野球オーストラリア代表 選手名鑑

|世代交代が進むも鍵は投手力

 2023年WBCでは、A・ホール、R・ウィングローブなど2022年U-23ワールド杯に出場したメンバーが加わり若手が台頭し、次回2026年のWBCも彼らが中心となりそう。打線は当たれば飛ぶパワーヒッターが揃うが、そこにMLBのトッププロスペクトのカーティス・ミードが加われば更に強力となる。欲を言えば、若返りが滞り気味のRFとSSにタレントが欲しい。

 一方で、投手陣はマイナー傘下の選手が揃うも、23年WBCでは4シームの平均球速も90.4マイル(=145km/h)で大会参加国の中で下から4番目。飛び抜けた先発投手がいないオーストラリア代表では、矢継ぎ早に継投していくスタイルを採ることが多いが、全ての継投を成功させるのは至難の業。前回大会以上を望むのならば、投手陣の全体的なレベルアップが求められる。

ジャック・オラフリン(SP/コロラド・ロッキーズ(3A))Baseball-Reference    Fangraphs   Baseball-Savant

’23年WBC豪州代表。デトロイトのスカウトを務めていた豪州出身のメジャーリーガー グレン・ウィリアムスにスカウトされ契約。2017年のU-18W杯にも出場経験がある。2024年にはメジャー初昇格。次回大会の先発ローテ候補筆頭。



ミッチ・ニューボーン(SP/フィラデルフィア・フィリーズ(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。南アフリカ出身。'23年WBC本戦では韓国戦に登板。後続が打たれ2回1/3 自責点2だったが、T・エドマン、キム・ハソン、イ・ジョンフというトップ所を3人で抑えた。WBCの活躍が認められフィリーズ傘下と契約。フライボーラー。




ジョシュ・ヘンドリクソン(SP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

'16年U-23W杯豪州代表。フィリーズ傘下では3Aまで昇格。カーブに定評がある。フライボールピッチャーで、今後ステップアップするには制球力が課題になりそう。2024年はプレー歴なし。




カイル・グロゴスキー(RP/シドニー・ブルーソックス(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC豪州代表。ニュージーランド出身だが母親が豪州出身。そのため、'17年WBCニュージーランド代表、'23年WBC豪州代表と2カ国で代表経験あり。’23年6月にシンシナティ傘下からリリース。ここ数年は制球が荒れまくっている。




スティーブ・ケント(SP/メルボルン・エイシズ(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'13,'17,’23年WBC、'19,'24年Premier12 豪州代表。'23年WBCでは準々決勝キューバ戦で先発し2回無失点に抑えた。'24年Premier12でも日本,韓国,キューバ相手に計3回1失点とまずまずの出来。次回大会では36歳だが起用は多そう。




リアム・ヘンドリクス(CL/ボストン・レッドソックス)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

'09年WBC豪州代表。メジャー歴13年のベテランリリーバー。オールスターに3回出場。’20年,'21年の2回、ALL MLBチームのファーストチームの救援投手に選出されている。4シーム主体の投球だが、決め球はスライダーで年々比率が上昇している。次回WBCでは37歳になるが、彼の参加/不参加が代表にとって影響が大きい。




ブレイク・タウンタゼンド(RP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'19,'24年Premier12豪州代表。マリナーズの元プロスペクト。'23年WBCでは日本戦に登板し3連続四球で押し出し1失点。’24年Premier12では3試合に登板。四球は出なかったが、味方のエラーにも遭い1回2/3で5失点と散々な結果に。





リアム・ドーラン(RP/シドニー・ブルーソックス(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC豪州代表。アメリカの大学でプレイ経験あり。’22年11月の侍ジャパン戦では1回を源田、周東、西川の3人を抑えた。'23年WBCでは大会前に『奪三振力はあるので大学時代のスタッツ並みに四球を防げれば期待できる』と書いたが、残念ながら四球から崩れ1回を1失点。




カイ・ノア・ウィニヤード(RP/テキサス・レンジャーズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

テキサス傘下でプレイするリリーバー。これまで防御率4点台が続いていたが、2023年になって奪三振率が下落するも、被打率が下がり防御率は大きく改善。しかし、2024年は1A+,2Aに昇格したが壁は厚く制球が壊滅的に。シーズンは1A中心にプレイ。




