稲葉監督が初めてフル代表を率いて臨む試合は、3/3(ナゴヤD)、3/4(京セラD)に開催されるオーストラリア代表との強化試合になります。シーズン前の3月という時期に対戦相手を買って出てくれたのはオーストラリア代表。最近では昨年3月にWBC1次ラウンドで対戦し、侍ジャパンが4対1で勝利しました。当時のオーストラリア代表メンバー構成は、投手の方はMLB傘下のマイナー所属メンバーもいましたが、打者の方はほとんど所属が決まっておらず地元の豪州ウィンターリーグ“ABL(Australian Baseball League)”を主戦場とする選手でした。今回の強化試合はシーズン前ということで、メジャーリーグ/マイナーリーグに所属している選手を召集するのは難しそうで、代表選手のほとんどはABL所属選手となりそうです。そのオーストラリア代表の実力は、どのようなレベルなのでしょうか?まずは打者編ということで調べてみました。
ABLには地元オーストラリアの選手以外に、アメリカ,日本,韓国,台湾,オランダなど様々なプロ野球リーグから選手が参加しています。その中でマイナーリーグ所属の選手をクラス別に集計すると、野手の場合、3Aが 1名、2Aが3名、1A+が6名、1Aが5名、1A-が4名、ルーキーリーグが7名、とバラつきはありますが総じて1A前後レベルが多いリーグとなっています。概ね1Aクラスと見ていいでしょう。
ところでABLではシーズン半ばの12月にオールスター戦を開催しています。ABLは1リーグ制なのですが、どのような分け方でチームが作られるかというと 『ABL所属のオーストラリア代表』と『ABL所属の外国人選抜』という対戦になります。今回侍ジャパンが対戦するオーストラリア代表は、この時の『ABLオーストラリア代表』に近いメンバーとなるだろうと予想されます。ABLではトップクラスの成績をマークしている彼らですが、これはあくまで1A相当のABLでの成績です。当然2A→3A→メジャーというようにレベルが高いリーグでプレイすれば、ABLほど活躍はできません。ABLでの成績だけではABLオーストラリア代表が強いのかどうかが分かりません。そこでABLの成績から、彼らが日本プロ野球でプレイしたらどの位の成績を残しそうか推定してみました。まず、ABLに参加しているマイナーリーグのABLでの成績(12月末時点)とマイナーリーグでの成績を使って、彼らが3Aクラスでプレイしたらどの位の成績を残したか推定します。次に、過去にプロ野球でプレイした外国人選手の成績から、3Aでの推定成績をNPBでの成績に変換してみます。(尚、変換方法について書き出すと長くなるのでここでは割愛しますが、リーグによって打高投低だったり,投高打低だったり特徴もあるので、数値そのものを使うのではなく打撃成績を偏差値になおしたりしました。
OPS(=出塁率+長打率)を見ると、チーム平均は.587でNPB平均.706を1段下回っています。こういった数値を見てしまうと、強化試合といえ内容結果ともに負けてはいけない相手と言えるでしょう。
打線の中軸を担うのは、昨年のWBCにも出場したミッチ・二ルソン、ルーク・ヒューズ、デビッド・キャンディラスなど。過去にはメジャー経験のある打者が何人か揃っていましたが、今のメンバーでメジャー経験のある選手はヒューズのみ。その代わりに日本の独立リーグを経験したことのあるメンバーが増えていて、日本野球の特徴はお隣の韓国や台湾以上に体感しているかもしれません。是非とも接戦に持ち込んでもらい、意味のある試合にしてほしい所です。
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