久々の投稿は新企画です。
世界の野球プロリーグと言えば、トップがアメリカのメジャーリーグ(MLB)で、続いて日本のプロ野球(NPB)が世界で2番にレベルが高いと言われています。ただ、アメリカや日本以外にもサマーシーズンのプロ野球は存在していて、韓国野球委員会(KBO)、台湾の中華職業棒球大聯盟(CPBL)、メキシコのリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(LMB)などがあります。これらのプロ野球リーグは、日本のプロ野球球団にとって米マイナーリーグ以外の外国人選手の大事な供給源となっています。そこで今回は韓国、台湾、メキシコのプロ野球リーグに加え、キューバ国内リーグ セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(以下、Serie)を加えた中堅4大リーグ所属の選手を、当サイト独自の基準でランキングしてみたいと思います。
プレイヤーランキング選考基準
今回はバッターに限定してランキングを作成します。理由としては、4つのリーグが全て極端な”打高投低”リーグになっており、どちらかというと打者の方が魅力的な選手が多いため、打者からランキングを作成することにしました。(まぁ正直言うと投手はまだ作成中なんですけどね…。)
ランキングを作る上で一番の課題は、各国のリーグのレベルの違いです。同じ打率3割5分でも、韓国KBOのそれとメキシコLMBのそれをどう評価したら良いか比較が困難です。そこで今回は、各リーグでの成績を日本のプロ野球ベースに変換することにしました。具体的にどうするかと言うと、まずはこれら4つのリーグからNPBに移籍してきた助っ人外国人選手たちの成績を集めます。そして、それぞれNPBに移籍してくる前の成績と後の成績を比較します。それぞれ移籍前後の平均的なパフォーマンスの変化量をデータ化し、それを各国の現役選手の成績に乗じて、日本だったらどのくらいの成績に該当するか算出します。(尚、近年韓国や台湾から日本にやってくる選手が非常に少なくなってきたため、データ自体が少ないという問題があります。そこで、この2つのリーグについては、一度マイナー3Aの成績に変換して、その3Aの成績からNPBの成績に変換するという方法を取りました。)尚、メキシコLMBの成績の場合、標高が高くボールが良く飛ぶチームに所属している選手については、実力以上に良い成績がついてしまうため、成績換算をする際にメキシコだけ標高補正も加えています。
また、同じくランキング作成の上での問題は、キューバリーグのデータ収集です。今回のデータ元は、老舗サイトBaseball-Referenceや各国公式サイトから参照したものですが、キューバリーグの成績はBaseball-Refenceの中で、2017-18シーズンの途中からデータが途切れてしまっておりました。そこは『取れないデータはどうやっても取れない』と諦めまして、可能な限りデータを収集しています。また守備関係のデータはほとんど取れないので、そこも割り切って攻撃系のスタッツだけで評価しています。
また、参照しているのは直近3年間2016~2018年のスタッツだけに限定しています。更に韓国/台湾/メキシコ/キューバの成績だけを参照しています。例えば、昨季韓国からW・ロサリオ選手が日本の阪神タイガースに移籍しあまり活躍できませんでしたが、ロサリオ選手の2018年シーズンの成績は対象外にしています。
各選手の成績を評価するのに『wRAA』と『wSB』と言う2つのセイバーメトリクス系指標を使いました。wRAAは” 同リーグの平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点"を意味し、wSBは”平均的な走者と比較して盗塁により何得点相当チームに貢献したか”を表す指標です。計算方法など詳しくはWikipediaなどにもありますので検索してみてください。wRAAやwSBは出場機会にも影響を受けますから、出場試合数の少ない選手だとwRAAは上がりません。今回は各選手の出場試合数は、基本的に各国リーグ成績をそのまま採用することにしましたが、キューバだけ極端にSerieの出場試合数が少ないため、出場試合数を実データの2倍にして比較できるようにしています。
ベストバッターランキング TO15
早速ですがランキングを見ていきましょう。
総括:1位の台湾の王柏融選手。30歳前後のベテラン選手がランキング上位を多く占める中で、王柏融選手の若さは非常に目を引きます。今季から移籍した北海道日本ハムファイターズのフロントが、その若さに注目していたこともなるほど納得できます。
また、全体的には韓国KBOの選手がランキングを占めるようになりました。確かに過去、李承燁(イ・スンヨプ)(1B/元・千葉ロッテ、読売)や、李大浩(イ・デホ)(DH/元オリックス、福岡SB)など、トッププレイヤーは日本でも活躍しましたから、同国KBOのトップ選手の評価が高まるのは理解できます。(W・ロサリオ選手のような例外もいますが…。)ただ、KBOの選手は年俸がそれなりに高いので、わざわざ安定した収入を捨ててまでMLBやNPBに移籍しようという選手は少なくなってきているように感じます。日本の球団からしても割高な韓国人選手を獲るよりも、3Aクラスから選手を獲ってきた方がリスクが少なく安上がりに感じるでしょう。逆に今回メキシコLMBの選手は、標高補正が効いているのかTOP15には入れませんでした。またキューバの選手があまり多くないのは、試合数の少なさはあると思います。
以上、今回も当サイトをご覧いただきありがとうございました。
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