ブランダン・ビドイス(RP/ピッツバーグ・パイレーツ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

'19年U-23W杯豪州代表。’21年時点での球速は90マイル前後だったが、’22年シーズンには99マイル(=159キロ)を計測。'24年は1A+を中心にプレイしたが高い奪三振率はキープ。課題の与四球の多さも継続。フライボーラー。




ウィル・シェリフ(RP/パース・ヒート(AUS))Baseball-Reference

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。豪州代表の中の若手有望株。’23年WBCでは日本戦に先発。2/3回3失点でノックアウトされ苦い思い出に。’24年Premier12でも日本戦に登板したが打者1人に死球を与えて交代した。




トッド・バン・スティーンゼル(RP/アデレード・ジャイアンツ(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'17,’23年WBC、'19,'24 年Permier12豪州代表。マイナーでの最高位は3Aクラス。母国豪州だけでなく、アメリカ、オランダ、メキシコ、ベネズエラ、フランスでプレイ経験があるワールドジャーニーマン。'24年Premier12では日本戦で辰巳選手からけん制でアウトに捕った。




ティム・アサ―トン(SP/シドニー・ブルーソックス(AUS)) Baseball-Reference   Fangraphs

'17年WBC、'24年Premier12豪州代表。マイナー時代の最高は3A。ABLでは奪三振レコードを持つ。'23年WBCでは途中で代表から離脱。'24年Premier12ではキューバ戦と韓国戦の2先発を含む3試合に登板。合計5回を1失点に抑えた。




ジョシュ・ガイヤー(RP/シドニー・ブルーソックス(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'19,'24年Permier12豪州代表。過去ツインズ傘下で3シーズンプレイ。現在はABLを中心にプレイ。'24年Premier12では日本戦に登板し2アウトを捕った後、四球から崩れ終盤のダメ押し点を献上してしまった。




サム・ホランド(RP/ブリスベン・バンディッツ(AUS))  Baseball-Reference   Fangraphs

’17,’23年WBC、'19,'24年Permier12豪州代表。代表常連のサイドハンド右腕。マイナー時代の最高位は2A。WBCでは、韓国戦、日本戦、チェコ戦、キューバ戦に登板する馬車馬的働きのようだが、マシンガン継投のため投球回は2回のみ。




ダニエル・マグラース(RP/アデレード・ジャイアンツ(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'17,'23WBC、'24年Premier12豪州代表。ボストンの傘下時代では最高3Aまで到達。WBCでは韓国戦、チェコ戦、キューバ戦に登場。チェコ戦では勝ち投手となった。'24年Premier12ではピックオフを連発。日本戦ではランナー紅林相手に3回もけん制球を投じた。




ジョン・ケネディー(RP/キャンベラ・キャバリー(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'17,'23年WBC、'19 ,'24年Permier12豪州代表。マイナーでの最高は3A級。日本とはあまり相性が良くなく、Premier12では2大会連続で日本戦だけ失点をしており、他の対戦国に対しては抑えている。




ルーク・ウィルキンス(RP/アムステルダム・パイレーツ(NED))Baseball-Reference

’23年WBC、'19,'24 年Permier12豪州代表。’23WBCでは日本戦に登板。先発シェリフの後を受け登板も、2回1/3 失点3と流れを変えることが出来ず。'24年はオランダリーグの強豪アムステルダムでプレイ。先発やロングリリーフなどでチームに貢献した。




コーエン・ウィン(SP/シドニー・ブルーソックス(AUS))Baseball-Reference

'23年WBC、'24年Premier12豪州代表。アメリカの大学卒。'23年WBCでは中国戦のみに登板し2回2/3を無失点。'24年Premier12では日本戦こそ打ち込まれたが、残り3試合では上手く抑え、ドミニカ共和国戦ではチーム唯一の勝利投手にもなった。




アレックス・ホール(C・DH/パース・ヒート(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。’22年はU-23W杯にも出場。’23年のWBCでは主にDHとして出場したが打率.227と率は残せず。'24年Premier12でもDHメインで出場し、序盤は活躍したが3試合目以降ヒットが出ず打率.176と苦戦。




ロビー・パーキンス(C/キャンベラ・キャバルリー(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’17,’23年WBC、'19 ,'24年Permier12豪州代表。マイナーでの経験は最高3A。2013年のアジアシリーズにもキャンベラ所属で参加。'24年のPremier12では4試合で2本塁打5打点はチームトップの活躍だった。




