| 屈辱の1次R敗退も視界良好
前回大会では優勝候補に挙げられながらも死の組の餌食に。ただ、戦力的には次回大会も優勝候補の1つであることに間違いない。前回大会では出場しなかったV・ゲレーロJrやF・タティスJr.など、次回大会のタイミングでキャリアのピークを迎えそうなスター選手がまだまだおり、加えてまだ名の知れていない新たなスターも続々と表れてくるだろう。鍵を握るのは投手陣のコンディションとその見極め。ドミニカ共和国首脳陣からすればベネズエラ戦、プエルトリコ戦において先発投手が早々に攻略されたことは最大の誤算だったはず。本来の力が発揮されれば同国2回目の優勝は達成可能だ。
フランバー・バルデス(SP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メジャー屈指のグラウンドボーラー。'23WBCは球団の意向で不参加。2023年は前年から少し成績は落としたものの、3年連続で2桁勝利を達成、ノーヒットノーランも達成した。シンカーの球速は更に速くなった。
ルイス・カスティーヨ(SP/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCは球団との話し合いの末不参加に。2023年はシンシナティ時代の15勝に迫る14勝を挙げる活躍。前年武器となっていた4シームの投球割合を1割以上増やし、メジャー4位のPitch Value+22.2をマークした。
フレディ・ペラルタ(SP/ミルウォーキー・ブルワーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
高回転数の4シームを武器に高い奪三振率をマークする本格派右腕。F・バルデス、L・カスティーヨ同様、'23WBCは球団との協議の末不参加。被本塁打の割合は増えたものの、キャリアハイの12勝を挙げ、平均球速も過去最高の94.4マイル(≒152kmh)に到達した。
サンディ・アルカンタラ(SP/マイアミ・マーリンズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCでは初戦のベネズエラ戦に先発、残念ながら敗戦投手に。2023年シーズンは、サイヤング賞を受賞した前年から大きく成績を落としたが、伝家の宝刀シンカーは相変わらず優秀でPitch Value+12.0。相変わらず高いゴロ率をマーク出来ている。
クリスチャン・ハビアー(SP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCでは第2試合のニカラグア戦に先発し4回無失点で勝利投手となった。2023年シーズンは球速も下がり全体的に成績を落とした。典型的なフライボーラーだが4シームの回転数はそこまで高くない。
カミロ・ドゥバル(RP/サンフランシスコ・ジャイアンツ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではベネズエラ戦とプエルトリコ戦の重要な2試合に登板。2回1/3を無失点で切り抜ける。2023年シーズンは、平均100マイルのカットボールでゴロを量産。自身初のオールスターに選出されるなど、キャリアハイの成績をマークした。四兄弟の三男坊。
フェリックス・バティスタ(RP/ボルティモア・オリオールズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
身長206㎝の巨漢クローザー。回転数が多く平均100マイルの4シームに、落差のあるスプリッターを投げる。2023年の奪三振率K%は脅威の16.23。シーズン後にはALL MLBチームのファーストチームに選ばれている。
エンマニュエル・クラッセ(RP/クリーブランド・ガーディアンズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2023年シーズンはリーグ最多の44セーブをマーク。投球の約7割が、平均99マイルを超えるカッターが中心でゴロを量産する。2022年にALL MLBチームのファーストチーム、2023年にはセカンドチームのリリーバーに選ばれている。
グレゴリー・サントス(RP/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
スライダーとシンカーを武器に2023年に一気にブレイクした右腕。特にスライダーの奪三振率K%は30%超えで、Pitch Valueは+12.1と高水準。
ブライアン・アブレイユ(RP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではベネズエラ戦、プエルトリコ戦と重要な試合で起用されたが、2回2失点、HH5本と期待に応えられず。スライダーと4シームの2球種が武器で、特にスライダーの空振り率は4割を超えるミールピッチ。
エウリー・ペレス(SP/マイアミ・マーリンズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2023年メジャーデビューを果たしたトッププロスペクト。4シーム、スライダー、カーブ、チェンジアップとバランスよく投げる。次回大会の先発ローテとして期待がかかる。
ルイス・L・オルティズ(SP/ピッツバーグ・パイレーツ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCではイスラエル戦に登板。2023年シーズンは15試合に先発登板。奪三振率は高くないが、打たせて打ち取っていくタイプ。
ロアンシー・コントレラス(SP/ピッツバーグ・パイレーツ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではイスラエル戦に先発。ただし、2023年シーズン後半からはリリーフに回った。スライダーが武器。4シームの割合を抜き44%がスライダーで最多でPitch Valueも+4.4だった。
ジョエル・パヤンプス(RP/ミルウォーキー・ブルワーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
スライダーピッチャー。2023年シーズンはキャリアハイの活躍。全体的に球速がアップし、特に4シームの空振り率が向上。メジャーでも屈指のリリーバーとなった。
