以前日本代表のポジション別WARランキングを特集しましたが、レギュラーシーズンも終わりましたので最終結果を見てみたいと思います。更に、日米野球でMLB選抜と対戦する日本代表侍ジャパンで、稲葉監督が選んだ選手達とWARランキングの関係も絡めて考察してみたいと思います。
最新ポジション別WARトップ3
※WARはDelta HP(https://1point02.jp/op/index.aspx)より。
まず外野から見ていきましょう。注目は何と言ってもセンターでしょう。柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、丸佳浩(広島)、秋山翔吾(埼玉西武)といった、日本球界を代表するバッターがトップ3を形成しています。そして4位にはパ・リーグ盗塁王の西川遥輝(北海道日本ハム/WAR5.4)もいて、センターは選手層が厚いというか、稲葉監督からすると悩ましい状況にあります。
続いて、ライトのトップは平田良介(中日)でした。鈴木誠也(広島)や上林誠知(福岡ソフトバンク)といった若手が代表常連になりランキング上位に食い込んできた中で、今季リードオフマンという新たな役目に挑戦したベテランが安定感のある活躍を見せました。
レフトのトップはオリックスの若き大砲、吉田正尚(オリックス)。続いて近藤健介(北海道日本ハム)が続きました。稲葉ジャパンの4番筆頭の筒香嘉智(横浜DeNA)は、WAR3.7でレフト4位でした。
※筒香選手は怪我により辞退。上林誠知(福岡ソフトバンク)選手が代替選出(18/10/26)
続いて内野です。ショートトップは坂本勇人(読売)で、続いて源田壮亮(埼玉西武)、田中広輔(広島)と有名どころが名を連ねています。セカンドは3度目のトリプルスリーを達成した山田哲人(東京ヤクルト)がトップとなりました。尚、侍ジャパン常連の菊池涼介(広島)は、WAR2.8程でしたが、守備指標UZRはセカンドの中でトップ。ここら辺は流石というべきでしょうか。ショートに菊池,セカンドに源田を並べれば、とんでもない守備範囲の二遊間が出来上がりそうですが、果たして今後どうなるでしょうか。
ファーストは、本塁打王の山川穂高(埼玉西武)がトップ。2位には今季ブレイクを果たした岡本和真(読売)が続きました。日米野球では、日本人選手の人材が少ないサードでの起用が濃厚です。
そのサードのトップに輝いたのは、“熱男”こと松田宣浩(福岡ソフトバンク)長年日本のサードを守り続けた男は今季も健在でした。打撃の方は本塁打32本で、ここ数年の中でも良い内容でしたが、守備の方もUZR13.5と非常に優秀な内容でした。ただし、熱男の叫びの一方で、世代交代の課題は依然として残っています。稲葉監督としては、恐らく大山悠輔(阪神)や西川龍馬(広島)辺りへの期待はあったと思いますが・・・、二人とも今後に期待です。
問題のキャッチャーです。打撃のできるキャッチャーが上位に来ています。稲葉監督は3月のオーストラリアとの強化試合では、小林誠司(読売)、田村龍弘(千葉ロッテ)、甲斐拓也(福岡ソフトバンク)といった守備重視の選手選考をしましたが、日米野球で選んだのは“打てるキャッチャー“でした。(稲葉監督の恩師である野村克也氏の”捕手に打撃は必要ない“という考えとは対照的です。)1位の會澤翼(広島)は、打率.306、本塁打13本。2位の森友哉は、打率.275、本塁打16本の活躍でした。キャッチャーの中で守備指標UZRがトップだった甲斐は日米野球のメンバーに名を連ねましたが、他の會澤、森の二人はテスト的な要素が強いようです。
稲葉JAPAN選手選考
次に日米野球のメンバーを見ていきましょう。
※筒香選手と石山選手は怪我により辞退(18/10/26)。代わりに上林、佐藤優(中日)選手が選出。
※(18/11/3)出場選手数29名に増えたため表を更新。
まず先発投手です。これまで代表に呼ばれまくっていた菅野智之(読売)や則本昂大(東北楽天)は辞退&召集見送りとなりましたが、この2人を除いて形で投手成績上位に来るような投手が多く揃いました。特に印象的だったのが岸孝之(埼玉西武)の代表初招集です。岸投手はこれまでWBC使用球(=メジャー使用球に近くて“滑る”革質)との相性の悪さであったり、WBCの球数制限ルールがネックになったりなど、代表とほとんど縁がありませんでした。ただ、今回の日米野球や東京オリンピックではNPB使用球に近いWBSC公認球(SSK社製)が使われることで、プロ11年目にして初の代表選出となりました。
見所はメジャーリーガーに持ち球が通用するか?
