【Premier12】未知数のドミニカ共和国代表

今年11月2日~17日にかけて開催される第2回Premier12 (日本/韓国/台湾/メキシコ共催)。アジアやラテンアメリカの各国にとって東京オリンピックへの出場権のかかった重要な大会です。前回第1回Premier12と比較して、オリンピックへの出場権が付与されたことで大会のプレゼンスが高まったため、参加国は前回以上にチーム編成に力を入れるだろうと予想されます。特に、自国のウィンターリーグとシーズンが重なってしまい前回大会では選手集めに苦労したカリブの強豪チームは、今大会ではまるで違うレベルのチームで挑んでくるだろう、と考えられます。


今までにないドミニカ共和国代表

Premier12にはメジャーリーガーは参加できません。代わりに日本プロ野球NPBやマイナーリーグ3Aクラスからトップ選手をどれだけ召集できるかが、代表チーム編成上のポイントとなります。日本代表“侍ジャパン”以外の代表チームからすればNPBで活躍している外国人が多い程、選手層を厚くすることが出来ますし、同時に侍ジャパンにとっても警戒すべきライバルとなります。そこで浮上してくるのが“ドミニカ共和国代表”です。

プロ野球に所属しているドミニカ共和国出身選手を見てみましょう。

近年NPBでは、単に海外から外国人選手を獲得するだけでなく、広島カープアカデミーや読売の外国人選手の育成契約選手のように、安く契約して球団内で育てるケースが増えています。NPB所属のドミニカ共和国出身選手が多くなっているのは、球団の外国人補強の変化も関係しています。身体能力の高いドミニカ共和国の選手ですから、上記リストに載っている選手以外にも各球団には育成契約含めたくさんいます。今シーズンが終わった後に大化けしている選手も出てくるかもしれません。

そして、これにマイナーリーグやドミニカウィンターリーグ所属の選手が加わることになります。いや、むしろマイナーリーガーやウィンターリーガー中心のチームにNPB勢が加わる、と言った表現の方が正しいでしょう。球団によっては、高額な外国人選手をPremier12への参加させることに消極的なチームもあるかもしれません。なので、代表チームの編成を考える際に、ウィンターリーガーをベースに考えそこにNPBのレギュラークラスをどれだけ呼べるか?という発想になると思われます。

さて、今季は実に102人ものドミニカ共和国出身選手が、メジャーリーグの開幕ロースターに名前を連ねましたが、彼らの後ろには更に多くのマイナーリーガーが控えている訳です。

彼らマイナーリーガーの中には、メジャー昇格が期待されるプロスペクト(若手有望株)や、メジャーで活躍できる実力を持ちながらも球団の育成方針の故にマイナー契約を甘んじて受けているような選手もいるでしょう。彼らがPremier12に積極的に参加するようであれば、間違いなく本大会の優勝候補として一気に浮上してきます。WBCで結成されたようなバリバリのメジャーリーガーだらけのドミニカ共和国代表ではないものの、選手層の厚い国ですから、メジャーリーガー不在でも国際大会で充分優勝を狙えるような、今までにないドミニカ共和国代表が見られるかもしれません。


鬼門は乱打戦の予想される1次ラウンド

そのドミニカ共和国代表は、Premier12の1次ラウンドでアメリカ合衆国、メキシコ、オランダと総当たりで対戦します。1次ラウンドの球場は、メキシコ・ハリスコにあるEstadio de Béisbol Charros de Jaliscoです。この球場は第4回WBCの1次ラウンドでも使われたのですが、標高の高い空気抵抗が少ない場所にあるため、本塁打が飛び交う乱打戦となりました。外野フライと思われた打球が簡単にホームランになってしまうので、選手の実力以上に得点が入ってしまい点の取り合いになります。強豪国チームからすると、何が起こるか分からない怖さがあります。点を取られないようにするにはフライを打たれないようにするのが一番のポイントですが、球場では空気抵抗が少ないため、変化球が曲がり難いという問題も留意する必要があります。つまり、ゴロを打たせる2シーム系の動くボールも変化が少ないため、変化球ピッチャーはとっては少し不利になります。なので、ゴロを打たせるには投球の高低や緩急などの配球も駆使して考える必要があります。この1次ラウンドさえ無事に通過できれば、2次ラウンド以降の会場は日本ですから、ハリスコよりは実力が試合結果に反映されやすい環境になると思います。侍ジャパンも2次ラウンド進出すれば、千葉ZOZOマリンスタジアムでドミニカ共和国代表と対戦することになりますが、これまで国際大会で侍ジャパンとドミニカ共和国の対戦はほとんどありませんでした。メジャー抜きでも十分手強いドミニカ共和国代表が編成されることと、侍ジャパンがその相手とガチンコの試合が実現されることを期待したいと思います。


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