(2019/12/24改定 個人への守備得点の割振りを修正したため記事を修正。)
前回「台湾プロ野球の守備指標」に続き、今回は韓国プロ野球KBOの守備を見ていきます。
韓国プロ野球も、かなりスタッツデータが充実しているリーグです。まず、公式サイトには様々な条件別のデータが拾えるのがポイントで、恐らくデータの充実っぷりで言えば日本プロ野球NPBよりも先行していると思います。また、「STATIZ」(http://www.statiz.co.kr/main.php)という韓国プロ野球のスタッツを扱うサイトがあるのですが、韓国プロ野球サイトの中でも、特にセイバーメトリクス系のデータが充実しています。ただ、如何せん全部韓国語で書かれているので、正直どこに何が書かれているのかよく分かりません。これらを利用される際は、無料でウェブページごと翻訳してくれるサイトがあるので、そういったツールを利用されるのが良いかと思います。因みに、STATIZの中には守備関係の指標も載っていますが、STATIZの守備指標は、最近日本でも浸透してきたセイバー系守備指標 UZR(UZRの詳細はこちら) とは異なり1球毎の打球データを地道に収集したものではなく、一般的なスタッツから算出されたものだと思いますので、打球の難易度だとか緻密な評価まではされていません。
話は変わりますが、実は韓国には日本や台湾と違って、ゴールデングラブ賞のようなものがありません。正確にはゴールデングラブ賞という名前のタイトルはあるのですが、これは守備の上手かった選手を表彰する賞ではなく、野手は打撃成績を重視したタイトルになっています。その証拠に、守備に就くことの無い指名打者(DH)が韓国版ゴールデングラブ賞の対象ポジションの1つとして設定されています。ということで、韓国プロ野球はあまり守備の上手い選手がそれはどクローズアップされ難い環境のように感じとれました。そこで今回は、前回の台湾プロ野球編と同様に、韓国プロ野球の公式サイトから拾ったデータを使って守備指標「守備得点」を算出しまして、韓国プロ野球選手の守備を評価して行きたいと思います。STATIZにも守備データが載っているのですが、計算方法が不明(というかハングル読めん!)なので、自り気合で計算してみました。
(因みに、韓国プロ野球のスタッツのダメなところは、シーズン途中で移籍した選手の場合、移籍前の球団と移籍後の球団でスタッツが分かれていない所です。本来はここら辺をきっちりやりたかった所ですが、データが無いのでしょうがないのと、まぁ大勢に影響しないのではないかという割り切りで考えないようにしています。)
捕手
捕手の守備評価は、盗塁阻止、捕逸、失策などの指標から算出しています。リードなど指標かが難しい情報や、そもそもデータが無いフレーミングなどは含まれていません。
プレミア12でレギュラーキャッチャーを務めた梁義智/ヤン・ウィジ(C/NCダイノス)がナンバー1でした。今年首位打者を務めたので、ついつい攻撃の方に注目されがちでしたが、シーズン中は守備の方でも貢献度が高かったようです。
内野手&投手
内野手と投手は補殺(=主にゴロ処理)数を元に評価しています。
日本に馴染みがあるところでは、横浜DeNAベイスターズにも所属していたジェイミー・ロマック選手(1B/SKワイバーンズ)。日本では外野の守備が酷い様子が見られましたが、韓国でも守備に置いては貢献出来ていないようです。意外なのは、プレミア12でレフトで酷い外野守備を見せていた金賢洙/キム・ヒョンス(1B,LF/LGツインズ)が、ファーストで3位に入っている所です。この守備得点の欠点が、最初にチームのポジション毎の守備得点を計算した後、そのチーム守備得点を出場守備イニング毎に個々の選手に割り振りするという計算方法をとらざるを得ないため、金賢洙と同じくらい出場している金容儀/キム・ヨンギ(1B/LGツインズ)が守備が物凄く上手で、この選手の守備得点を横取りしている可能性があります。ただし、金賢洙も同じ位のイニングを守っていているので、金賢洙の守備が完全にザルだとしたら、チームの守備得点は相殺されてプラスマイナス”0”になるはずですから、必ずしも”横取り”で良くなったとも言い切れないのかなと思います。(12/24改定 再評価の結果、金賢洙の順位は6位。やはりファーストでの適正があるのかもしれません。)
他に見てみると、プレミア12決勝戦で山口俊(SP/読売ジャイアンツ)から先生の2ランホームランを放った金河成/キム・ハソン(SS/キウム・ヒーローズ)がショートで2位1位に入りました。
外野手
外野手は刺殺(=外野フライ≒守備範囲の広さ)と補殺(=捕球後の送球≒肩の強さ)を評価対象にしています。
注目所は、来シーズンから阪神入りするジェリー・サンズ(OF/キウム・ヒーローズ)がラライトでワースト4位に入りました。一三塁は大山選手や既に獲得済みの外国人選手もいますから、外野で起用するしかないのですが果たしてどう影響するか?
台湾プロ野球の場合は、守備得点ランキング上位に台湾代表選手の名前も結構入っていたのですが、韓国代表の場合はWBCやプレミア12などで見る韓国代表のレギュラー選手が少ないように感じます。韓国代表の選手選考が守備より打撃を重視しているのかもしれません。
2019年シーズンのリアルGG
最後に今年2019年度だけの守備得点成績で評価すると、”幻”のゴールデングラブ賞はこのようになりました。※サムネイルは下の表を絵にしたものです。
以上、今回も当サイトをご覧頂きありがとうございました。
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