【Premier12】戦力分析~メキシコ編~

【チーム状況】

野球協会とプロリーグの対立が解消され、上手くチーム編成が出来たメキシコ代表。オープニングラウンドでは、同じアメリカ大陸予選の枠を争うアメリカ代表、ドミニカ共和国を破りトップ通過。更に、グループBでは戦力が整っていたと見られた難敵ベネズエラが台湾に敗れ敗退。グループCでも、そこそこ強いカナダ代表が伏兵オーストラリアに足元をすくわれ敗退。スーパーラウンドは、同大陸チームのいない戦いとなりました。これは、プロ野球の交流戦のようなもので、仮に自分が全敗してもアメリカ代表も全敗してくれれば、問題ありません。オープニングラウンドの直接対決で勝っているので、お互い全敗してもメキシコが五輪本戦の切符を手にします。トッププロスペクト集団と見られていたアメリカ代表ですが、オープニングラウンドを見る限りあまりチームとして機能している印象が乏しく、対戦相手として見た場合、メキシコ代表の方が怖さがあります。

意外な感じもしますが、メキシコ代表は野球でオリンピックに出たことがありません。彼らからすれば、最初で最後にもなるかもしれないオリンピック本戦出場の最大のチャンス。何としてもこのチャンスを掴みたい所でしょう。


【戦力/チーム編成】

チーム構成は、メキシカンリーグ所属の選手を中心に、メジャーリーグ傘下のマイナーリーガーや、(退団濃厚ですが)日本のプロ野球所属の選手という編成です。特に今大会は、ファン・カストロ監督による早目の継投策が奏功しています。これまで、メキシコの強みと呼ばれつつも国際大会の場で中々活躍出来なかったメキシコ人ピッチャーたちが、漸くその真価を発揮した感があります。

打線の方は、NPB組のクリスチャン・ビヤヌエバ(3B/読売ジャイアンツ)が負傷で欠場。代わりの召集選手はいませんが、代わりに今季メキシカンリーグで本塁打30本のホセ・バルガス(3B/モンクローバ・スティーラーズ)がファーストからサードに入りました。ファーストにはレフトのエフレン・ナバーロ(LF/阪神タイガース)が入り、レフトは本来内野手のノア・ペリオ(2B,SS/モンクローバ・スティーラーズ)が入っています。

個人的に一番いい選手だと思うのは、パドレス傘下のエステバン・キュロス(2B/サンディエゴ・パドレス3A)です。元々メキシカンリーガーでしたが、2017年のWBCの活躍を機に、レッドソックスとマイナー契約。その後パドレスと契約し、もう少しでメジャーに手が届きそうな距離まで来ています。野手がメキシカンリーグからメジャーに入るケースは多くないので、是非頑張ってもらいたい選手です。また、ジョナサン・ジョーンズ(CF/ユカタン・ライオンズ)やホアン・ペレス(RF/サルティーヨ・サラぺメーカーズ)は、共に盗塁30本以上をマークする足がある選手で、相手の機動力にも警戒が必要です。


【展望】

スーパーラウンドでのポイントは、アメリカ代表よりも負けを増やさないことです。アメリカ代表は、弱いチームにはあまり負けないでしょうが、勝負強さはなさそうなので侍ジャパンや同じ位の強豪相手だと力負けする可能性があります。台湾には既に勝利し2勝、アメリカは韓国に敗れ既に2敗。侍ジャパンか韓国のどちらか当たりに勝てれば完璧ではないでしょうか。


【参考:今季成績】

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