ジョアン・デュラン(RP/ミネソタ・ツインズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
平均球速102マイル(≒164kmh)の剛速球右腕。4シームの他にはカーブ、スプリット。これだけ球が速ければ打ち返すのは至難の業。奪三振率、ゴロ率ともに高い値をマークする。
イミ・ガルシア(RP/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCではベネズエラ戦,プエルトリコ戦の重要な試合で起用。味方の守備で1失点もパフォーマンスは悪くなかった。2023年シーズンは防御率4.09だったが、xFIPは過去最高の3.14をマーク。fWARも+1.0と更に向上。
カルロス・エステベス(RP/フィラデルフィア・フィリーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
エンゼルスのクローザー。2023年はコロラドからアナハイムに移籍し、自身初のオールスターにも選出。xFIPはずっと4点台を記録していて正直クローザーとしては物足り無さがあるが、ドミニカ共和国代表のデプス要員としては十分。
ホセ・レクラーク(RP/テキサス・レンジャーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メジャーでも屈指の回転数を誇る4シームが特徴的なテキサスのセットアッパー。但し4シーム中心ではなく、スライダーやチェンジアップなどバランスよく投げる。2023年からカッターの投球割合を増やしたことが奏功。
ヘクター・ネリス(RP/シカゴ・カブス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'17、'23と2大会連続でWBCドミニカ共和国代表入り。'23WBCではベネズエラ戦、イスラエル戦、プエルトリコ戦に登板。2023年シーズンは与四球BB%が悪化したためxFIPやfWARなどは落ちているが、防御率は1.71でPitch Valueも全球種ともプラスと優秀。
エニエル・デロスサントス(RP/ニューヨーク・ヤンキース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
2023年シーズンはクリーブランドでプレイ。2022年から若干成績を落としたが、投球内容としては大きく変わらず安定した成績を残した。2024年はパドレスでシーズンスタートも、後にヤンキースへ移籍。
ラファエル・モンテロ(RP/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではニカラグア戦とプエルトリコ戦にリリーフ登板。2023年シーズンは防御率5.08と前年から大きく成績が悪化したが、BABIP .358、HR/FB 15.3%と運も無かったことから、2024年は復調する可能性が高そう。持ち球は4シーム/シンカー、チェンジアップの他にスライダーも投げる。
ジェネシス・カブレラ(RP/トロント・ブルージェイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではイスラエル戦に登板。1回1/3を無失点に抑えた。2023年はシーズン途中からトロントに加入してから復調。4シーム、カッター、シンカーなどをバランスよく投げ分ける。
ディエゴ・カスティーヨ(RP/テキサス・レンジャース(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
体重120kgの巨漢リリーバー。'23WBCではニカラグア戦、プエルトリコ戦に登板。計2回2/3を無失点で抑えた。投球のメインがスライダーだが、2023年は左打者対策でチェンジアップも取り入れたものの、制球が悪く成績を落としている。
ゲイリー・サンチェス(C/ミルウォーキー・ブルワーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
エンディ・ロドリゲス(C、1B、OF/ピッツバーグ・パイレーツ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
パイレーツのトッププロスペクト。運動能力が高く内外野も守れるユーティリティー性を兼ね備える。2023年にメジャーデビューを果たし57試合に出場。打撃はまだまだだが、守備では盗塁阻止の面でプラスをマーク。ブロッキングが課題。
フランシスコ・メヒア(C/ロサンゼルス・エンゼルス(3A))Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCではニカラグア戦とプエルトリコ戦に先発出場。2023年シーズンはレイズで50試合に出場。打撃、守備面ともマイナスを記録し良い所が無かった。
ウラディミール・ゲレーロJr.(1B/トロント・ブルージェイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
カナダ・モントリオール生まれだが、代表チームは父親の母国ドミニカ共和国を選択。しかし怪我のため’23WBCは出場できず。2023年シーズンは持ち前のパワーで26HRをマーク。守備に難があるので、代表ではDHで起用したいところだが、サードの人材が渋滞しているので少し悩ましい。
ジェイマー・キャンデラリオ(1B,3B/シンシナティ・レッズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではW・ゲレーロJr.の欠場を受け追加招集。全試合ファーストで先発出場し、打順は8番を務めた。2023年シーズンはナショナルズで前年の不振から復調後、トレードでカブスへ移籍。シーズン合計で22HRを放ち長打力が戻った。
ケテル・マルテ(2B/アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCでは、イスラエル戦とプエルトリコ戦にセカンドとして先発出場。2023年シーズンは上々の出来。特に打撃面で活躍し打率.276/OPS .844/25HRという成績で、C・キャロルと共にリーグ優勝に大きく貢献した。