まず先発投手です。これまで代表に呼ばれまくっていた菅野智之(読売)や則本昂大(東北楽天)は辞退&召集見送りとなりましたが、この2人を除いて形で投手成績上位に来るような投手が多く揃いました。特に印象的だったのが岸孝之(埼玉西武)の代表初招集です。岸投手はこれまでWBC使用球(=メジャー使用球に近くて“滑る”革質)との相性の悪さであったり、WBCの球数制限ルールがネックになったりなど、代表とほとんど縁がありませんでした。ただ、今回の日米野球や東京オリンピックではNPB使用球に近いWBSC公認球(SSK社製)が使われることで、プロ11年目にして初の代表選出となりました。
※各球種の割合はDelta HP(https://1point02.jp/op/index.aspx)より。
※(18/11/3)選手変更に伴い更新。
その岸投手の武器であるチェンジアップや、大瀬良大地(広島)投手のカットボール、東浜巨(福岡ソフトバンク)のシンカーなど、各投手が特徴的な球種を持っていますので、それがメジャー選抜相手に通じるかどうかが注目ポイントとなりそうです。これまで日本人投手が外国人選手を相手にフォークやスプリッターなどの縦の変化球を武器に活躍してきました。一方でフォーク/スプリッターを持っていないタイプの投手が、メジャーリーガーを相手にどのように挑んでいくのか要注目です。
平田は構想外?
打者に関しては、比較的これまで侍ジャパンで名を連ねてきたメンバーが揃いました。上述の通り新顔が多いのはキャッチャーですが、内外野で初招集なのは岡本和真(読売)や田中和基(東北楽天)の2名だけでした。
むしろ気になるのは今回召集されなかったメンバーです。坂本勇人(読売)や鈴木誠也(広島)など、シーズン終了後のコンディション調整などを理由に二人が辞退するのは理解できますが、これまで侍ジャパンへの出場機会が少なかった丸佳浩(広島)と平田良介(中日)が今回も呼ばれておらず非常に気になります。丸選手の今季活躍は凄まじいものがあり、内容としてもMVP級の働きでした。ただ、同じポジションに柳田や秋山といったトッププレイヤ―がいるためなのか、代表選出となっていません。このセンター争いについては、別途特集を考えたいと思います。
個人的に見たかったのは平田選手です。所属する中日はクライマックスシリーズ進出を逃しましたので、Aクラス球団所属の選手よりも調整期間はありました。平田選手と言えば、中日でクリーンナップを打っているイメージが強かったと思いますが、今季は1番バッターとして本塁に還ってくる役割を任されました。1番バッターと言えば俊足好打の打者のイメージがありますが、平田選手はがっちりとした体格をしていて、一般的な1番バッターのイメージとは少し異なります。ただし、平田選手は走塁が非常に優れていて、UBRという走塁関係のセイバー指標では両リーグNo.1の成績でした。更に今季の出塁率は.410でキャリアハイ。塁に出る力と本塁に還ってくる力を兼ね備えていて、実は1番打者としての適性があったことに気づかされました。
侍ジャパンでは、秋山翔吾や山田哲人辺りが1番バッターを務めることが多いですが、平田選手もこの2人に迫るような1番の活躍はできるような気がします。ただし、稲葉監督は外野には打撃重視で選手を選びたいのか今回の侍ジャパンメンバーには選ばれていませんでした。果たして今後平田選手が選ばれることはあるのか?注目していきたいと思います。
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