよくは無いが、守備型捕手でフレーミングなどに優れる。




ヘンドリック・クレメンティーナ(C/カシキ・デ・ディストリート(LMBP))Baseball-Reference   Fangraphs

’19年プレミア12、'19年東京五輪欧州アフリカ予選オランダ代表。キュラソー出身。2023年シーズンまでマイナー傘下でプレイし、キャリア最高は3A級。2024年はベネズエラLMBPでプレイしシーズンMVPを獲得。打撃スタッツはシーズンによって波あり。




シェルヴィエン・ニュートン(1B,SS,3B/カンザスシティ・ロイヤルズ(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

オランダ本国出身。'22年U23W杯、’23年欧州選手権オランダ代表。U23W杯ではショートを務めたが、2023年シーズンではファーストでの出場が最多だった。2024年は不運にもシーズン初めからIL入り。課題の空振りを減らし'26年WBCまでにメジャーレベルに近づきたい。




ジュレミー・プロファー(1B/ケベック・キャピタルズ(独Frontier League))Baseball-Reference   Fangraphs

'21,’23年欧州選手権、’23年WBCオランダ代表。'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。キュラソー出身。プロファー兄弟の弟。ここ最近はFrontier Leagueでプレイ。ファーストとしては本塁打が少なく長打力に欠けるのが課題か。




オジー・アルビース(2B/アトランタ・ブレーブス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

キュラソー出身。2023年シーズンは自身2回目のオールMLBチーム・セカンドチームに選出され、世界トップ級選手であることを証明した。ここ数年のスピードと守備範囲の悪化は気になるが、Chase Rateなど打撃アプローチは進化してきている。




ザンダー・ボガーツ(2B/サンディエゴ・パドレス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

アルバ出身。’13、'17、'23年WBCオランダ代表。’23WBCでは全試合3番ショートで打線の中心を担った。守備への不安もあり2024年シーズンからショートからセカンドへコンバートされたが、代表では手薄なサードかファーストでの起用が予想される。




ジョナサン・スコープ(2B/アルゴドネロス・デ・ウニオン・ラグーナ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant 

’13、'17、’23年WBCオランダ代表。キュラソー出身。メジャー歴11年のベテラン。’23WBCでは全試合セカンドで出場も打率.077とブレーキ役に。2022年から打率,長打率が悪化した流れがそのまま出てしまった。2024年からはメキシカンリーグでプレイ。




デラーノ・セラッサ(3B,1B/ケベック・キャピタルズ(独Frontier League))Baseball-Reference

'23年欧州選手権オランダ代表。'24年侍ジャパンシリーズ欧州代表。オランダ本国出身。国内リーグフーフトクラッセでプレイした後、2024年シーズンはカナダのケベックに渡り腕試し。守備が良いので何とか出場機会を得続けてほしい。




ダレン・セフェリナ(3B,2B,SS/アルゴドネロス・デ・ウニオン・ラグーナ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

'22年カリビアン杯、’23年中米カリブ海競技大会キュラソー代表。コロナ前までマイナーでプレイした後、American Associationやイタリアなどでプレイ。2024年は同郷のD・グレゴリアス、J・スコープが所属するラグーナでプレイ。




セダン・ラファエラ(SS,CF/ボストン・レッドソックス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

キュラソー出身。強肩とスピードを兼ね備える。センターも守れるが、代表ではD・ジョーンズがいるのでショート起用が濃厚。2024年メジャーデビュー。所属のレッドソックスとは8年総額5,000万ドルの長期契約を結んでいる。




ディディ・グレゴリウス(SS/アルゴドネロス・デ・ウニオン・ラグーナ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

'17、'23年WBC、’23年欧州選手権オランダ代表。アムステルダム生まれキュラソー育ち。メジャーで11年間プレイした後、現在はメキシカンリーグでプレイ。'23-24年カリビアンシリーズではキュラソー代表でプレイ。本職はショートだが’23WBCではファーストを務めた。




ジュリクソン・プロファー(LF/サンディエゴ・パドレス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

キュラソー出身。’13、'17、'23年WBCオランダ代表。プロファー兄弟の兄。’23WBCではレフトで全試合に先発。本来ユーティリティプレイヤーだが、最近は外野に定着。スピードはなく守備範囲も狭くなっているが、空振りや三振が少なく打率は改善傾向。




アデマール・リファエラ(LF,DH/カリエンテ・デ・ドゥランゴ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

キュラソー出身。'19年プレミア12、’20年東京五輪予選、'21,’23年欧州選手権オランダ代表。WBC以外での大会ではレフトかDHが多い。WBCオランダ代表にはユーティリティー度の高いメジャーリーガーが多いため、代表入りのハードルは高いがメキシコでの活躍に期待。




ドリュー・ジョーンズ(CF/アリゾナ・ダイヤモンドバックス(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカ出身。キュラソーの英雄で楽天にも所属したメジャーリーガー、アンドリュー・ジョーンズの息子。2022年MLB公式のプロスペクトランキング全体1位のトッププロスペクト。身体能力が高く、パワーや守備だけでなく父親譲りの守備も評価が高い。




リッチー・パラシオス(RF,LF/タンパベイ・レイズ)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

アメリカ出身。’23WBCオランダ代表。パラシオス兄弟の弟。母親がキュラソー出身。2022年にメジャーデビュー。2024年シーズンはレイズに移籍し出場機会を得ている。出塁率が高く守備走力も平均以上。父親がプエルトリコ出身のため同国の代表資格もある。




ジョシュア・パラシオス(RF,LF/ピッツバーグ・パイレーツ(3A))Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

アメリカ出身。’23WBCオランダ代表。パラシオス兄弟の兄。母親がキュラソー出身。2021年メジャーデビュー。’23WBCではライトのレギュラー格だったが、打撃が振るわず最終戦は控えに。武器はスピードと強肩。父親がプエルトリコ出身のため同国の代表資格もある。





カイラン・ニカシア(RF,CF/ミルウォーキー・ブルワーズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

オランダ本国出身。’22年カリビアンカップキュラソー代表。スイッチヒッターで、三振が多く低打率で荒削りだがスピードはある。今後の成長に期待。




レイパトリック・ディダー(SS,CF/サンディエゴ・パドレス(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

アルバ出身。'19年プレミア12、’21,’23年欧州選手権、'23WBCオランダ代表。プエルトリコWL、イタリア、メキシコWLなど、世界でのプレイ経験が豊富。打率は高くないが、四球による出塁が多い。’23WBCでは主に控えだったが台湾戦では宋家豪から代打HRを放った。




ザンダー・ウィール(1B,LF,3B/ハイポイント・ロッカーズ(米独Atlantic League))Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカ出身。父親がキュラソー出身のため、'23WBCではオランダ代表として出場可能に。しかし同大会では出場機会は無かった。最高3A級までの経験があるが、2022年以降はAtlantic Leagueでプレイ。同リーグでは長打力を発揮している。




ドノバン・アントニア(LF,2B/ニューヨーク・メッツ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

キュラソー出身。’18年U-15W杯オランダ代表。昔は捕手だったが身体能力の高さから野手にコンバート。三振が多く現在1Aで修行中。今後の成長に期待。


0コメント

  • 1000 / 1000