ラファエル・デバース(3B/ボストン・レッドソックス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCでは全試合指名打者でスタメン出場。主に4番を担ったが、打率.125と実力を発揮できず。2023年シーズンは打率 .271/OPS .851/33HRとシルバースラッガー賞を獲得する活躍。一方、守備面ではUZR(3B)が▲2.8。代表には三塁手のタレントは多いので、V・ゲレーロJr.とどちらをDHに起用するか悩みどころ。
マニー・マチャド(3B/サンディエゴ・パドレス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’17、’23WBCドミニカ共和国代表。'23WBCでは全試合3番サードとして出場し、HR2本を放つなど打線の軸を担った。2023年シーズンも好守において安定した活躍を見せており、次回大会に出場となればチームの軸となり得る存在。
ホセ・ラミレス(3B/クリーブランド・ガーディアンズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
アメリカ代表T・アンダーソンと乱闘しノックアウトした男。2023年はスキャンダラスな出来事がありつつも、打撃の実力は相変わらず安定感抜群。ALL LBのセカンドチームに2年連続選出されている。
ワンダー・フランコ(SS/タンパベイ・レイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではイスラエル戦以外の3試合に出場。打順は6番ながら出塁率.417と主にチャンスメイクで貢献した。2023年シーズンは好守において自身キャリアハイの活躍。特にシーズン終盤は上がり調子だった。しかし、未成年との不適切な関係を持った疑惑で、'24年1月母国で逮捕。
ウィリー・アダメス(SS/ミルウォーキー・ブルワーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではニカラグア戦のみに出場。J・ペーニャやW・フランコがいる中、出場機会は少なかったが、1試合で2安打、HH2本と活躍。2023年シーズンは自身ワーストの打率.217で低調だったが、広い守備範囲で守備はUZR+5.9でキャリアベスト。
ジェレミー・ペーニャ(SS/ヒューストン・アストロズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではベネズエラ戦、イスラエル戦にショートとして先発。ヒットは1本のみだが、四球2つで出塁には貢献した。大活躍の2022年に続き、2023年も守備を中心に活躍。
ヘラルド・ペルドモ(SS,3B/アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'19プレミア12ドミニカ共和国代表。2023年はオールスターにも初選出。同国のK・マルテと共に二遊間を守った。パワーが乏しく打球速度はメジャーでも下位だが、選球眼に優れる。また、守備範囲は広く肩も強い。
エリー・デラクルーズ(SS/シンシナティ・レッズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
5ツールを兼ね備えた大型遊撃手。2023年メジャーデビュー。メジャートップクラスのスプリントスピードと強肩を持つ。
ファン・ソト(LF/ニューヨーク・ヤンキース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCでは全試合レフトでスタメン出場。全試合でヒットを放ち打率.455/OPS1.500と大活躍。2023年シーズンも勢いそのままシルバースラッガー賞を獲得する活躍。132四球はリーグ最多。オフにはトレードでヤンキースへと移籍した。
フリオ・ロドリゲス(CF/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'21年東京オリンピック銅メダリスト。’23WBCでは全試合センターでスタメン出場。J・ソトと1,2番を担ったが、最終プエルトリコ戦では痛恨の後逸。苦い思い出となった。新人王を獲得した2022年に続き、2023年も変わらない活躍っぷりで、打球速度、守備範囲、強肩、スプリントスピードなどメジャー屈指の高い身体能力を見せつけた。
ホセ・シリ(CF/タンパベイ・レイズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
強肩とスピードを兼ね備えた中堅手。打撃はフリースウィンガー気味だがパワーがあり、2023年シーズンは25HR。
フェルナンド・タティスJr.(RF/サンディエゴ・パドレス)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
メジャー屈指の5ツールプレイヤー。2023年はX・ボガーツ加入で追いやられるような形で、ショートから外野にコンバートを余儀なくされたが、ライトでプラチナゴールドグラブ賞を獲得。守備世界一の名誉を獲得した。
テオスカー・ヘルナンデス(RF/ロサンゼルス・ドジャース)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
'23WBCでは初戦のベネズエラ戦こそライトでスタメン出場も、以降は代打や守備固めなど控えに回った。2023年はシアトルでプレイ。OPS .741と振るわなかったが、打球速度、バレル率、HH率などはメジャーでも上位に入るスタッツを記録した。
エロイ・ヒメネス(RF,DH/ボルティモア・オリオールズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’23WBCではライトで3試合にスタメン出場。打率.455/OPS1.000と活躍。一方、2023年シーズンはOPS.758と、前年から1割下落。チームではDH枠だが、代表ではV・ゲレーロJrやR・デバースなど、DH起用したい選手が多いので代表争い的には厳しい。
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