ライアン・バッタグリア(C/ブリスベン・バンディッツ(AUS)) Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'19,'24 年Permier12豪州代表。クリーブランドでマイナー経験があるが、リリースされてからずっとABLでプレイ。2016年には、チェコのエクストラリーガでもプレイしており、打率.269 15HRという活躍。’24年Premier12では出場機会が無かった。




リクソン・ウィングローブ(1B/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

'23年WBC、'24年Premier12豪州代表。フィリーズの元プロスペクト。パワーが売りで、WBCでも準決勝キューバ戦でR・エリアスから本塁打を放った。2024年シーズンは独立リーグでスタートも、好成績でツインズとマイナー契約を勝ち取った。現在FA。




ジェイク・ボウイー(1B,2B/パース・ヒート(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。ABLでのプレイはファーストや外野が中心だが、代表ではセカンドでも起用。WBCでの出場機会は少なかった。'24年Premier12でも代打での出場だったが2打数ノーヒットに終わった。




カーティス・ミード(3B,2B/タンパベイ・レイズ)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

’23年にメジャーデビュー。レイズの元トッププロスペクト。打撃面での評価が高くWBCに出場すれば、T・バザーナと共に打線の中核を担うことになりそう。2024年はメジャーで38試合の出場に留まった。




ダリル・ジョージ(3B/メルボルン・エイシズ(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。BCL新潟でのプレイ経験を経て、2017年にはオリックスと育成契約。その後は昇格せず自由契約となった。’23年WBCでは、小さな子供からの「レッツゴー!ジョージ!」という掛け声の声援が話題に。




ジャリド・デイル(2B・SS/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。同大会での出場機会に恵まれず2打数のみ。2024年はサンディエゴ傘下で2A中心に41試合に出場も、打率.171と振るわず8月にリリース。同年のPremier12でも控え中心の起用でノーヒットに終わった。




ロビー・グレンデニング(SS,2B,RF/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'19,'24 年Permier12豪州代表。ロイヤルズの元プロスペクト。ウィングローブ同様パワーに定評がある。’23WBC韓国戦では逆点のスリーランを放った。’24年シーズンはメキシコでプレイした。同年のPremier12ではショートのレギュラーとして出場。




ローガン・ウェイド(SS/ブリスベン・バンディッツ(AUS)) Baseball-Reference   Fangraphs

'17,'23年WBC、'19 年Permier12豪州代表。代表ではショートのレギュラー。メジャー傘下には所属していないが、’23年WBCにおけるStatcastデータは非常に優秀だった。




リアム・スペンス(IF/FA) Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。同大会では控え。2020 年と 2021 年にテネシー大学でプレイ。兄は元メジャーリーガーのジョシュ・スペンス




ウルリヒ・ボジャルスキ(LF/パース・ヒート(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。南アフリカ出身。’22年までデトロイト傘下でプレイ、最高は2A。WBCではレフトのレギュラーで出場も、打撃は期待値は高くなく打順は9番。




アンドリュー・キャンベル(LF・CF/ブリスベン・バンディッツ(AUS)) Baseball-Reference

’23年WBC豪州代表。ブリズベンで長くプレイ。WBCでは外野の控えとして僅かな出場機会に留まる。




アーロン・ホワイトフィールド(CF/カンザスシティ・モナークス(米American Association) Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

'17,’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。メジャー経験があり大谷ともチームメートだった中堅手。守備が売り。長打力があるタイプではないが、豪州代表での打順は5番だった。エンゼルスをリリースされてしまったが、まだ若いので返り咲きを期待したい。




ティム・ケネリー(RF/パース・ヒート(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'13,'17,’23年WBC、'24年Premier12豪州代表。豪州代表常連のベテラン外野手。ケネリー兄弟の1人。マイナーでの最高位は3A。WBCではリードオフマンとして活躍。次回大会では39歳となることから、レギュラーで出場するのは厳しいか。




ジョーダン・マカードル(OF/アデレード・ジャイアンツ(AUS))Baseball-Reference   Fangraphs

'23年WBC豪州代表。WBCでは代走や控えとして出場。T・ケネリーの後釜候補。




0コメント

  • 1000 / 1000