野球イギリス代表 選手名鑑

| 戦力基盤の安定が課題

前回大会ではコロンビア相手に金星をあげ次回大会へのシード権を獲得したイギリス代表。その戦力の7割はイギリス系アメリカ人に支えられている。主戦力のイギリス系アメリカ人だが、その多くが所属先無しや契約期間の短い独立リーグ所属であり、プレイ環境が不安定なことから3年後戦力として計算できるか見通しが立ちにくい。中米や欧州の強豪国のように国内にコンペティティブなリーグも無いので、本番どれだけ選手を集められるか、全てイギリス野球連盟のリクルーティングにかかっている。マリナーズのプロスペクトH・フォードがWBCだけでなく欧州選手権にも出場してくれたのは1つの成果だろう。ポジション的には、内野は一三塁、外野はセンター適性の人材に偏っており、ユーティリティー性のある選手を見つけ出したい。

ジョセフ・キング(SP/セントルイス・カーディナルス(1A+))Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカ出身。’23WBCでは最終戦のメキシコ戦の先発に大抜擢も、結果は2回に降板となった。2023年は最高1A+でプレイ。奪三振力が高くないので2A以上のクラスに上がれても苦戦しそう。




タイラー・ビザ(SP/モンテレイ・サルタンズ(MEX))Baseball-Reference   Fangraphs

スコットランド生まれのアメリカ育ち。’23WBCではコロンビア戦に先発。3回1/3を3失点で抑え競った展開に。2023年シーズンは前年から所属している台湾CPBL中信ブラザースでプレイ。18試合に登板した。母方はイタリア系らしく、WBCイタリア代表入りの資格もあるとかないとか。




アキ―ル・モリス(SP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

米領ヴァージン諸島。メジャーでは18試合に登板経験あり。’23WBCではカナダ戦に先発起用も、その後の点取り合戦の起点となってしまった。2023年はベネズエラメジャーリーグ(LMBP)でプレイ。




マッケンジー・ミルズ(SP/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

米国ジョージア州生まれ。’23WBCではカナダ戦に登板も本塁打など打たれたり大量失点で苦しい結果となった。2023年シーズンはAtlantic Leagueでプレイ。三振が獲れるタイプでなく、制球にも苦労した。




イアン・ギバウト(RP/シンシナティ・レッズ)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

ヒューストン生まれ。父親がイギリス・ジャージー島出身でオックスフォード大学卒の石油商。’23WBCではコロンビア戦に登板。メジャー5年目の2023年シーズンは、シンシナティで74試合に登板。4シームの他、カッター、スライダー、チェンジアップを投げる。





ガナー・グローエン(RP/アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

2022年WBCレーゲンスブルグ予選にイギリス代表として参加。ロンドン出身。大学卒業後、American Associationなどを経て、アリゾナ傘下と契約。2023年シーズンは一気に1Aから2Aに昇格。




グラハム・スプレイカー(RP/FA) Baseball-Reference   Fangraphs

’23WBCではコロンビア戦で2番手でロングリリーフ。いきなり3点タイムリーを打たれるが、その後は抑え2回2/3を無失点。抑え勝利投手となった。2023年はレイズ傘下をリリースされた後、Atlantice Leagueでプレイで復調気味。




マイケル・ピーターセン(RP/ロサンゼルス・ドジャース)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

イギリスで生まれで1歳のときにアメリカに移住。’23WBCではアメリカ戦の最後に登板し1回を無失点に抑えた。2023年はコロラド傘下の2A,3Aでプレイしたが、オフはFAに。2024年はドジャースとマイナー契約。6月にメジャーに初昇格した。




アンドレ・スクラッブ(RP/サザン・メリーランド・ブルー・クラブズ(米Atllantic League)) Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

