【チーム状況】
今年夏に開催されたパンアメリカン競技大会(開催地ペルー/リマ市)で、見事に優勝したのがプエルトリコ代表です。同大会では、先月侍ジャパンとも対戦したカナダ代表を2度破っています。パンアメリカン大会でもそうでしたが、近年のプエルトリコ代表チームの戦い方は、犠打を多用する傾向が出てきています。プエルトリコは、中南米系の強豪ドミニカ共和国やベネズエラといったタレント王国と比べて選手層が薄いため、僅差のゲームを勝ち切れるよう小技を絡めたスモールベースボールを展開しているように見えます。
【戦力/チーム編成】
パンアメリカン大会ではプエルトリコ国内のウィンターリーグ所属の選手が中心の構成でした。プレミア12では、パンアメリカン大会のメンバーに加え、何人かの現役マイナーリーガーがチームに合流できまして、野手を中心に若干戦力アップしています。ただ、土台がマイナーリーグすらも解雇された国内組の選手ですので、選手層という意味ではオープニングラウンドで同組のベネズエラなどと比べると圧倒的に劣っていると言わざるを得ません。ただし、継続してチームが作られているという意味では、チームの結束力や連携面では他の代表チームより有利かもしれません。
元西武のミゲル・メヒア(RP/カンペチェ・パイレーツ(MEX))や元東京ヤクルトのオーランド・ロマン(RP/クリオーヨス・デ・カグアス)など、日本球界と関わりのある選手もいるのですが、日本で活躍していたのは4年位前の話。やはり選手の格で言うと落ちる印象です。野手で注意したいのはダニー・オルティズ(RF/プエブラ・パロッツ(MEX))。打球の飛びやすい標高2,000m級のメキシコのプエブラを本拠地にしていることを差し引いても、今季42本の本塁打をマークするのは運では出来ないでしょう。彼の前にランナーを置かないよう注意したい所です。
【展望】
グループB(日本/台湾/ベネズエラ/プエルトリコ)の中では、一番戦力が揃っていない印象。直前の韓国との強化試合では、0-4、0-5と2試合連続の完封負け。楽勝な雰囲気もしますが、そう思惑通り行かないのが国際大会。プエルトリコからすれば、何とか接戦に持ち込んで、対戦相手が焦る展開に持ち込みたい所。正直なところ、今回のメンバーで東京オリンピックの出場権獲得は至難の業ですが、プレミア12に続いて開催される東京オリンピック・アメリカ大陸予選に向けて良い流れを作って臨みたい所でしょう。
日本代表からすれば普通にやれば勝てる相手ですので、序盤に点が取れなくても焦らず、終盤に一気に突き放す展開も想定して試合に臨みたい所です。
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