アメリカ出身。メジャーではアストロズで38試合に登板経験あり。’23WBCではカナダ戦とメキシコ戦に登板し2回1/3で2失点。2023年シーズンは、メキシカンリーグとAtlantic Leagueでプレイ。Atlantic Leagueでは防御率 1.52と好投した。カッターとカーブの2球種が中心という変わった組合せ。




ライアン・ロング(RP,SP/ボルティモア・オリオールズ(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

’23WBCアメリカ戦,メキシコ戦に登板。メキシコ戦では2回1/3を無失点で切り抜け、強豪メキシコ相手に接戦のお膳立てをした。2023年シーズンは1A+から2Aに昇格。2Aでは防御率 6.51と苦戦中。




ターナイ・トーマス(RP/ミルウォーキー・ミルクメン(米独Amercian-Assocation))Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。’23WBCでは最終戦メキシコ戦の同点の状況で登板。勝ち越しタイムリーを打たれ負け投手に。2023年は2Aが主戦場だったが、防御率4.87と”2Aの壁”に挑戦中。2024年はAmerican Associationでプレイ。




チャベス・フェルネンダー(RP/FA) Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。’23WBCではコロンビア戦に登板し1回無失点。2023年シーズンはキャリア最高の3Aでもプレイしたが時期尚早だったか散々な結果に。オフにはプエルトリコWLでもプレイ。





ドノバン・ベノワ(RP/シンシナティ・レッズ(1A+))Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカフロリダ州出身。’23WBCでは、カナダ戦とメキシコ戦に登板。カナダ戦ではアウトを1つも取れず4失点と散々な結果に。2023年シーズンは2Aに昇格も制球を乱し、防御率5.40と課題を残した。 





キャム・オップ(RP/FA) Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカ出身だが10歳の時にロンドンに移住。大学時代はアメリカの陸軍士官学校で野球をしていた。’23WBCではカナダ戦の二番手で登板した。2023年はAmerican Associationでプレイ。与四球が多く防御率 7.34と良くない結果でシーズンを終えた。




ハリー・フォード(C/シアトル・マリナーズ)Baseball-Reference   Fangraphs

’23年欧州選手権、'23WBCイギリス代表。’21年シアトルからドラフト1巡目(全体12位)指名を受けた。両親がイギリス人で、本人もアメリカ・イギリスの二重国籍。パワーとスピードを兼ね備えるアスリート型キャッチャー。2023年は捕手ながら盗塁23。出塁率.410/OPS.840と立派な成績。




ウラル・フォーブス(C/FA)Baseball-Reference

バハマ出身。'23WBCでは、H・フォードがほとんどマスクを被ったため出番は僅か。近年はプレイ履歴が見当たらなかったが、どうも大学のコーチと務めていた模様。




シャモイ・クリストファー(C/スーフォールズ・カナリーズ(米American Association))Baseball-Reference

’21年欧州選手権イギリス代表。英領ヴァージン諸島出身。独立リーグAmerican Associationを主戦場としている。打撃はからきしだが、所属チームの正捕手を務める。




ニック・ウォード(1B,3B,2B/アトランタ・ブレーブス(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

アメリカ出身。'23WBCでは全試合ファーストで先発出場。WBC予選ではショートでもプレイするユーティリティインフィールダー。暫く独立リーグでプレイしていたが、2023年シーズンは4年振りのマイナー傘下でプレイ。オフシーズンは豪州WLでもプレイ。




ジャスティン・ワイリー(2B,3B/ガストニアBC(米Atlantic League))Baseball-Reference

アメリカ出身。’23WBCではN・ウォードの控えなどでほとんど出番がなかったが、WBC予選ではサードのレギュラーとして活躍した。2023年シーズンは米独立リーグAmerican Associationでプレイ。打率 .310/OPS .927と活躍。




B.J.マレー Jr.(3B/シカゴ・カブス(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。'23WBCでは、全試合サードで先発出場。2023年シーズンは2Aに昇格も大きく成績は落とさず安定したプレイだった。マイナーリーグのオールスター”フューチャーゲーム”にも選出された。





アレックス・クロスビー(3B/サザン・メリーランド・ブルー・クラブズ(米Atllantic League)) Baseball-Reference

’19年欧州選手権、’23WBCイギリス代表。’23WBCは代打での2打席のみの出場。キャリアのほとんどをAmerican AssociationとAtlantic Leagueといったレベルの高いアメリカ独立リーグでプレイしている。プレミア12メキシコ代表のジョン・ジョーンズは従兄弟。




ルシウス・フォックスJr.(SS/シカゴ・ホワイトソックス(3A)) Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

ジャズ・チザムJr.に続くプロスペクトとして期待され、2022年メジャーデビューしたが、打撃で苦戦し以降はマイナー暮らし。




マット・コパルニアック(LF,DH/セントルイス・カーディナルス(3A))Baseball-Reference   Fangraphs

ロンドン生まれのミドルヒッター。'23WBCでは全試合DHで出場。残念ながらノーヒットで大会を終えた。2023年シーズンは、2A,3Aでプレイし、打率 .287と上々の出来。




ダショウン・ノウルズ(CF,LF/ロサンゼルス・エンゼルス(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。'23WBCでは先発出場はゼロながら、代打など控えながら7打席出場した。2023年シーズンは2Aに昇格。盗塁も30個マーク。




ジャズ・チザムJr.(CF/ニューヨーク・ヤンキース)Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

MLBの顔にも選ばれたバハマのスター選手。人気ゲーム「MLB The Show」の2023年版のカバーを飾った。2023年シーズンは前年から打撃成績を少し落としたものの、守備範囲、スピード、肩の強さなど、身体能力の高さは相変わらず。




チャベス・ヤング(CF/ミルウォーキー・ブルワーズ(2A))Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。'23WBCでは全試合ライトで先発出場。主に1番打者を務めた。2023年シーズンは2A,3Aでプレイ。打率や長打率は高くないが、盗塁などで特徴を出した。オフにはプエルトリコWLなどに参戦。




アンファニー・シーモア(CF/FA)Baseball-Reference   Fangraphs

バハマ出身。本職はCFだが、’23WBCでは全試合セカンドで出場。2022年までは米独立リーグを主戦場にしていたが、2023年はプレイ履歴見当たらずコンディション不明。




ジェイデン・ラッド(CF/トロント・ブルージェイズ(1A))Baseball-Reference   Fangraphs

イギリス国内にあるレイクンヒース米軍基地の出身。’23WBCではレフトで全試合先発出場。4試合全てで出塁した。打率は低いが、選球眼が良く四球での出塁が多い。




トレイス・トンプソン(OF/ニューヨーク・メッツ(3A))Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

バハマ系アメリカ人メジャーリーガー。'23WBCでは全試合2番センターで出場。WBC初打席にアメリカ相手にHRを放った。2023年シーズンは打撃不振。スピードにも陰りが出てきた。父親がバハマ出身でNBAプレイヤーのマイカル・トンプソン。兄がNBAのスター選手クレイ・トンプソン。




ガブリエル・リンコネスJr.(RF,LF/フィラデルフィア・フィリーズ(1A+))Baseball-Reference   Fangraphs

フィリーズのプロスペクト。フロリダ生まれだが、6歳の時にスコットランドに移住。その後アメリカに戻りフィリーズ傘下入り。パワーに定評あり。




ダーネル・スウィーニー(3B,LF/スーフォールズ・カナリーズ(米American Association))Baseball-Reference   Fangraphs   Baseball-Savant

メジャーで39試合出場経験あり。父親が英領ヴァージン諸島出身のためイギリス代表入りの資格あり。内外野守れるユーティリティープレイヤーだが、’23WBCではショートで全試合に先発出場。打率 .364/OPS 1.079の活躍。2019年からAmerican Associationで独立リーグを主戦場としている。

0コメント

  • 1000 / 1000